「どうぞ」と言われたい承認欲求 [角煮煮] 魔法少女の恩返し 後編 (WEEKLY快楽天 2023 No.38)

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copyright 2023 ワニマガジン 角煮煮

タイトル 魔法少女の恩返し 後編
作者 角煮煮
掲載誌 WEEKLY快楽天 2023 No.38
ページ数 23
ヒロイン ルルリリ
竿役 三城誠司
エロページ位置(割合) 5 – 21 (73.9%)
発射数 3
公式タグ フェラ / パイパン / ファンタジー・SF / 中出し / 処女 / ミニ系・小柄 / 貧乳・微乳
修正 白抜き修正
どうもここ最近の違和感はテニス肘らしい。テニスなど一切していないのだがよくあることだそうだ。テーピングのせいで若干キーボードが打ちにくい程度である。本日はweekly快楽天から、細く長く常識改変ネタを提供してくれる角煮煮先生の3連作が完結したと思われるのでご紹介したい。
 

常識改変モノ

令和に入ってフィクションの世界でも同意なしの性行為は不適として淘汰される傾向にある。もちろんイチャラブ好きならそれでいいのだが、女性と仲良くした原体験がない人間にはある種の抵抗がある。その狭間でいったん「時間停止」が生まれたのだが、これはこれで設定が難しいうえに結局一人遊びを強いられるためパターンが限られてしまう。その改良点を踏まえたのがいわゆる「催眠」モノ「常識改変」モノだといえる。要するに自分のことを好きでない女性と形式的に同意があるかのようにしてHする仕組みである。携帯アプリなど道具を使うスタイルが一般的だが、本作のようにファンタジックなギミックを入れるパターンも少なくない。角煮煮先生自ら「エロマンガアカデミー」で語られたところでは、「相手のコントロールを奪って好き勝手言わせるのは単なるプレイであり、相応の対価があれば誰でもやってくれる」「あくまで女性自身の自由意志から出てこないような言動を自発的にとらせるのが常識改変モノの醍醐味」であるとのことだ。その例として先生は「自分のスマホを相手に渡す」という行為をあげている。普通自分のスマホを他人に明け渡すのには抵抗がある。しかしスマホを奪い取るのではなく、あくまで自発的に提供するような「違和感」こそが常識改変モノなのだと私は理解した。
 

5a04792109240de6bf89b6ff893f5c087f5c88a8.jpg前編

3部作なのでそれぞれ説明しよう。本作はうだつの上がらない派遣社員の三城誠司が竿役である。タグはついていないがキモ男よりである。角煮煮先生曰く、「竿役は目立たない方がよい」との事で、確かに存在感が薄めである。本人より周囲からの罵倒と目線で何となく三城という人間の立ち位置がわからせられる。朝4時、そろそろ出勤しなければと起床しようとした瞬間に、部屋の中に本作のヒロインであるルルリリが発生する。ルルリリは「10年前に飢える私にご飯を恵んでいただいたこと」「恩返しに来た」と説明を始めた。三城は状況を飲み込めず、いったん時間がないので出勤することにした。出がけにルルリリが「バイト先にいや~な人いますよね?魔法かけちゃっていいですか?」と申し出てとりあえず了承する。
職場につくと、ずっと愛想のなかった綾香という女の同僚が今までの非礼を詫びてきた。それだけでなく、バックヤードで性奉仕を進んでやってくる。拒む理由もなければ拒み方もわからない三城はされるがまま口に一発出す。綾香からそれ以上を提案されたが一旦帰宅する三城。ルルリリに説明を求める。ルリルリは散らかった家を掃除し、ご馳走と風呂を魔法で提供してくれた。魔法の存在とルルリリの意思を理解し始めた三城だが、「オナホを持ってきました!」という紹介で見知らぬ女性を家に連れ込まれ混乱する。彼女は高崎と名乗り、この状況に戸惑うでもなく「オナニーに好きに使ってください」と告げる。追加でルルリリから「避妊も魔法でしてるのでOK」とダメ押しが入る。高崎さんはオナホと自認しているため、「前戯など不要で当然準備OK」「オカズは別途用意するのか確認(AVを見ながらならそれでよい)」など確かに正気ではない反応を見せる。しかもヤルことをやったら帰っていった。ルルリリが感想を求める。漠とした罪悪感を悟ったルルリリが「ご迷惑でしたか?」と申し訳なさそうに聞いてくるので、三城はルルリリの自分に対する善意として全肯定する。ルリルリ曰く、魔法による現世への干渉は原則禁止だが「バレない程度ならどってことない」と、例えば金を集めたり人を永続的に拘束するのはNGだが、今やった程度のHなことならOKらしいのだ。気をよくした三城とルルリリはこの生活を満喫しようとする。ここまでが前編だ。

22080acfc6f081e846dfb8a31b9b8410230d0fd1.jpg中編

中編は応用編のようなストーリーだ。結局バイト先の綾香とは上手くいかないため、懲罰的にルリルリが自宅に転送して、本人の意識を残したまま三城とセックスさせる。結局退職し、転職活動をしつつルルリリの連れてくる女との性行為に耽る日々が続く。ルルリリは三城の好みを理解するため彼の好きな芸能人、マニワプロダクション所属モデル・タレントの仲間麗愛(れのあ)という女のクローンを作成し、性処理兼ハウスメイドとして扱うことにした。そして最後、三城とルルリリは町中へ散歩に出る。ルルリリの張った結界の中では好きなように女とセックスしてもいいとの事で、ルルリリは街ゆく女を適当に襲わせて三城の好みを探ろうとした。この状況に慣れすぎた三城はふとルルリリに「この状況が女として恥ずかしいと思ったことはないのか?」と尋ねる。ルルリリはさも意外そうに「三城さんは私を女だと思ってるんですか?」と聞き返し、三城はルルリリのことを性的な目で見ていることを伝えてしまう。それ以降、ルルリリは生活の世話をクローンに任せあまり三城の前に出てこなくなる。

533c0875b7aad649a132f16b12d9107228000091.jpg後編

そしてやっと後編、冒頭でそもそもの発端である、「三城が公園でうずくまっているルルリリに手にしたハンバーガーを食べさせる」シーンから始まる。引き続き素っ気ないルルリリを不安に思う三城は、周囲のオナホ達に相談する。「それはルルリリも三城が好きだから」という結論に至った。壁ドンで直接真意を問いただす三城、はぐらかすルルリリ。二人の風呂上がりにルルリリが話してくる。「今日の性処理満足されましたか?」「もし足りなかったら私がっ…!!」というところで三城がルルリリを気遣う。自分にそこまで気を使う必要なんてない、本心を言ってほしい、三城の言葉に、「そういうとこですよ」とルルリリは微笑む。二人だけの魔法のないエッチシーン。三城は「いつもの魔法少女の服を着てほしい」とだけリクエストする。照れるルルリリ。小さい身体は三城を受け入れることができた。
これでもう性的なことはルルリリとしか出来ないな、そう三城が思ったところで、またしてもルルリリが大量の女子を連れて家に帰ってくる。「私だけなんて恥ずかしい」という照れ隠しで、引き続きハーレムライフが楽しめそうだ、という男の夢100%でオチとなる。

「どうぞ」と言われたい承認欲求

角煮煮先生の作風の原点には同人グループ「にゅう工房」の作品群があるとのことだ(エロマンガアカデミー)。どちらも冒頭に述べたように、「男に媚びた」というより「何かずれた」形でエロいことが起きるというところに、男性諸氏の妄想にどこか深く通ずるものがあるのだろう。「好きだ」と言われる自分は想像できないが、「どうぞ」と承認だけされる事はあるかもしれない。そういう架空の承認欲求をトコトン突き詰めたというべきか。エロ漫画に限らず、エロコンテンツに実在の女性を重ねて妄想するというのは誰しもあると思う。角煮煮先生の作品にはそういう「ハメ込み穴」のようなものが付いており、かつてのクラスメートや近所の美人お姉さんなどをハメ込みやすいように出来ている。竿役の「薄さ」も感情移入に一役買っている。単体で面白い作品は一杯あるが、このような「実用性」に特化した作品は逆に昨今減少気味であるとさえ言える。催眠や常識改変というのも色々なパターンが試され、概ね出尽くした感がある。ここからさらに度肝を突くようなギミックを見せてくれることを楽しみにしたい。

あらすじ(本作より)

中年フリーター・三城のもとに現れたのは、彼に恩があるという魔法少女・ルルリリ。衣食住と常識改変済の美少女たちが提供される、夢のような生活が始まった。しかし、ルリルリのことも性的に見ていたことがバレてしまい…!?

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