「女難」「短命」というハズレ血統 [ミナギリ] はずれの家 (WEEKLY快楽天 2023 No.46)

copyright 2023 ワニマガジン ミナギリ

タイトル	はずれの家
作者	ミナギリ
掲載誌	WEEKLY快楽天 2023 No.46
ページ数	24
ヒロイン	彩奈
竿役	陽くん
エロページ位置(割合)	3 – 23 (87.5%)
発射数	1
公式タグ	アナル / フェラ / パイパン / 中出し / 制服 / 姉 / お姉さん / 学生 / 巨乳 / 淫乱 / 背徳・インモラル
修正	白抜き修正

親ガチャ

本作作中に「親ガチャ」と単語が出てくるのだが、そこに至る前に本作タイトルから予想できた人は多いだろう。「郊外の造成地の一軒家」を舞台とした「町はずれ」という意味と、親ガチャにハズレた二人の物語という2つの「はずれ」が重なっている。太古の昔から親は子を選べず、子もまた親を選べない。血を分けた親子は遺伝的にも社会的にも似た者同士になる確率が高く、親子は同じような能力、思考様式、そして人生設計を人知れず持つことが多い。ネットが普及する前は自分の親子関係と比較する対象もまた親戚ないし近所であり、平均から極端な外れ値をもつ親子と比べる機会も必要性も感じなかったと思われる。何を持ってアタリと考えるかはさておき、平均より恵まれない家庭の交友関係もまた恵まれない家族関係であることが多いものだ。しかしSNSの普及によって交流のない他人のプライベートの事情を垣間見ることが激増した。良くも悪くも「盛った」情報が錯綜する中で、個々人の「家族というもの」に対する期待値が大きくなってしまった。そして同時にあらゆる物の価値軸が高級から低級という尺度ではなく、バズりに値する「稀少」とそれ以外の「平凡」という、ソシャゲのガチャのレアリティのような捉え方になってしまった。この2つが合わさった結果、何か非凡だと思えるものがない大多数の親が「ハズレ」扱いされるという事態が起きたのだ。平凡な事自体は悪いことではないといかに早く気づくか、気付けるかがよりよい人生を歩むための通過儀礼とも言える。

大ハズレへの三段クルーン

本作はフィクションであり、本当にハズレな親しか出てこない。中盤で説明があるが整理しよう。竿役は陽くんと呼ばれているが名前が陽一文字なのかは分からない。陽くんの産みの母親は離婚し、父親が本作に唯一登場する真琴さんと再婚した後で他界している。ヒロインは彩ちゃんと呼ばれるが名前は彩奈という。彩奈は産みの母が他界しており、父親が連れ子持ちの真琴と再婚しているのが本作時間軸である。非常に分かりにくいが要するに真琴は陽くんと彩奈のどちらとも血縁関係がない。従って当然この姉弟も血縁関係にない。この時点でまあまあ親ガチャハズレと言っても良さそうだが、本作のハズレポイントはここではないのだ。さらに陽くん目線で時系列に並べる。

1. 陽くん実母が離婚
2. 陽くん父が真琴と再婚
3. 陽くん父が他界、喪が開ける頃には彩奈父とデキている
4. (一年前)真琴が彩奈父と再婚、陽くんの家に彩奈が引っ越す
5. (二ヶ月前)彩奈父が蒸発

真琴さんは血縁のない母で見た目は若いのだが、残念ながら濡れ場がない。喪服姿で彩奈父に抱かれているシーンはあるのだが露出は一切ない。そして真琴さんはパートの看護師として働いていたのだが、怪しげな水を売るネットワークビジネス、いわゆるマルチ商法と疑われる手口に巻き込まれている。そして出張と称して家を空けてしまうのだ。聞くだに辛い話なのだがまだ本丸ではない。彩奈父はさらに怪しげな雑誌「実録ワニ」や「月刊アダルト」の編集を稼業としているらしい。それで度々家を空けているのだが、裏世界とのコネクションを作るために関係者に彩奈の身体を「売っていた」と明かされる。それだけでなく自らこさえた借金の取り立てにも娘を差し出していた。仕込んだのは父親らしいが父自身との直接的な性関係に関しては言及がない。そして再婚後は義理の息子の手前か特にこの「接待」はしていないようだ。結果、彩奈の貞操観念は崩壊してしまい、義弟である陽くんにもセックスを差し出してしまう。問題は学校でも起きているらしく、学校の女子は彩奈と目も合わせないと陽くんは知っていた。

「女難」「短命」というハズレ血統

20ページ、彩奈は避妊方法として「アナルに射精しよっか」と告げる。自分は親になっては
いけないという彩奈の諦念だ。肉親を失った挙げ句、愛しい姉を救えない虚しさは陽くんをも蝕んでいた。陽くんは姉の懇願を無視して膣に入れピストンを繰り返す。そして抵抗する力のない彩奈の膣内に射精して終わる。この哀しき姉弟は互いに向き合って愛を語るのだが、両者とも眼に生気が感じられない。現状に問題を感じていながら、何も変えられず愛欲に流される陽くんと彩奈。遺伝的には子を設けても問題は無さそうだし、消極的打開策として少なくとも陽くんは妊娠を望んでいるのかもしれない。陽くん側の肉親に関しては具体的な言及がないのだが、断片的な情報だけでも実父は「女運が悪い」「短命」というデバフを抱えている可能性がある。実はココこそが本作の、さらに言うと彩奈の産んだ子にとっての「ハズレ親ガチャ」要素なのかもしれない。

あらすじ

彩奈と陽は血の繋がっていない姉弟だ。町外れの造成地の一軒家。マルチ商法にハマる看護師の母と、2ヶ月帰ってこない父。「ハズレ」の親を持つ二人は他に誰もいない家でセックスに溺れる。

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