あに様への松柏之操 [桐原湧] 雪とけて、春 (X-EROS #102)

この記事は約5分で読めます。
7e2be13eaa919f74686e7fbeba11211a11eb63f1.jpg

copyright 2023 ワニマガジン 桐原湧

タイトル 雪とけて、春
作者 桐原湧
掲載誌 X-EROS #102
ページ数 24
ヒロイン 清宮雪
竿役 高嶺洋人
エロページ位置(割合) 7 – 24 (75.%)
発射数 3
公式タグ ショートカット / タイツ・パンスト / JD / カップル・夫婦 / お嬢様 / 幼なじみ / 恋愛 / 淫乱 / 貧乳・微乳 / 陰毛
修正 白抜き修正

GWの喧騒も落ち着き、当ブログの内部的な工事も一旦完了した。溜めてしまっていた作品にも目を通すことが出来た。今月のX-erosは射抜いてくる作品が多くて是非とも読んでいただきたい。本日は桐原湧先生のこちらの作品を紹介する。

雪中松柏

本作は「お見合い」モノという体裁だが、実質的には許嫁のようなヒロインの純愛物語である。サムネイル画像の娘がそのヒロインなのだが、見た目通りと言おうか身持ちの固そうなお嬢さんだ。時系列でお見合いに至る流れを整理すると以下のようになる。

  • 雪の両親が亡くなり、祖母のもとへ引き取られる。
  • 雪の近所の高嶺家が色々世話を焼き、洋人も雪の面倒を見る。
  • 雪が洋人を兄のように慕い、恋心が芽生える
  • 洋人上京(東京と明言されていないが、国立博物館に近い関東近郊)
  • 雪が地元の大学(史学科)に合格
  • 雪の祖母が雪にお見合いを打診、雪が洋人を指名
  • 洋人の母が洋人にお見合いを打診

雪は大変な境遇なのだが大学進学を決めており、生活の心配は無いらしい。洋人は雪のことを元々妹のように思っていたとのことだが、完全に勝ち確の据え膳である。雪はバッチリ晴れ着でお出迎えなのだが、洋人の服装からおそらく夏真っ盛り(盆休み?)なのでかなり頑張っている。お見合いの座敷の床の間にかけてある掛け軸には「雪中松柏」とある。松柏之操とも呼び雪の中でも松や柏のようにその想いが枯れることなく続く、という意味がある。見合いの席にふさわしい純愛スローガンである。ヒロインの名前とかかっているのだが、そうなると雪が試練を与えている構図になるような気がしないでもない。なお松はともかく柏(カシワ)は実際は落葉樹である。原義的には檜(ヒノキ)のことらしく、こちらは常緑針葉樹だ

上野公園物語

こうして遠距離交際が始まる。段取りを踏むのなら別にお見合いの体を取らなくても良かった気がするのだが、せっちゃんはこう見えて外堀から埋めるタイプの策士らしい。もちろん大学にも通い続けている。かと思えば新幹線で会いに来てはしっかりヤることはヤッている。遠距離彼氏の性欲コントロールも怠らない。要するに大学の休み単位で事が進み(夏休みに交際開始、秋か冬休みにH)、そして春を迎える。

東京国立博物館、通称トーハクでミュージアムデートである。上野公園の北側に位置し、多数の国宝を収蔵する日本最大の博物館と言える。なお国立博物館は他に京都・奈良・福岡にもある。上野公園には他にも国立科学博物館、国立西洋美術館、そして上野動物園があり、文系理系ともに文化会系デートスポットとしてオススメできる。ただ上野公園全体が丘のようになっており、駅からはそれなりに距離があるため、「雨の日だから博物館なんかどうだろう」という感覚で行くと結構大変かもしれない。トーハクは常設展と企画展を本気で見るとそれだけで一日が潰れる規模なので、あまり欲張らない方が良いかもしれない。トーハクのすぐ北側にはこれまた有名な東京藝術大学がある。

そして鶯谷

そして上野の北側を少し行くと、都内最大のラブホ街である鶯谷がある。「谷」という地名は関東では
ヤ」、関西では「タニ」と発音するのだが、鶯谷だけは「うぐいすだに」と読む。鶯谷は歴史のある土地ではあるのだが、鶯谷駅北口を出ると逃げ場のないほどにラブホテルまみれだ。そういう目的であればこの上なくカップル向けであるが、子供連れの場合は南口に回るのをお勧めする。もちろんシングルも大歓迎で、近辺にはデリヘルが乱立しており現地調達、駅前待ち合わせも容易にできる。鶯谷で降車するくたびれたオッサンと派手目の美人は勝手にそういう目で見られがちなほどだ。ちなみに有名な「吉原」は鶯谷から近いが東側、浅草寄りである。駅から遠いため大抵の店は送迎車を出しており、鶯谷ないし上野・浅草まで迎えに来てくれる。本作の二人が逗留するホテルは「Luna piena」、イタリア語で満月という意味だ。 

アニサマ!!

さて、最後まで引っ張ってしまったが、本作の見どころかつ萌えポイントは勿論、ヒロインの「あに様」という呼びかけである。昔から兄妹萌えというのは枚挙にいとまがない。日本語の一般原則として、「家族の呼称はは末っ子を基準とする」というものがある。つまり下の
子は名前呼びもしくは「ぼく」と呼びかけ、「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」場合によっては「ちい姉ちゃん」(姉が二人いる場合の下側)と家族全員が呼ぶ。特に長男ではない男(もしくは一人っ子)は、「お兄ちゃん」と呼ばれたい願望が存在する。ヒロインに兄と呼ばせることである種の背徳感も漂いつつ、名前を伏せられるのでエロ漫画としては都合が良い。「アニキ」「兄ちゃん」「兄様」などバリエーションも有るが、「あに様」は中々の不意打ちである。時代がかっているのだが、言われたさ満点のワードだ。本作では洋人が実の兄では無いがゆえの照れ隠し、婉曲表現とも言える。最終的に名前呼びに持っていくという王道展開なのだが、雪がいかにあに様を尊敬し思慕しているかを延々と語られるため、聞いている方がむず痒さを覚えるほどだ。そして本作の竿役はあまり恋愛に積極的ではないのだが誠実で不快感は無いため、読後感も実に爽やかである。爽やかすぎてエロさにかける分、せっちゃんの下着の描写が実にどエロい。上半身はすぐ脱ぐのでよくわからないのだが、下半身は黒のレースにタイツ。竿役もたまらずタイツ破りからのずらしハメである。緩急が効いていて良いが、やはり下半身よりは胸に響くタイプの作品と言える。

あらすじ

上京して一人暮らしをしていた高嶺洋人(25)に、母から見合いの申し入れがあった。写真を見ると、相手は幼なじみで家族ぐるみの付き合いの清宮雪だった。承諾し帰郷して雪と会ったところ、彼女自身の希望だとのことだ。洋人は交際を決め、二人で逢瀬を重ねるうち身体の関係も結んでゆく。雪が洋人の住む東京へ来た際に、ホテルで抱き合いながら改めて雪の胸の内を問いただす。

掲載誌はこちら!!

桐原湧先生の作品はこちら!!

コメント

PVカウンター
  • Today's page views: : 123
  • Total page views: 29,614
タイトルとURLをコピーしました