copyright 2024 コアマガジン おわりにんげん
タイトル | パス・ミー・バイ |
作者 | おわりにんげん |
掲載誌 | HOTMILK 2025.03 |
ページ数 | 24 |
ヒロイン | 若槻瑠奈 |
竿役 | 奥山颯汰 |
発射数 | 2 |
公式タグ | ギャル / フェラ / パイパン / シックスナイン / 中出し / 同級生・同僚 / 学生 / 恋愛 / 淫乱 / 金髪・茶髪 |
修正 | モザイク修正 |
本日はHOTMILKから、おわりにんげん先生の作品をご紹介したい。先におわりにんげん先生Xから読者向けに贈られた画像をお見せしたい。こちらXポストとして貼りこめなかったのでリンクと切り出して引用する。

男子受験生閲覧注意
先にこちらをご紹介した理由は、本作がハピエンとは言い切れないからである。諸説あると思うが、物語の結末についてハッピーかバッドかが受け手に明確に伝わればその通り。HappyとBadは対立概念ではないので、グッドエンドと言うべきか。ワーストエンドという表現もあるが、ベストエンドとはあまり言わない。そして「良い要素」「悪い要素」が相半ばしているものをビターエンドと呼ぶ。メリーバッドはさらにややこしく、「作中登場人物の誰かにとってハッピーエンド」だが、その人以外から見たときにバッドエンドに見えるものを指す。この辺はつまるところ主観的なものではあるので、著作者は別として読者側の受け取りは様々あるのだとは思う。本作は少なくともハッピーエンドでは無いが、ヒロイン・竿役それぞれに思うところがあり前に向いて進んでいく中で絡まった人間交差点での一幕といったところだ。エロ漫画として見ると私はオーソドックスな組み立てと受け取った。実用性も十分高い。そしておわりにんげん先生らしい繊細なタッチが本作の甘苦さをより掻き立てておりオススメの一作である。
しかし時期的に、現在受験を控えている方には本作はオススメできない。受験生にこそエロ漫画は必要だと私は考えているが、本作は全てが終わるまで寝かせた方が良い。
オチ手前までのあらすじ
本作は竿役がヒロインに勉強を教えるという平成後期以降のラブコメの定番である。かつて少年向け漫画の読者は平均よりアホだったので、主人公も頭が悪いことを善とする前提があった。どこかから漫画読みはむしろ高尚な趣味に格上げされ、「ヒョロいしモテないけど頭はいい」という主人公が一般的になった。本作竿役の奥山颯汰はヒロインの若槻瑠奈に勉強を教えていた。瑠奈は元々勉強が得意なタイプでは無かったようなのだが、奥山の志望校と志望学科(応用化学科)と同じところを目指すために彼に教えを乞うたのだ。奥山は早くから志望校に向けて予備校にせっせと通う真面目な学生で、放課後、予備校に行く時間までという約束で瑠奈に勉強を教えていた。本作は奥山の目線で描かれており、勉強漬けだった奥山は「こんなきれいな女の子と話す機会なんてなかった」と述懐している。楝蛙先生「おあずけ」でもギャルの由萌がタッくんに勉強を教わるのだが、タイトル通り「合格するまでHなこと禁止」という縛りを設けていた。本作では「じゃあ『お礼』やるべ♡」とおもむろにズボンを下しにかかる。最初はビビって断ったらしいのだが、「JKに合法でフェラしてもらえるなんて今だけだよ?」と瑠奈さんの方から押してきたという経緯がある。そして受験前日、こちらも瑠奈の方から「景気づけすんべ♡」と一線を超える提案をされる。心の準備ができていない奥山に、「うちが綺麗なうちに、えっちしてよ…」と瑠奈が微笑んだ。付き合うだの何だの抜きに二人はHするのだが、キスだけは瑠奈が拒んだ。奥山は「一緒に受かったら…して…いいですか…っ?」と食い下がって、明確な返事のないままに果てる。ここまでがあらすじだ。
Runa, pass me by
本作タイトル”Pass me by”は、直訳すると「私を通り過ぎる」。”Pass by me”の語順だと「私のそばを通る」くらいの意味になる。”Pass me by”は位置関係だけではなく、役職や立場を乗り越えて、振り切って行くというような意味が出る。本作の核心に触れていこう。奥山君は瑠奈と関わるうち彼女の「地頭の良さ」を思い知らされていた。JKという若さと美貌を正しく自己認識したうえで、最大限に利用し満喫する。かたや時が来れば将来に向けての投資も欠かさない。そして奥山自身が絶対に逆らえない見返りを与えつつ、彼から必要なものを吸収してゆく抜け目のない判断。奥山は自身が「踏み台」にされている事を悟っていた。繰り返すが本作は奥山の目線で語られている。その奥山が自ら語らなかったものが9ページに映っている。上からB, C, C, Cと書かれた紙。受験前日においてさえ、奥山自身が志望校のA判定にあと一息、手が届いていなかった。踏み台としても彼は満足な役目を果たせていなかったのかもしれない。それでも瑠奈と志望校を受験し、20ページ、合格発表を二人で見に来ていた。奥山の受験番号は98、瑠奈は99。合格者として書かれていた番号は99のみであった。奥山は一言「ごめん」と瑠奈に謝ったきり、何も言えずその場を立ち去ってしまった。学力以外で瑠奈を繋ぎ止めておける材料が無いうえ、既に自分を踏み越えて先に行ってしまう瑠奈に「1年待っていて」と言えるだけの何かを奥山は持ち合わせていなかった。夏の日、予備校で浪人生活を送る彼は若槻瑠奈の背中を空の遠くに見ていた、というところでオチとなる。
Sota, don’t pass me by
では本作で”pass me by”したのは瑠奈か、と問われれば私はNoと答えたい。本作は敢えて竿役側の目線で描かれている。なぜか。瑠奈はおそらく最初からずっと奥山颯汰のことを好きだったからだろう。馴れ初めはとくに描かれていないが、瑠奈は自分の好きな颯汰が目指すものに興味を持った。女友達と「若さ」をただ消費していた瑠奈は、真摯に志望校合格という目標に「若さ」を惜しげなくつぎ込む颯汰に憧れた。尊敬する彼の「積み上げたもの」を分け与えてもらうためなら、自分が持っているもののうち最も価値がある性的魅力を差し出すことに何の抵抗もなかった。そして受験前日がやって来た。日々自らの価値を積み上げてゆく颯汰に対して、瑠奈の持つ「JKとしての魅力」は摩滅する寸前だった。受験という結果が出る前に、「綺麗なうちに」、自分を愛してもらいたかった。本当は「1年待っていて」と引き止めたかったのは瑠奈の方なのだ。高校三年生のまま、同じ受験生という立場でずっとずっと颯汰のそばにいたかった。しかしここで彼を引き止めることなどできない。自分の魅力の全てを差し出してしまった瑠奈。颯汰が求めてきた「キス」をお預けにすることで彼との繋がりを残しておきたかった。「一緒に受かったら…して…いいですか…っ?」という颯汰の言葉は心から嬉しい反面、そこで終わらせたくない気持ちもあった。瑠奈は返答できないまま受験当日を迎えた。そしてまさかの結果に終わった。瑠奈は絶望した。颯汰が思う以上に、この場で瑠奈から颯汰にかけられる言葉は何もなかった。抱いてもらう大義名分も、キスする理由さえも無かった。でも颯汰から自分に何か、負け惜しみでも恨みつらみでもいい、言ってもらえれば、まだ繋がっていられるかもしれない。しかし彼の発した言葉は「ごめん」のみだった。瑠奈もまた「私を置いていかないで」、“don’t pass me by”と言えないまま、失恋したのだ。朴訥とした、八重歯のかわいいギャルヒロインのビターエンド。それはそれとして若槻瑠奈は「理想の化粧品を作る」という目標のもとに応用化学の道に進んだという、おわりにんげん先生からの一言で私は救われた気分になった。大学は違えど、同じ道に進んだ二人はいつかどこかで邂逅するのだろう。見慣れない服を着て、他人の顔をして。そんな色々を考えさせられる苦みのある作品だ。
繰り返すが男子の受験生は合格まで本作は封印するように!
本作の単話販売はこちら!!

220円
掲載誌はこちら!!

1,180円
おわりにんげん先生の作品はこちら!!

330円
コメント