ぐつぐつした性欲 [えーすけ] おかえり (快楽天 2024.03)

copyright 2023 ワニマガジン えーすけ

タイトルおかえり
作者えーすけ
掲載誌快楽天 2024.03
ページ数32
ヒロイン志穂
竿役おじさん
発射数4
公式タグおさげ / フェラ / 不倫・浮気 / 中出し / 制服 / 学生 / 淫乱 / 背徳・インモラル / 貧乳・微乳
修正白抜き修正
またしても快楽天から、待ちに待ったえーすけ先生の最新作をご紹介したい。現在アクティブな快楽天執筆陣の中で、クオリティだけでなく本数を含めて筆頭と呼んでよいご活躍のえーすけ先生だ。

 

近親モノ注意

えーすけ先生作品の魅力は、当世流行の甘々な話も、そうではないビターな話も両方イケることだ。特に甘めのヒロインと交わす非常に際どい近親モノに名作が多数出ている。「つづれおり」3部作は義兄妹(血の繋がりは無し)、「クロール」はおそらく実の兄妹だ。しかもどの作品も実用性が高く、ヒロインがぐちゃぐちゃにされるのでダーク感がより強い。本作は叔父と姪の関係なのだが、ヒロイン側に強烈な恋愛感情も抵抗感もない。そのかわり竿役のクズっぽい思考のために読者の感情が揺さぶられる作りになっている。
 

満員電車でのスマートフォンの使用は(以下略)

1ページ目、退勤中の竿役のおじさんがを彼女からドタキャンを食らい、ムラムラを持て余して風俗を物色しているというシーンから始まる。このシーンは後ろに続かないのだが、「肉体関係のある彼女がいる」「にもかかわらず風俗に躊躇がない」そして「電車内で公然と風俗サイトを閲覧し周囲の女性乗客にドン引きされている」というクズフレーバーが一目で伝わる。ちなみに本記述も電車内でスマホから打っており自分に刺さっている。極力肌色強めの画像は避け周囲に配慮はしているつもりだが、ツッコまれたらぐうの音も出ない。「こんな時間じゃ予約したところでなー」、だいたいの風俗業は日暮れからが本腰であり、そもそも一戦交えるのにそれなりに時間が掛かる。夜の9時10時から予約を入れてもさほど違和感はない。例えばこれが早すぎるの意味、夕方4時とかだとイマイチ感は理解できるが、星空が出ているのでその可能性はない。終電間際くらいのイメージかと思いきや、次のページ(扉絵)で普通に制服姿の姪っ子がアパートの階段で待っているのだ。「帰るの遅すぎ!」と言っているのだから間違ってはいないのだが、この男は夜遅くまで自分を待っていた少女に対して特段申し訳無さも心配する素振りもない。何なら彼女とのデートの日だったので帰ってこなかった可能性、もっと最悪は女連れで帰って来る可能性すらあったはずだ。それでも連絡一つ入れもせず、「待っているお前が悪い」とでも言わんばかり。この辺もクズ度が高い。
 

やり場のないぐつぐつした性欲

「社会人になってから時間のたち方がえぐく感じる」、この竿役のモノローグに共感する大人は一杯いらっしゃるだろう。兄の娘である志穂の成長が速いという意味だ。体感的な時間経過の緩やかさもあるだろうが、特に中高は制服を含めた見た目の変化がそれまでと比較にならないほど速い。10歳までは程度こそあれ子供だったものが、急激に大人に近づいてゆく。しかも女子はそれだけに収まらない。彼氏を作ったかと思えば、本作のように悪い大人に篭絡されるスピードも半端ではない。男子の性的成熟は往々にして放っておかれ、性欲の発散も多くは問題なく自己完結してゆく。女子は性成熟に費用が伴いがち(自己完結しない)で周囲がガイドしてゆく一方、性欲について適切な対処を教えられるケースが少ない。自分で解決するのも男ほど簡単ではないため、「身体をもてあましてしまった」場合に壁にぶつかり、時に壁をを乗り越えてしまう。実態はもっとドロドロしているのだろうが、えーすけ先生はこの「やり場のないぐつぐつした性欲」の淫靡な描写が神がかっている。本作だけでなく、若いヒロインに限らず、何なら竿役の性欲も可視化してくれる。11ページ、ここでそのスイッチが入る。えーすけ先生のヒロインは基本的に性欲に対する理解が無い「わからない」ものに対する恐怖と好奇心、それに身体が支配されることに対する焦りと諦め、竿役に対する猜疑と依存、それらを言語化できないまま混ぜこぜに提示する。同じく女体の性欲を知らない男性読者もまたヒロインを理解しようと没入していく。性欲に本質的な意味などなく、気持ちいいと割り切るしかないのだが、志穂含めほとんどのヒロインはそこにたどり着けない。容赦のないピストン、よだれ、見当のつかない瞳、読者もまた攻める側と責められる側の意識の狭間で陶然と身を任せてしまう。
 

没入からの帰還

えーすけ先生の作品は必ず射精シーンを伴う。エロ漫画は大抵そうなのだが、射精の描写に並々ならぬこだわりを感じる。そして上記の、性欲に対する問いかけに答えが与えられることはほぼ無い。本作はかなり極端だが、ヒロインの性欲堕ちに対して救済が与えられることも基本無いセックスは射精とともに唐突に終わり、ヒロインは整理もつかぬまま突き放される。読者は意識的に没入から目を覚ますか、自らも射精して終わらせるしかない。
正直イチャラブ作品は実体験からほど遠く、観察者としていい気分になれるが没入できる人は少ないだろう。対して性欲をベースに据えたえーすけ先生の作品は誰の目にも明らかに共感でき、のめり込んでしまう魔性がある。作品世界にどっぷりと浸かり、頭の奥まで犯されつくした我々読者に与えられた言葉、それが「おかえり」なのだろう。

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搾精系彼女

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