おしりを出した娘一等賞 [しらないひとし] 確連報は正確に! (BEAST 2024.10)

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copyright 2024 ワニマガジン しらないひとし

タイトル確連報は正確に!
作者しらないひとし
掲載誌BEAST 2024.10
ページ数24
ヒロイン青砥永久愛
竿役佐々木一伸
発射数2
公式タグスーツ / ビッチ / フェラ / パイパン / ショートカット / OL / 中出し / 巨乳 / 後輩・部下 / 手コキ / 淫乱 / オフィス・職場 / 金髪・茶髪
修正白抜き修正

少々公私ともに忙しく更新が遅くなり申し訳ない。本日はBEASTからオキニ作家しらないひとし先生の作品をご紹介する。

ホウレンソウ世代

本作タイトル確連報は「かくれんぼう」と読む。確認・連絡・報告の頭文字を取ったものだ。新社会人に、組織内での必要な指揮系統上のコミュニケーションの要諦をまとめたものである。少なくとも我々世代では報連相と書いて「ほうれんそう」(報告・連絡・相談)と読み習わしたものだ。要するに上司には適宜情報を上げて双方誤解のないようにしようという意味合いがある。「相談」が外れて「確認」が入った。「相談」というのは上司・部下の責任分担が曖昧になりがちで、かえってコミュニケーションを煩雑にしかねない。指揮命令系統と関係のない人間関係やプライベートの「相談」もかつては奨励されたという意味合いもあるが、新社会人への訓示としては不適切ということらしい。とにかく社会人たるもの、第一に「確認」をしろということで、一番前に置かれたそうである。率直に言ってこれ自体は単なる「言葉遊び」であり、どう呼ぶかはともかく言いたいことは変わらない。それでもおそらく2020年頃以降に新人教育を受けた新社会人から「かくれんぼう」世代ということになるのかもしれない。なおこれを受ける上司側の指針は怒らない・否定しない・助ける・指示する、縮めて「おひたし」という。ホウレンソウに合わせて上手いこと言ったわけだが、このへんも誰かがまたアップデートしたスローガンを考案するのだろう。なお本作では確認連絡報告どころではない

佐々木が見ている確連報

本作は冒頭で、田町というシニア社員の営業成績を讃えるところから始まる。田町さんにエロシーンはなく、ヒロイン青砥さんの上司にあたる佐々木という、扉絵でパンパンしてる男が竿役である。ヒロインのフルネームは社員証から青砥永久愛(あおととあ)さんとわかる。正確にはローマ字つづりで「AOTOTOA」回文になっているが、読みは「とーあ」かもしれない。本作は開幕からこの青砥さんの爆弾発言で始まる。本作のテーマである「枕営業」だ。みんながあると思っていながら、どこにあるかは分からない。営業成績のために性行為を伴う接待を指す言葉である。狭義には営業担当者自らが身体を売るケースのことを枕営業と呼び、無関係の人間をあてがうケースは「ピンク営業」「ハニートラップ」と呼ばれたりもする。実態はともかく芸能界・保険セールス・医薬品営業あたりが特にそうしていると言われがちである。契約先個人への金品の授受は贈収賄ないし不正競争防止法、場合によっては税金の問題にも抵触しうるのに対し、合意の男女が下心を以てセックスしたとしても即犯罪とは言い切れない。しかし言うまでもなく性接待の事実が契約書に盛り込まれていいことは何もないため、枕営業の事実は墓まで持って行くのが当然の信義則である。それをシレっと言ったところから本作のドタバタが始まる。一度契約が決まると高額・長期になるものが営業としては身体を張る価値があるわけだが、本作の営業部隊が何を売ろうとしているかは定かではない。実際ここの営業はオッサンばっかりであり、ローリスクローリターンな商材を扱っているように見える。枕営業から最もほど遠い世界に突如降ってわいた椿事に営業部はザワつく。青砥に対して自らの下半身の「営業」を始めだす同僚たち。風紀などあったものではない。上司の佐々木いわく「サークルクラッシャー」である。表向きは上司として部下を締め上げる佐々木だったが、むろん内心は穏やかでなかった。

おしりを出した娘一等賞

夜8時。残業していた佐々木のもとに青砥さんが営業報告に来る。契約が「めっちゃ取れた」という青砥に対し、その裏の「ヤッたのでは」という疑念が佐々木の下半身を硬直させていた。それに気づいた青砥さんは、その事実をあっさりと、そしてねっとりと「報告」する。「今日はラブホで先方と落ち合って…部屋に入るなりおっぱいを…」生々しい報告に合わせるように二人は肌で「確認」を行う。女性の青砥さんから見て、おっぱいを吸うオッサンは赤ちゃんのように甘えんぼになるのだが、チンコを突き立てるととたんにオスの獣性を見せて乱暴なピストンを繰り返す。彼女の観察報告は正しく、佐々木も同じ道を辿っている。「淫語」「言葉責め」というカテゴリは3次でも存在するが、事前の訓練なしに理性で性欲を滾らせるのは簡単ではない。私の訓練の結果を披露すると、最も簡単なのは「そのまんま起きていることを言い」「相手に復唱させる」ことである。例えば「おっぱい舐めてほしい」「あーおっぱい舐めてるー」「どこを舐めてるのかなー?」となる。なかなか気の利いたことは言えないし難しいことを言うと男はすぐ理性を働かせてしまいエロさが消える。実況もし過ぎると醒めるがこの方法だとまず間違いなく途切れずエロくなる。左から順に言い換えると「連絡」「報告」「確認」だ。まさに確連報は正確に!である。

事後、青砥さんは「契約のためにセックスをしているわけではない」と追加の報告と確認をする。オッサンどもはどいつもこいつも疲れ切っており、虚々実々の営業トークをする前におせっせして気持ちを和らげるのが青砥流の営業の要諦であるという説明だ。ビジネストークの前にする雑談の事をアイスブレイク(凍った関係を解きほぐす)と呼ぶが、これの究極系だというわけだ。実際にセックスすることでオキシトシンなどの親愛ホルモンが放出されるのだから彼女のセンスは非常に正しい。営業担当者が女性だと悩みどころだが、まあ顔ぶれを見る限りオッサンの相手は他にいくらでもいるだろう。実際にこれを部下に言われたら何が何でも止めるところだが、少なくとも彼女の言い分は合理的であり私に彼女を止めるロジックは実際無い。佐々木くんも止めるどころか「またよろしく」となっている。青砥さんはキョドったりせず常に真顔である。鉄仮面キャラであるがゆえに自信のある接待プレイが成立するのだろう。それでいて雰囲気が可愛い。思わずのけ反って手が出る、剛腕しらないひとし先生のインハイへの決め球と言える。

山岸症候群

桂あいり先生の伝説的名作「カラミざかり」はご存知だろう。こちりの主人公(丸刈りじゃない方)山岸高成は、想い人である飯田里帆が性的に堕ちてゆく一部始終を見聞きさせられる。いわゆるBSSものとして認知されているが、結末をご存知だろうか? 飯田の性体験を間接的に聞かされる事で感じる異常な性的興奮を理解した山岸は、誰あろう飯田本人にその事を告白した。その後社会人になった山岸は、定期的に飯田本人から彼女の爛れた性遍歴を聞き、手を出すことも助けることもせず満足を得ているという描写でエンドとなるのだ。この山岸の感情と性癖に私は名前をつけられていない。性的倒錯の病態分類でいうと窃視症に近いのだが飯田は同意している。自傷的マゾヒズムとも言えるが全てを言い表せていない。ヤマギシズムというのは予約語なので、ここでは山岸症候群と仮称しよう。本作はまず大前提として佐々木からBSS的な示唆は無い。可愛い部下がエロいこと言い出したら興奮するのは当たり前で、事後も含めて恋愛感情は一切出してない。さらに大きな相違点として、少なくとも佐々木は青砥さんを抱きながら「追体験」の形をとっている。青砥さんの裏の顔だと思っていたものを情報的にも体感的にも味わえている。雰囲気は青砥さんがこれでもかと作っているのだが、主導権自体は佐々木が握っており、例えば枕営業でやってなさそうなアナル責めを佐々木が望めばヤれたろう。それでもなお、山岸症候群と呼ぶべき、彼女でもない目の前の女が他の男にも股を開いているという赤裸々な事実に対する劣情がとても感じられる。繰り返すが嫉妬でもNTRでもない。そして怒りや悔しさだけでなく「興奮」という要素が山岸症候群には不可欠だ。そもそも二次元のエロ漫画は文字通りの「絵に描いた餅」であり、突き詰めれば誰かのセックスを覗き見して興奮しているに過ぎない。その事実を本作では佐々木一伸を通して間接的に、意図的に読者に伝えている。ある意味で山岸症候群こそエロ漫画読者が根底で共有している本質と言えるのかもしれない。

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