copyright 2023 ワニマガジン どじろー
タイトル | ガン見しないで宇月さん!! |
作者 | どじろー |
掲載誌 | 快楽天 2023.09 |
ページ数 | 20 |
ヒロイン | 宇月 |
竿役 | 小杉 |
エロページ位置(割合) | 1 – 20 (100.%) |
発射数 | 3 |
公式タグ | フェラ / ショートカット / 中出し / 同級生・同僚 / カップル・夫婦 / 女性上位 / 学生 / 巨乳 / 恋愛 / 手コキ / 陰毛 / ぶっかけ・顔射 |
修正 | 白抜き修正 |
美人は目で語る
本作の揺るぎないテーマは且つ「眼力」めぢから、である。漫画という二次元で動きのあるストーリーを表現する形態では、伝統的かつ必然的に「眼」で語るウェイトが大きい。耳鼻口は場合によって描かれさえしない事も多いが、目および眉毛睫毛は現実の人間のもの以上に強調して描かれる。実際のコミュニケーションでも視線は重要な意味を持つ。強制的に目線を隠すサングラスが秘密主義や威圧感のシンボルになるのも肯ける。日本を含む東アジア人は大きく開いた目や二重まぶたに憧れがあり、美容形成手術で欧米人のように鼻を高くするのではなく目に金をかける傾向が強い。
美少女は無敵
美容業界のCMに「カワイイは作れる」というコピーがある。真偽の程はともかく、二次元作品においてはカワイイは本当に作らなければならない。もちろん漫画的な記号論はあるとしても、作画面での可愛さは必要だ。当ブログではヒロインの可愛さで成り立っている作品に賛辞をこめて「美少女は無敵」というカテゴリを用意している。本作の宇月さんは、ひいてはどじろーガールズはとにかく可愛い。本作に至っては竿役まで可愛い。どじろー先生のヒロインは例外なく美人なのだが、自己評価はさほど高くない印象がある。本作の宇月さんは、竿役との兼ね合いもあって自分の容姿に自信があるようだ。不特定多数からエロい目線を向けられる事への嫌悪感も併せ持っている。名実ともに美少女である。
小杉くんも可愛い
あまたの美少女が作られると同時に「取り柄のない竿役が美少女ヒロインに惚れられる」話も少なくない。この認知的不協和をヒロインにぶつけ、何と返されるかが少女漫画的な様式美と言える。この部分が見せ場となる作品が多いのだが、本作は宇月さんサイドから直接的な理由はあまり語られない。女に免疫がなく健気で可愛かったらしいのだが、そこは本筋ではない。宇月さんが小杉くんを「目で追った」のだ。相手が「気になる」ことが注視の発端であり、目で追ううちに対象を「好きになる」という事が描かれている。免疫のない小杉くんサイドはこの熱視線に一も二もなくオチる。当然である。そしてモジモジと顔を赤らめて目線を落とす小杉くんに、なんと宇月さんもオチたのだ。普段からエロ目線に晒されているからこそ、この純情さに惹かれたと言うべきか。本作の時点で宇月さんの方がベタ惚れであり、射精さえも愛おしいというバカップル状態に陥っている。何が何だかわからない小杉くんがその感情をぶつけ、二人はお互いを理解しさらなるバカップルへと昇華する。満点のラブコメである。
熱視線の行方
さらにもう一度本作を見ていただきたい。そう、宇月さんが見つめているのは小杉くんだけではない。演劇でいうところの「第四の壁」つまり読者である。二次作品全般では、作中人物同士の掛け合いの合間に読者へ問いかけを発するメタ的な展開は、よほど上手くない限り興醒めでありタブーと言える。しかし殊にエロ漫画は「ヒロインとの疑似恋愛」が本質であり、竿役と読者を同化させる表現が多く見られる。典型的なのが本作19ページのような、正常位で竿役の位置にカメラを置く、あたかも読者とセックスしているかのような表現である。エロ漫画の愛好者は本作の小杉くんのように、美人に見つめられたら思わず目をそらすシャイな方が多いと思われる。しかしだからこそ我々は、漫画の中の美女を、肢体を、そして射精シーンをガン見するのだ。本作に限らない話だが、宇月さんは最愛の小杉くんよりも、我々読者を見つめている時間が長い。小杉くんが熱視線を向けられてオチたのと同じように、読者もまた宇月さんの視線にあてられて2000を超える「イイネ」を押したのだ。そして宇月さんで抜いた我々の射精さえもガン見してくれる。エロ漫画の本質を深く深くエグられた感がある不朽の名作といえよう。
あらすじ
小杉くんは高嶺の花である宇月さんと付き合うことができてから、「射精するところを見てくる」という悩みを抱えていた。彼女の綺麗で整った目で射精シーンを見つめられることに絶えられず、目を逸らしてしまう。それを咎めた宇月に小杉が自信のなさを吐露すると、宇月が愛おしそうに抱き寄せてきた。
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660円