伯母さんのアメとムチ [ひとにたち] なつのひ (失楽天 2024.09)

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copyright 2024 ワニマガジン ひとにたち

タイトルなつのひ
作者ひとにたち
掲載誌失楽天 2024.09
ページ数12
ヒロイン伯母さん
竿役ゆーた
発射数2
公式タグフェラ / ポニーテール / 中出し / お姉さん / 巨乳 / 母性・甘やかし
修正白抜き修正

今月号の失楽天から、おわりにんげん先生とひとにたち先生の作品をご紹介したい。この2作品の共通点は「ハーフサイズ」である。本稿ではまずひとにたち先生の「なつのひ」を取り上げる。

フルサイズ規格

レビューの経験から現在の商業エロ漫画の標準的なページ数は20から24だと考えている。フルカラーやアフターなどの小品は4ページか、長くても8だ。4の倍数が多いのは紙雑誌を中綴じ(二つ折りにして真ん中でホチキス止めしたもの)にする場合、巻中カラーの位置合わせなどで各作品のページ数を早い段階で割り付ける必要があったからだろう。最近は平綴じどころか配信のみという「雑誌」も増えたので印刷から来るページ数の制約は無い。それでも男性向けエロ漫画にはもう一つ「抜きドコロ」、作品のエロシーンの展開と別に「どこで抜くか」の判断が迫られる。左手でページをめくるオールドファンからするとめくり間違いや色味で残り何ページかを推理して挑んだ人も少なくないだろう。アニメを除くエロ動画は原則として後日談やエンドロールなどなく射精シーンが再生時間のほとんど最後に来る作品が多い。そしてVHSの時代から、エロ動画の視聴者は全体の再生時間を必ず確認する。そして全体のパーセンテージから見たい場面まで「飛ばす」のが一般的だろう。若い初心者ほどむしろガッついて冒頭のインタビューや設定などすっ飛ばしがちであるが、そもそもそれでも違和感ないような画作りと構成をプロは築き上げている。エロ漫画も概ねの構成は似通ってくるのだが、作品全体のページ数を最初に確認しない方が一般的だろう。またグラビアやCGではなく漫画を志向する読者はいきなりエロシーンまで飛ばしたりせず頭から読んでいくと思う。なのでストーリー展開と別に、「実用上」のペース配分は作中に示唆する必要があろう。男性エロの大原則として、一旦本ネタのエロシーンに入ったら「時系列を崩さない」「(竿役にも)難しい思考や判断を求めない」「ホラーなどタマヒュン描写を入れない」「(通常は射精で)終わりを示す」などのお約束がある。男性のセックスには明確なゴールが必要なため、エロシーンにも途中の盛り上げと、大ゴマのクライマックスを用意するのが一般的と言える。そういうものだと無意識に逆算して読者は読んでいるのだ。次稿につづく

伯母さんのアメとムチ

先にひとにたち先生の「なつのひ」(12ページ)を見ていこう。関係性の説明にページを割けないことから、ズバリ1ページ目から「伯母さん」と言わせている。国語的には竿役のゆーたから見て「親の姉」であり、叔母と表記すると「親の妹」になる。年の離れた妹は存在しうるので、叔母が甥っ子より年下ということは不可能ではない。親は必ず子より年上なので、伯母は必ず年上になる。本作の伯母さんは絵的にも性的にも若々しいのだが、ゆーたに対して包容力だけでなく年長者としての叱咤も忘れない。高校生最後の夏を野球部なのだがのらくら過ごして顔を出せていないゆーたの背中を強く押す、事後に。半ば自分が原因と分かったような顔をして、寄ってくる男子高校生の愛欲と肉欲を満たしてやった上で導き突き放す。短い中にもメッセージ性のある、疲れてダレたオッサンにも刺さる、それでいて失楽天らしいインモラルさを醸している。コンパクトでまとまりも良い作品だ。はじめから仕舞までずっとセックスしており、その中で伯母さんの甘さと厳しさをエロくコーティングして一気に与えられる。「母性」の塊を呑み込んだような読後感が素晴らしく、12ページという長さにフィットした組み立てを感じた。残念なのは伯母さんサイドのバックグラウンドが見えないところで、何なら普段着すら分からない。2ページの回想のところでオモテの顔を垣間見たかった。

ひとにたち先生の作品はこちら!!

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