風俗呼んだら君がいた [ぼるしち] ずっと一緒にいてあげるから 前編 (HOTMILK 2025.01)

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copyright 2024 コアマガジン ぼるしち

タイトルずっと一緒にいてあげるから 前編
作者ぼるしち
掲載誌HOTMILK 2025.01
ページ数30
ヒロイン隅田智咲
竿役武内
発射数4
公式タグスーツ / パイパン / ローション / タイツ・パンスト / 先輩・上司 / キャバ嬢・風俗嬢 / 巨乳 / 手コキ / 童貞 / ぶっかけ・顔射
修正モザイク修正

本日はロゴが新装というか先祖返りした「漫画ホットミルク」から、ぼるしち先生の「あげるから」シリーズ最新作をご紹介したい。ちなみにkomifloラインアップのロゴは引き続き「COMIC HOTMILK」のままなので、雑誌表記としては引き続きアルファベット表記とさせていただく。

あげるからシリーズ

私は最後まで読んでからびっくりしたのだが、本作はきれいにオチているように見えてなんと前後編の前編だ。後編まで見てからレビューとも思ったのだが、前編だけでもあまりにも美しいので書かせていただきたい。当ブログでは本シリーズの「美味しく食べて」「忘れられなくして」を既に取り上げている。「あげるから」シリーズと呼ばせていただいているのだが、物語間の直接的な相関はなくあくまでタイトルつながりと考えている。ぼるしち先生ガールズは巨乳で知られており本作もご立派なのだが、繊細かつ甘酸っぱめのストーリーラインが大変好みかつ毎回ランキング上位の好評作となっている。

コアデリ

本作の舞台は無店舗型性風俗特殊営業(1号営業)つまりデリバリーヘルス(デリヘル)である。店舗型性風俗特殊営業の2号営業にあたるのがプレイルーム完備のいわゆる箱ヘルなのだが、地域の治安に影響するといわれ新規開業も営業も厳しい規制を受けるため減少の一途である。対してデリヘルはいつどこでナニをしているか客と店以外知りようがないので、営業に関する規制がほぼ無い。事務所(待機所)と交通手段さえ確保できればかなり広範囲に営業がかけられる。そして都市部の歓楽街にはレンタルルームと呼ばれる時間貸しのシャワー付きベッド部屋があり、デリヘル店側が斡旋すればある意味「三店方式」的に箱ヘルと変わらない遊び方ができる。もちろん本作のように自宅に呼べるのであれば手間もかからない。なおデリヘルはお互いに顔が分からないので、相手を変える「チェンジ」という制度が一般的にある。だいたい無料だが制限があったり交通費を別途取られたりはする。

風俗呼んだら君がいた

本作竿役の武内くんは、バレー部マネの先輩である隅田智咲にずっと憧れていた。初対面で告白したうえで部活含めずっとつき慕っていたというから根性がある。つまり智咲もまた好意を知ったうえで部活の先輩後輩という距離感を維持し続けていたということになる。「少しでも振り向いてもらえると思っていた」というゴール設定の低さでも結局何もなく先輩は卒業してしまった。そして武内はそこから2年引きずった。2年引きずっても、いや引きずった故に踏ん切りがつかなくなった武内が過去と決別すべくデリヘル「コアデリ」のチヒロ嬢を呼んだのが本作時間軸となる。智咲先輩との年齢差は明言されていないが、20歳前での決断としては随分踏み込んでいる。武内がチヒロを指名したかは詳細がないのだが、チヒロさんは隅田先輩に瓜二つであった。当然のように動揺した武内は「呼んだデリヘルが偶々先輩でしたとかエロ漫画でしか起きないだろ!」という心の叫びを漏らす。まさにガー先生「風俗イったら君がいた」の水瀬先輩と岡本君である。岡本君はパネル指名の結果「当たりを引いた」のだが、いずれにしても指名するのであれば自分のタイプに寄せるのは当然と言える。そしてネタバラシだがチヒロは本当に隅田先輩その人だったのだ。当然言えるはずもなく営業スマイルではぐらかすのだが、7ページ、元後輩にパンツを脱がされるところで少し心が折れかける。隅田先輩はポニテの描写があるのだが、入浴にあたり横にくくる。このあと色々な格好をするのだが個人的にこのサイドテール先輩が私は好きだ。まず間違いなく初風俗は限界まで精力を溜めてきているであろう。上記のマリンさんは風呂場では寸止めするのだが、チヒロさんはバック手コキで容赦なく抜き、武内君も遠慮のない飛距離を魅せた。彼が年上に惹かれたのは偶然か必然か存じ上げないが、過去との決別を目的とした彼は結果としてOLコスのオプションを所望した。そして結果的に智咲先輩のOL姿という性癖が追加されることとなった。デニール数高めの黒ストッキング素股、チヒロさんがジャケットを脱いだところでまたしても暴発し、ここでタイムアップとなる。

いきなりの黄金伝説

智咲先輩を踏ん切るという当初の目的が達成されたかしないのか、再戦を希望する武内にちひろ嬢は「学生だしあんま無茶しないようにね」と優しい声をかける。これが彼の先輩好き属性をまた刺激してしまう。大学一回生だと思われる武内は、「デリ(運送)のバイトを必死にこなしてデリ(風俗)につぎ込む」という人生転落の下り坂を全力で駆け抜けていった。本作21ページでその一部が垣間見える。かつてのTV番組「いきなり!黄金伝説。」に名物企画「1ヵ月1万円生活」というものがあり、芸能人に1ヵ月間部屋を貸し与えたうえで光熱費・食費を1万円以内にするというルールのために各自が創意工夫するのを見せていた。この企画に挑戦したオードリー春日俊彰は節約レシピなどの「節約生活」という企画趣旨を逸脱し、「飲食店の換気扇から排出される旨そうな匂いをオカズにパンの耳を食べる」「松屋の牛めしのチラシを見ながら白米を食べる」という精神勝負を演じた。もはや落語の域である禁欲術は視聴者に衝撃を与え、それぞれ「ダクト飯」「チラシ飯」と語り継がれるまさに黄金伝説と化した。武内はこれを伝承通りに再現していたのだった。それで得た金で彼はチヒロを呼び続ける。しかも「コアデリ」の方針なのか、メイド、ナース、バニーとチヒロさんは毎回違うコスを着させられていた。そんな遊び金を持っているはずがないと内情を知っているチヒロさんは、「こんなに呼んで大丈夫…?」と心配になる。それでも止めない武内に、チヒロは「店を辞める」ことを告げる。面倒な客に対して「出禁」と言うのではなく、このように「水揚げ」と伝えつつ店を変えるのはよくあることだ。彼女の言う通り「必要額を手に入れた」からなのか、武内のためかは、そして本当に店を辞めたのかは少なくとも前編では語られていない。当然武内はショックを受ける。そんな彼に絆されたのか、チヒロは最初で最後の挿入を持ち掛けた。ここだけの話、私もこの経験がある。彼ほどではないが2年ほど通ったのちに辞めると聞かされたとき、どちらともなく「最後だから挿入ていい」という空気になった。不発だったがそれほど湿っぽい空気にはならずいい思い出だ。閑話休題。もともと武内くんは「隅田先輩への未練を断ち切る」という決意でコアデリに臨んだわけだが、チヒロさんからのお誘いに対して土壇場で誰あろう隅田先輩への操を立てて挿入を拒んでしまったのだ。

ずっと一緒に

本作は明確に「前編」であり、二人の関係性についてボヤかしている部分が残っている。「智咲先輩=チヒロ嬢」は確定している。ということは当然ながらチヒロ嬢は相手が武内であることは知っていた。武内くん側は首元のホクロで一旦確信を持つのだが、その場で確認できずチヒロ嬢は店から消えてしまった。本作前編時点での最大のミステリーは、なぜ隅田先輩は学生でありながらコアデリに在籍し、なぜ足を洗ったかである。武内が童貞なのを差し置いても、隅田先輩のテクは一朝一夕に身に付いたモノとは思い難い。高校卒業から2年でこの完成度である。ぶっちゃけ若さは最大の武器であり、多少不器用な方が売れるまである。そして本人の望みかはともかく、これだけのキャリアを築いたにもかかわらず、今度はそれを捨てるという。本人が語った「学費の問題」というのはどこまで本当なのか。武内の存在が彼女を変えたのか。そして前編ラストで武内の部屋に自ら訪れた隅田先輩の真意は? カギはタイトルの「ずっと一緒にいてあげるから」なのだろう。ぼるしち先生らしい丁寧な描写で前編だけでも非常にエモくエロいのだが、後編の展開に期待したい。

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