copyright 2024 ワニマガジン もんちゃんrev3
タイトル | 捕導 |
作者 | もんちゃんrev3 |
掲載誌 | 失楽天 2024.11 |
ページ数 | 26 |
ヒロイン | 智条 |
竿役 | 春海 |
発射数 | 2 |
公式タグ | パイパン / ギャグ・コメディ / 中出し / 処女 / 学生 / 巨乳 / 淫乱 / 背徳・インモラル / 逆転 / 金髪・茶髪 |
修正 | 白抜き修正 |
もう10月も下旬に差し掛かっている。本日は失楽天から、もんちゃんrev3先生の作品をご紹介したい。
インモラルエロコメディ
本作は犯罪などシリアスな作品に付けられる「背徳・インモラル」タグと、あろうことか「ギャグ・コメディ」タグが両方乗っているというハチャメチャな作品である。調べたところ現在配信中でこの2タグが両方乗っている作品は3000作を超えるkomifloで本作入れてたった3件、オクモト悠太先生「お静かにお願いします」とあおむし先生「古谷くんと小栗さん2 その2」だ。どちらもまあぶっちゃけギャグノリであり、前者は図書室、後者は神社というパブリック性はあるもののカップル同士でありエロ漫画基準で背徳感はあまり無い。本作はヒロインの智条さんの性格破綻ぶりに若干サイコパス的な要素があり、竿役目線でシリアスかつスリリングではある。と同時にはっちゃけぶりが完全にコメディであり、軽重相併せ持つ不思議な作品だ。それでいてヒロインの造形的にもシチュエーションとしても淫靡で実用性に優れている。品行方正なヒロインの裏の顔というシチュエーションは一般作品でもよくあるものだが、エロ漫画では展開上無茶苦茶なキャラになりがちである。竿役である生活指導担当の春海先生は、矢留是(やるぜ)大通りを巡回する。その中の立ちんぼが多いエリアで人だかりができており、中心にいた智条を春海先生は目撃してしまう。
パンパンガール
最近世間を賑わせる「立ちんぼ」は「街娼」、戦後間もなくは「パンパンガール」と呼ばれていた。正確には街娼のうち本人が斡旋しないケースは「ポン引き」と呼ばれ、本人が直接客を引いているパターンが立ちんぼである。風紀を乱すため売春が合法の国でも立ちんぼは概ね処罰の対象であり、日本でも売春防止法違反だ。とはいえ「売春の意図」は立っているだけでは立証できないため、摘発は容易ではない。特にSNSなどオンラインで非公開に合意形成された場合は、どちらかが口を割らない限りバレようがないのだ。にもかかわらず、東京の歌舞伎町や大久保の通りに男女が集まり闇市場が構成されてしまった。スケールメリットが出て集団安全保障という意味合いはあるのだろうが、事実上看板を掲げるような行為は法的に悪手といえる。マスコミまでもが喧伝してしまったために人が集まりすぎ、次々摘発の対象となっている。
婦人補導院
そして本作タイトルである「補導」には2種類存在し、いわゆる非行少年と売春婦が対象となっていた。よく知られているのは前者だと思うが、実は非行少年に対する補導には法的根拠がない。奈良県にだけは補導のための条例が存在するが、それ以外は警察内部の規則により20歳未満(少年法)が良からぬことをしている時に捕まえて説教し、保護者などにも注意をするという仕組みだ。例えば未成年飲酒は酒を売った側に刑罰があるが、飲んだ側は刑法犯にならないが補導の対象となり、学校や職場などしかるべき組織からの指導・制裁を受けることになる。これと全く別に、売春防止法の中に「売春婦に対する補導」という仕組みがあり、20歳以上で刑事裁判で執行猶予になったが生活力がなくまたやらかしそうな売春婦を婦人補導院に収容し、生活指導と職業教育を施すという制度だ。女性であるがゆえに教育も働き口も与えられなかった時代の遺物とも言える。最盛期の昭和35年には年間400人の新規補導者が居たが、その後激減し平成全体を通して補導者は15人(2年に1人ペース)、2017年を最後に補導者は発生していない。そして制度自体も「困難女性支援法」に統合され、女性でありさえすれば非行事実も国籍さえも問わず支援の対象とすることとなり、売春防止法による補導措置は2024年3月末に廃止された。
全部智条さんの思い通りだよ!!
エロ漫画に戻る。春海先生は智条の手を掴み男どもから引き離す。何らかのトラブルに巻き込まれたと信じ切っていた春海が事情を聞くのだが、智条は「男に腕を掴まれて夜の街を引っ張られた」という事実に異常なほど興奮していた。彼女の言い分をまとめると、「学校で品行方正な高嶺の花を演じていたのは『そんな女が弱みを握られて快楽堕ち』するシチュに欲情したかった」そのためにわざわざ盛り場まで出向いて補導されたかったのだ、と言う。彼女はギャグ漫画のように真面目に力説するのだが、ぶっちゃけそのシチュで滾るのは竿側の目線であり、女性側がこまでする理由はよく分からなかった。春海先生も困惑するのだが、ズボンを下ろして既成事実を作り、そのままラブホに連れ込んで「エロメスガキを演じる」智条さんを見て理解できた。19ページから言及されるが、彼女は明確に春海先生をターゲットに据えていた。「学校で品行方正な高値の気なを演じていた」のは生徒指導担当の春海先生であり、「そんな男が弱みを握られて快楽堕ち」する瞬間を智条さんは味わいたかったのだ。本作は竿役目線での、教師と生徒という関係に対する逡巡が描かれている。それと智条さんの思惑が読者の中でリンクする。21ページ、「先生はあくまで生徒を救っただけ」「対価は必要ない」「誰にもバレはしない」そして「これって自由恋愛ですよ♡」と畳み掛ける。取引などしない、言い訳も認めない、主導権は渡さない、「弱みを握られた先生が快楽堕ちする」という一点だけが彼女の興味だった。これに対する答えが22ページ、「全部お前の思い通りだよ!!」という春海先生の叫びだ。狂ったように寝バックから腰を打ち付け、妊娠のこと、親御さんのことなど「自分の弱み」を、そして精子をブチ撒ける。事後、目的を達成し、さらに眉目秀麗になった智条さんは品行方正の殻を被り続けた。彼女が誰しも認める品行方正である限り春海先生に逃げ場はない。それを分かった上で彼女は春海にだけ妊娠検査薬を見せつける。堕ろすも産むも春海次第、生徒指導教師としてどちらも許されない二択を迫る智条さんの微笑こそインモラルであり、コメディでもあり、エロ漫画の真髄と言えるかもしれない。
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1,210円