copyright 2024 ワニマガジン アサオミ志群
タイトル | スーベニアガール |
作者 | アサオミ志群 |
掲載誌 | 快楽天 2024.10 |
ページ数 | 26 |
ヒロイン | 名嘉真サンゴ |
竿役 | 空央 |
発射数 | 1 |
公式タグ | フェラ / ムチムチ / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 陰毛 |
修正 | 白抜き修正 |
もう8月も終わってしまった。引き続き快楽天から、アサオミ志群先生の作品をご紹介する。エロ漫画は連載かどうかにかかわらず、夏に夏の話をするとは限らない。しかし本作は大変夏らしい南国の恋物語だ。
名嘉真がいる゛よ!!俺には名嘉真が要る!!
具体的な明言は無いが、本作の舞台は明らかに沖縄方面である。どの島かは分からない。竿役の空央(あお)は大学3年の初夏、モラトリアムが半分過ぎて卒業と就活が現実味を持ち始めた頃に全てを放棄して沖縄に逃亡してしまった。あてもなく飛行機に飛び乗った空央は、本作ヒロインの名嘉真さんに拾われ彼女の家が経営する民宿に逗留することにした。名嘉真さんは人当たりが良く空央のプライベートスペースにも遠慮なく入ってくる。玉ぼん先生「虹が咲かなくても」と同じく、心が弱っている時に多少無遠慮に構ってくれる人はありがたかったりする。それが巨乳美少女となれば猶更だ。家庭的なもてなしと美味い食事、健康的な生活で空央の心身は癒されていた。そして島内を屈託なく案内してくれ、時折恋人以上の距離感に詰めてくる名嘉真さんに惚れるのは時間の問題だった。カメラロールが名嘉真さんの写真で埋まってゆく。そんなある日、名嘉真さんの父親が「娘はお前の手に負えない」と警句を発する。訛りがきつく発言の意図がくみ取れなかったが、名嘉真さんが恋人のように接してくるのは自分だけじゃないと悟った。夜、風呂上がりの名嘉真さんに個人的な連絡先を聞こうと詰め寄るが、「お互い名前も知らんのに?無理よ~」と軽くいなされる。しかし名嘉真さんは空央にキスをして無防備な身体を預けてきた。
真夏の夜の夢
名嘉真さんは空央に奉仕しながら胸の内を明かす。自分はあくまで「旅の思い出」にしかなれない存在だと。本作タイトル「スーベニア(souvenir)」は土産物の意味だ。旅先でエロいねーちゃんに色々シてもらった。それは「綺麗な砂の瓶詰と全然ご当地関係ないネックレスとか」と同じで、旅先でとても魅力的に映り買って帰るのだが、実際に家に持って帰ると「あーどこに飾ろう」と途端扱いに困ると。だから連絡先など渡したところで度々逢いに来れるわけでも連れ出してくれるわけでもなく、扱いに困る気まずい存在になると悟っていた。それでいて後述するが、彼女は零細民宿の助けになろうと若い男を探して回っては、看板娘以上の存在として身体を使ってでも奉仕してきた。全てを理解し涙を流した空央に名嘉真さんは驚く。「想い出で終わらせたくないし想い出で終わらせてほしくない」と空央は精一杯口説く。そして「サンゴ」という彼女の本名を言い当てた。言い当てたからなのか元々そのつもりだったかは分からないが、サンゴさんは空央を受け入れた。南国のように熱い熱い交合。向き直ったサンゴさんもまた彼の名前を呼んだ。「台帳くらいみるよ」とネタバラシされたが、「にーにー」と呼んでいたサンゴさんは少なくとも「名前を知らん」訳では無かった。名前を知る仲になって号泣する空央を強く抱きしめ爪痕を残すサンゴ。事後、いよいよ帰ろうと民宿を後にする空央にサンゴは「ピタリ賞」と称して個人IDを書いた紙を渡し、「またやーたい♡」と言い残したというオチである。
わじわじーすんおとう
本作の見どころは読んだ方なら分かる通り、かなり強めの「うちなーぐち」琉球方言である。とにかく方言少女は魅力的で、大阪方面・広島方面も使われることが増えてきた。これはテレビやネットなどで触れる機会が増え、ある程度意味が分かるようになった(+発話者もどのへんまでなら通じるか分かるようになった)のが大きい。対して東北方面そしてうちなーぐちは本気を出されると何を言っているのか分からない所が悩ましい。ロシデレこと燦々SUN先生「時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん」のように、通じないことを前提としたストーリーすらある。要所要所注釈を入れるスタイルもあるが、いかんせんエロワードはそもそも定見が無いことが多く難しい。以前ご紹介したしらないひとし先生「島しょうじょ」はかなりマイルドだったが、上で述べた名嘉真父の発言は本当に分からない。これに関してアサオミ志群先生がkomifloコメントで注釈が入っている。全文引用しておこう。
[原文]めーにんくぬ時期ないねーやー / ナイチャからみてぃちゅんばーよー / やー ぬぐとぅよ / うんなくとぅすなんでぃあびとーんに…/ …ぬーん やーんかいやむしむちし言い訳わきゃあらんさ…(7ページ)
[先生訳]毎年この時期になると / 内地の人(客)捕まえてくるわけよ / … あんたみたいな / そんな事やらなくて良いって言ってるんだけど / あー何もあなたに意地悪言ってるわけじゃないよ
(改行位置にスラッシュを挿入)
なお、下線部は正しくは「やなしむちし」だという訂正も入っている。サンゴさんは13ページ、「エアコン古いから暑くてでーじ安い宿だわけよ…」と発言している。初見だとこの部分の意図がもう一つ読み取れず、「連れ出してほしい」という意図かと思ったが、先生の注釈で意味が通った。この逆ナン行為は彼女なりの親孝行であり、何なら父親も分かっていたのだ。21ページ、突かれてエロい声を抑えられなくなり「(親に)聞こえる」と口を押さえる描写も、何なら親は承知の上だったのかもしれない。そうすると、父親はなぜわざわざ「お前の手には負えん」と止めたのか。娘を単なるヤリマンだと思っているのか、それとも零細民宿にとって娘の存在は不可欠であり勝手に持っていかれては困るという意味なのか。直後の父親のセリフ「むしろ俺はやー(お前)の味方さ 深手を負う前に手を引きなさい」を素直に読めば前者なのだが、それはそれで少し悲しい気がしないでもない。そして実際、連絡先を渡したサンゴさんが客引きを即辞めるとは思えない。身体は許さないかもしれないが、空央が卒業して就職するであろう1年半後まで、どのように二人は繋がっていくのか。秋の空のみぞ知るのかもしれない。
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