こっくりさんならできるんだ…[エロ井ロエ] ひとりでシないで 番外編@電車 (快楽天 2024.12)

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copyright 2024 ワニマガジン エロ井ロエ

タイトルひとりでシないで 番外編@電車
作者エロ井ロエ
掲載誌快楽天 2024.12
ページ数16
ヒロイン布祐
竿役こっくりさん
発射数1
公式タグフェラ / タイツ・パンスト / ファンタジー・SF / 三つ編み / 制服 / 学生 / 巨乳 / 淫乱 / 羞恥 / 野外・露出
修正白抜き修正

今月号の快楽天は連作が多い。前回ご紹介したえーすけ先生「ケモノのおんがえし(?) 2」のほか、Hamao先生「コネクト(後編)」、玉ぼん先生「玻璃の欠落 – 前編 -」も来月以降の展開が示唆されている。続くためこちら2作は続きを見たうえでご紹介しようと思う。今回はエロ井ロエ先生の「こっくりさん」シリーズ3作目をご紹介したい。1話目のレビュー記事はこちら!こっくりさんについてもこちらで詳記しているのでぜひ御覧ください。

シリーズあらすじ

本作竿役は地縛霊というか浮遊霊なのだが、生前の描写は無く名前もわからないため便宜上「こっくりさん」と呼称する。1話目の紹介ではヒロインも名前がわからなかった(竿役もそのことを気にしていたというオチ)のでこちらを「こっくりちゃん」と呼称していたのだが、2話目エンドで「布祐(ふゆ)」という名前が判明した。ちなみにヒロイン側はこっくりさんを個体認識している感はあるのだが、かつて生きていた人間という認識はあまり持っておらず「こっくりさん」として汎神的に存在しているイメージのようだ。布祐さんは独りお家でこっくりさんに興じるという若干ヤバい趣味を持っており、霊体としてその日暮らしを続けていたこっくりさんがたまたま乗っかったのが1話だ。まさかの交霊にテンションが上った布祐さんは猥談を始めだし、そのまま最後までシてしまった。ちなみに竿役は基本的に現世の物体に干渉できないのだが、こっくりさんの10円玉(ブランシェット)とエロモードの布祐さん本体には触れる。こっくりさん曰く「妙に居心地がいい」らしいが理由は依然不明だ。ちなみに1話では布祐さんはダッフルコートを着ているが2話では半袖の夏服、本作ではダッフルコートではなくマフラーを巻いてマスクしている。しかし読み返してみたが「番外編」の本作と2話の時間軸の前後は確定していない。1話の直後かもしれないし1年後かもしれない。2話「にシないで」では、こっくりさんとの情事にどっぷりハマってしまった布祐さんに人生の先達として漠とした危機感を抱いたこっくりさんが本人に告げず家を出ていった。彼の死因はあくまで不明だが、死者からの「彼女の青春はこれでいいのか…!?」というメッセージは傾聴に値する。そこから1ヶ月後、彼女のことを案じていたこっくりさんは、やつれにやつれた布祐の姿を見かける。様子を見に行ったところ、彼女は1ヶ月経ってもまだ一人こっくりさんに望みを繋ぎ、突然持て余した身体を一人慰めていた。我々読者は体位含めて関係性が見えているのだが、確かに布祐さんからすれば本質的にはずっと一人Hであり、自然と挿入の体勢をとるのは理解できる。内省と申し訳無さを感じたこっくりさんは想いに応えるべく一気呵成に貫く。渇望、驚愕、理解そして歓喜に震える布祐さんは、慌てて抜いたこっくりさんを必死で呼び止める。2話13ページの真っ直ぐな眼差し、見えていないはずのものを見つめるネコ目っぽい瞳がすごく刺さる。事後、こっくりさんは自ら10円玉を動かし、「なまえをおしえて」と綴る。前作レビューでも語った通りこれはもはや「こっくりさん」としては反則なのだが、彼女はそれを読み解いたうえで名を名乗った。本作で分かるように彼は布祐の登校中ヒマであり、名前くらいどこか見えるところに書いてありそうなものだが、1話のオチの回収という形だ。

透明人間

透明人間の話をしたい。エロ漫画では時間停止や催眠、常識改変より古くからあるネタである。どれも本質的に女性との同意が得られない中でエロいことをするための方便だ。意中の女性との同意を取るための手間暇、取れる可能性を鑑みたときに「透明になる」実現可能性のほうが高いという悲しき男性の思考であり、かつどんな高嶺の花でも対象に取れる汎用性がある。概念としては古いのだが、「透明人間」という単語はSF作家H・G・ウェルズの「Invisible man」の邦訳から来ているとされる。Invisibleは「見えない」という意味で、「存在を視覚的に確認できない」ことが要件となる。姿が見えないだけでいいのなら暗闇でも全身タイツで隠れても何でも良いわけで、実際同名の映画では自ら包帯を巻き付けて存在を観客に意識づけている。ここまでは良い。問題が2つある。時間停止も同様だが、透明人間妄想をする上で必要なのは「どうやって相手にだけ触るか」である。(時間停止と同様に)「生きたまま透明になることが物理的に可能か」という議論はさて置き、見えていなくてもドアを開ければ存在が伝わるし、押し倒せば抵抗される。そもそも相手から見えていないということは、人間としての敬意を払われないということだ。走っている車は停まってくれないし、襲われた側も過剰防衛など気にしない。そのため本作では上記の通り、「エロシーン以外では物理的に干渉できない」という無敵設定がついている。そして結果的に本シリーズはヒロイン側と性的同意があり丁重に扱ってくれるのだ。

こっくりさんならできるんだ…

本作ではお預けを食らったこっくりさんが「覚醒」し、プライベート空間を飛び出して通学中の車内で布祐を襲う話である。以前も書いたがエロ漫画の半数はある意味で竿役は元々「透明」な存在であり、満員電車の車内で痴漢に踏み切ろうが周囲がパニックにならない事はザラである。本作では引き続き何故か着衣のままで生肌をまさぐり、衣服を貫通して挿入まで可能だ。布祐さんも感触だけでこっくりさんを認識し、ヤバいと思いながらも痴漢プレイを楽しんでいた。ここまでは正直よくある話だ。吊り手に捕まりながらハアハアしていた布祐さんは、着席していたリーマンに心配され座席を譲られた。Hの最中に話しかけられた布祐さんは当然のようにキョドり、言われるがまま着席する。こっくりさんは恐らく座席そのものは透過できるのだと思うが、いくらなんでも着席している布祐が上下に揺すられればバレるだろう。彼は着席中の彼女の口に勃起したブツをあてがった。マスクしている布祐は「あ…そっか こっくりさんならできるんだ…」と瞬時に察しマスクの内側で唇を開いた。公衆の面前での、布越しのフェラチオというのは天才の発想だと思う。下のお口と違い(時間停止と同様に)オーラルセックスは相手がそのつもりで動いてくれないと成立しない。無理やりこじ開けて突っ込んでも気持ちよくなるのは難しいだろう。本作はとにかくヒロイン側の暗黙の同意があり、「バレなければOK」という前提で行われた共犯なのだ。この「スリルの共有」、そして竿役だけは安全圏にいると同時にヒロインを助けることができないという「無責任な優位性」、満員電車で可愛いJKの口を犯すという想起しやすいシチュエーションという三拍子が揃っている。本作ヒロインの「受け身だが積極的」というキャラクターも非常に活きている。事後頭を抱えるこっくりさんと、口に出されて何事もなかったように歩いてゆく布祐の対比も良い。

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そしてここで透明人間の2つ目の問題に行き当たる。「どこまでが透明か」という問題だ。透明人間の存在に対するありふれた反論として「赤血球が必要な限り血液は透明になり得ない」というものがある。これはあくまで「生きている」という前提の話なので本作竿役には当たらない。呼吸も体温も必要ないのだろう。しかし髪の毛や爪など「身体から分離できるもの」が透明のまま存在し続けるとなると、それらがどうなるのかという疑問は湧く。身体から離れた瞬間に「接触不可」になるのであれば物理的整合性は取れるが、そうすると体毛から皮膚からどこまでが「本体」なのかというテセウスの船的な哲学的問題に帰着する。皮膚感覚も唾液も感知できないのであればキスなど気持ちよくないだろうし、そもそも布祐からしてキスと認知できるかさえ疑問だ。しかしまあ唾液そのものは元々透明なものなのでいいだろう。もちろんこれは精液の話をしている。1話の時点で竿役自身も射精した感覚はあるものの出たものがどうなったかは分かっていなかった。2話では明確に中に出そうとしているが、何が出たかは明言されていない。当たり前ながら本作は一貫してコンドームなど付けていないし、付けられるのかどうかさえ分からない。しかし本作ではその何かが口の中に出された描写があり、布祐はそれを吸い出した上できっちり飲み込んでいる。全てはマスク越しであり、それが何色だったかは誰にも分からない。喉を打ち付ける感触と匂い、味、そして喉越しは知覚したのだろう。しかしそもそも彼女は精液の色も、こっくりさん自体の姿形さえも知らない。それでもなお受け入れ、膣内に、そして口内に出すことを許している。想像を超えた布祐の信頼と深い愛に支えられた尊い営みなのだ。

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