copyright コアマガジン 霞雪誠
タイトル | 学園裏サービス 3 |
作者 | 霞雪誠 |
掲載誌 | HOTMILK 2023.03 |
ページ数 | 37 |
ヒロイン | 滑砥矢庫 |
竿役 | 坦耕太 |
エロページ位置(割合) | 15 – 33 (51.4%) |
発射数 | 4 |
公式タグ | JK / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 |
修正 | モザイク修正 |
霞雪誠(かせつまこと)先生の連載3作めとなる。初出は2020年11月なので、平均すると年イチペースで進んでいる。個人的にエロ漫画の理想形の一つと感じているのでご紹介したい。
エロ漫画のヒロインとして望まれる属性というものがある。大別すると「母のような包容力」「妻のような安心感」「姉のようなリード」「妹のような懐き方」「猫のような神秘さ」「娼婦のようなエロテク」そして「彼女のようなトキメキ」といったところか。上記は現実の母や姉がエロ漫画のようなことをしてくれるという意味ではなく、ワインやウイスキーを表現するときに使う言葉のような比喩の共通語と呼ぶべき物だ。つまりエロ漫画には設定として「母のような妹」や、「姉のような上司」という組み合わせで構成される。無論どれが最上というものではないし、人によっては「教師」「部活マネ」など別の表現がしっくりくるかもしれない。本作のヒロイン滑砥矢庫は、上記の全ての属性を兼ね備えていると感じている。
第一に母性と呼べるほどの丸抱え力が凄い。決して見放さない安心感を放っている。そして課題解決能力というか牽引力がまた凄い。頼んでいない事まで必要と思えばやってくれる。それでいてエロシーンに入ると割に甘えが入り、竿役に委ねる優しさもある。テクは言うまでもなく、冒頭から漂う「射精保証感」が読者にも訴求してくる。さらに回を重ねるごとにウブさとチョロさが漏れており、イチャラブ好きの読者も満足であろう。ただ全体としてヒロインの行動の意味は未だ明かされておらず、彼女の真意はヴェールに包まれている。
ヒロインが属性を多く持てばいいとは決して思わない。むしろ一点特化したヒロイン、あるいは二面性を持ったヒロインこそ売れ筋であり印象にも残りやすい。そもそも限られたページ数で、しかもエロシーンを詰め込む制約の中で、ヒロインに属性を盛りすぎても消化不良を起こすのがオチである。しかし、本作の滑砥矢庫はクールビューティーな第一印象から、突拍子もない設定で様々な面を見せつつも、読者の妄想全てを包摂し受け止める強さが感じられる。絵の綺麗さ、ストーリーの精緻さも決して劣らないが、キャラクターの完成度の高さで本作はエロ漫画の殿堂入りに値する。
なお嬉しいことに、本作末には「つづく」と明記してある。時間がかかったとしても是非また矢庫に再会したいと願う。
あらすじ(連載参照)
怜蘭学園2年だが不登校の坦耕太のもとに、風紀委員を名乗る滑砥矢庫が現れる。彼女は学園裏サービスと称して性的なサービスを提供しつつ耕太を更正させる。不登校を克服した耕太は矢庫への感謝を込めて放課後デートに誘う。最初はサービスに徹しようとする矢庫だったが、自分を彼女のように扱ってくれる耕太に好意を示し、遂に試着室で彼を押し倒す。