ガール・ミーツ・ギルティ [茨芽ヒサ] ボーイ・ミーツ・イノセント~アフター~ (COMIC BAVEL 2024.09)

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copyright 2023 文苑堂 茨芽ヒサ

タイトルボーイ・ミーツ・イノセント ~前編~
作者茨芽ヒサ
掲載誌COMIC BAVEL 2023.08
ページ数30
ヒロイン海月
竿役
発射数4
公式タグしつけ / ビッチ / パイパン / ニーハイ・ニーソ / おもらし / SM / 巨乳 / 淫乱 / 痴女 / 羞恥 / 金髪・茶髪
修正白抜き修正
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copyright 2023 文苑堂 茨芽ヒサ

タイトルボーイ・ミーツ・イノセント ~中編~
作者茨芽ヒサ
掲載誌COMIC BAVEL 2023.12
ページ数30
ヒロイン海月
竿役
発射数3
公式タグしつけ / オナニー / パイズリ / パイパン / ニーハイ・ニーソ / SM / 巨乳 / 淫乱 / 潮吹き / ハード系 / 金髪・茶髪
修正白抜き修正
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copyright 2024 文苑堂 茨芽ヒサ

タイトルボーイ・ミーツ・イノセント ~後編~
作者茨芽ヒサ
掲載誌COMIC BAVEL 2024.04
ページ数30
ヒロイン海月
竿役
発射数2
公式タグしつけ / パイパン / ニーハイ・ニーソ / 中出し / 恋愛 / 淫乱 / 潮吹き / 金髪・茶髪
修正白抜き修正
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copyright 2024 文苑堂 茨芽ヒサ

タイトルボーイ・ミーツ・イノセント~アフター~
作者茨芽ヒサ
掲載誌COMIC BAVEL 2024.09
ページ数10
ヒロイン海月
竿役
発射数1
公式タグしつけ / おもちゃ / パイパン / においフェチ / タイツ・パンスト / ニーハイ・ニーソ / おもらし / SM / 中出し / カップル・夫婦 / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 潮吹き / 金髪・茶髪
修正白抜き修正

本日も茨芽ヒサ先生の3部作をご紹介する。本シリーズは既に3部作として完結しており、本作はアフターストーリーと銘打たれたシリーズ4作目となる。平間ひろかず先生「おいしいごはんの育て方」と同じく前中後編のストーリーある作品で、かつキャッスルアクメ郎先生「デスアクメ摩天楼」と同じくマゾメスものである。ただでさえ長いレビューが連作だとさらに長くなり誠に申し訳ない。

7本の棘(よく見ると8本)

本シリーズに先立って、茨芽ヒサ先生の男性向けエロ初単行本「棘」をご紹介したい。茨芽ヒサ先生作品の男女には「棘」というか傷を抱えている事が特徴である。見方によっては非常につらく重い、読者の心をえぐってくる背景がストーリーの中核になっている作品の印象が強い。そして二人の心の傷から出会い、求め、ぴったりはまる。比翼連理というよりは「割れ鍋に綴じ蓋」と表現したい。単行本掲載順にヒロインと竿役のダークサイドに注目してまとめてみた。ヒロインは概ね何かしら問題を抱えており、特にダークサイドが見当たらないのが竿役の神田・関本の2名のみだ。

サブタイトル初出深刻度ヒロイン竿役
フォロワー堕落論(全2話)1話 BAVEL 2020.6
2話 BAVEL 2022.1
★★☆セラ – 駆け出しエロ絵師だったが、SNSでの神絵師の交流を経て自信をつけ神絵師にのし上がるみくも – エロ絵師。セラに肉体関係を迫られHしたところでセラに幻滅され、以降スランプに陥る
夜よ闇よBAVEL 2021.4★★★夜子 – 「たっくん」という彼氏に肉体的精神的DVを受け心が折れていた ベランダに締め出され防火扉を破る夜子の隣人 – 超ブラック会社勤務で成績も悪くクズ扱いを受ける キレる夜子の彼氏を殴って逃走
傷のナメアイBAVEL 2020.10★★★花帆 – 家に居場所がなくエサみたいな食事が与えられていた 繁華街に家出しコウキに拾われるコウキ – 飲食のマネージャとして激務の傍ら花帆を飼う コウキも花帆と同じく育児放棄されていた過去がある
陥没ちゃんは見せたくない!BAVEL 2021.9☆☆☆玲 – 陥没乳頭がコンプレックス それを隠すため強気に見えているが処女だった神田 – 同じバ先で働く先輩の玲と1ヶ月前に交際スタート 特に悩みのない好青年
わからせ♥ドールBAVEL 2022.4★★☆めぐむ – 博士の「メスガキわからせ」欲を充足するためだけに作られたアンドロイド博士 – 学生時代に人間関係で失敗し理不尽な扱いを受ける その際に読んだ漫画に触発されめぐむを製作 童貞
錯乱ラブガールBAVEL 2021.1★☆☆つばさ – 腐女子 彼とのH前に濡れていないといけないと思い事前にBL本を読んでいた事がバレる関本 – いわゆる「理解のある俺くん」特に悩みのない好青年 最後に自分の精液を口移しされる
チェリーとミステリーBAVEL 2021.7★★☆索子 – チュパカブラを探しに南米へ旅立つ前に識で男を知る 船から落ち定置網にかかっていたところを識に助けられる識 – 超常現象研究会の索子の後輩 索子の事が好きだがそれ以前に彼女のドジの心配をしている

なれそめ

本シリーズも同じように傷を持った男女の不器用な恋物語である。「ボーイ・ミーツ」と書いてある通り竿役である栞の目線で基本物語は進む。海月との出会いはSNSのエロ垢だった。栞はイケメンであるが後述の過去により女性不信を患っていた。気の迷いであからさまなエロ垢に自撮りDMを送る。エロ垢に限らずSNSで発信している女子に局部の写真を送り付ける非紳士的行為があるとよく聞くのだが、何気なく顔の写真を送り付ける本来常識的な対応をとる男は少数派だろう。オフで逢おうという話がすぐにまとまり、夜の街で二人が初対面した。栞は「デスアクメ摩天楼」のオニーサンと違って「M女」に激しい関心とこだわりがあり、意外にも第一印象は悪かった。「正常」に可愛い身なりに「承認欲求狙いのファッションエセM」と蔑んだ目を向ける。逆にヤバさは感じなかったので逃げはせず、ホテルに直行する。Hに至る経緯を詳述するのが一般的なエロ漫画進行だが、Hに耽溺する背景に注目する茨芽ヒサ先生はエロシーン初手でまだるっこしい駆け引きをしない。それにしても6ページ、全部すっ飛ばしての初手中出しは衝撃的だ。賢者モードという言葉があるほどに「出すまで」の過程に執着する男性生理にこだわらず、出した後のコンドームを入れたまま腰ヘコさせるという「後戯」をメインディッシュに据える新機軸である。「精液を弄ぶ女子」というのはAVでもよくある構図で、ピストン運動にはない背徳的なエロさがある。あえて本番行為にページを割かないことで生まれるオリジナリティと強調したい。繰り返すが初対面の二人である。この後クリ踏みプレイで暖まってからの二発目は普通にHが描写され、身体の相性の良さをアピールする。互いをベストパートナーと認識した2人はセフレ以上恋人未満といった関係になる。そして28ページ、栞側のダークサイドがフラッシュバックするところまでが前編となる。

ガール・ミーツ・ギルティ

本シリーズはヒロイン側には深い背景はなさそうだ。一言でいうと「エロ漫画で性癖壊された」で、美少女である点を除けば我々とさほど変わらない。本シリーズの屋台骨は竿役である栞の過去である。フラッシュバック的に提示され時間軸は定かでない。読み解けることを列記する。

  • 母親がいた頃は夜な夜な男を連れ込んで、その間栞は雪の降る日であっても放置されていた
  • 母親は栞と姉を捨てて蒸発した
  • 姉は私娼として学生のうちから客を取って生活費を捻出していた
  • そんな姉を栞は避けるようになった
  • 栞を振った女が逆恨みで不良達を栞にけしかけリンチした

結果として栞の自己肯定感は崩壊し、鏡の中の怯えた自分を見ることを嫌悪していた。中編、海月は外では普通にメイドカフェ店員として栞と清く交際し、家ではドM女として栞に土下座する関係を満足気に上手くやれていた。しかしその順調ぶりが栞には耐えられなかった。「幸せ過ぎることに猜疑し自ら関係を破壊する」というのは女性向け漫画によくあるプロットで、置き手紙をおいて出ていくのが常道といえる。ここはエロ漫画なのでサービスとばかりに海月を乱暴に押し倒した。その後海月と連絡を絶ち、強姦魔としての十字架を背負いつつ栞は慰めを得た。実際の海月さんは彼氏の突然の押し倒しプレイにさらに性癖をこじらせ帰宅するなり絶頂を迎える。一方で連絡を絶たれた点に関しては傷つき怒っており、後編、栞の職場を訪れ話し合いを迫る。要領を得ない言い逃げを繰り返す栞に対して、海月が採った手段は「押し倒し」だった。海月は栞に馬乗りになって性交を強要する。顔を隠す栞の耳元で涙を流しながら「好きなんでしょ 海月のこと」「海月も栞くんが好き」と告白する。栞はここで「人を傷つけるということ」「人を信じるということ」の正しい意味を理解した。そして海月に全てを話した。

自首と親告罪

上述の通り、栞は海月に押し倒されたことを恨んでなどおらず初めから許していた。しかし「許す」という行為は栞の負い目を増やすだけだと考えた海月は、栞を「犯す」ことにした。海月は「あの日栞くんのしたことは”罪”だけど 二人で背負う”罪”だよ」と言った。生粋のドMにとって不本意であろう行為をここまでさせたのだ。6ページ、栞の口から「自首」という言葉が出る。野暮なことは承知で少し解説したい。

2017年まで強姦罪を含めた猥褻事案は「親告罪」、つまり被害者の告訴が刑事処分にとって必要要件だった。本作のように栞が自首しても海月が告訴しない意思を明確にすれば立件すらされない。2017年に「強制性交等罪」そして「不同意性交等罪」と名前が変わったが、現在は猥褻事案は原則「非親告罪」である。つまり被害者の意思にかかわらず、起きた事案そのものに対して警察は捜査し必要であれば逮捕も出来るようになった。従って栞が事前連絡なく警察に自首した場合、警察は捜査を開始し海月への事情聴取が行われる。かつて親告罪だった時は、被害者が示談に応じ告訴を取り下げさえすれば罪に問われる可能性はゼロだった。現在はたとえ海月が「和姦だった」と主張しても最終的な判断は警察・検察そして裁判官による。犯罪行為をするべきでないのはもちろんそうだが、一時の気の迷いで自首するのもまたシャレでは済まない面倒なことになる。

我慢は罪の味

とてつもなく前段が長くなったが本作の紹介。もともと本シリーズは3部作でキレイにオチている。「二人は幸せに暮らしましたとさ」という話なのだが、茨芽ヒサ先生他作品でも「この二人の幸せとはつまり何なんだろうか」と考えたくなる話が多々ある。栞くんのメンタルは解決を見たのだが、海月さんのドMは治癒されるものなのか本性なのか。本作のアンサーは後者だった。仕事から帰宅した栞は悠々と手を洗い、一服吸い付ける。そしておもむろに隣室で出来上がっている海月さんに猿ぐつわを解く。日単位のおあずけプレイ中だった。裸で後ろ手に縛られローターを体中に取り付けられた海月さんが泣いて栞にいいつけを守って待っていたことに対するご褒美を請求する。ご褒美とは? そう、もちろん「おしっこ」だ。Hなことはしなくても死にはしない。飯を与えないのは死にかねない。生物としての本能と、人間としての尊厳の相克、そしていよいよとなればいつでもどこでも出せる。それがおしっこ我慢プレイである。以前も書いたが、3次ではいざ知らず、エロ漫画では「女側の小水」だけは原則スカ扱いしないという不文律が(たぶん)ある。実際効果は抜群で、ご褒美をもらえなかった海月さんは案の定もらす。栞くんの冒頭の謎の「手洗い」描写は、本人はさっさとトイレですっきりしたところを聞かせるプレイの一環だったのだろう(男性の普通の用足しシーンは見たことがない)。念のため、実際には泌尿器系に負荷がかかるので我慢は健康に良くないだけでなくDVである。「我慢強要」と「失禁」という罪を二人で背負う。仲睦まじい二人であった。末筆で恐縮だが、事後に海月が栞を「旦那」と読んでいることから二人はめでたく結婚したことをご報告しておく。お幸せに!

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