copyright 2024 ワニマガジン ギシュレッド
タイトル | ギャルゲのNPCに生まれて |
作者 | ギシュレッド |
掲載誌 | ゼロス #121 |
ページ数 | 23 |
ヒロイン | 竜胆しずく |
竿役 | クラスメイトB |
発射数 | 5 |
公式タグ | しつけ / ハーレム / パイパン / ニーハイ・ニーソ / おもらし / ファンタジー・SF / 中出し / 処女 / 制服 / お嬢様 / 学生 / 巨乳 / 野外・露出 |
修正 | 白抜き修正 |
本日はゼロスから、ギシュレッド先生の作品をご紹介する。
主人公とクラスメイトB
本作は「催眠」でも「時間停止」でも「常識改変」でも「異世界」でもない。「マーメイドアワー」という全年齢向けアドベンチャーゲームの中の登場人物だけで起きている物語である。本作のメインヒロインは私立清恋学園1年A組の竜胆しずくさん。そして「主人公」は同じクラスの村上翔という男だ。当ブログでは「主人公」という言葉を原則としては使わず、「ヒロイン」「竿役」という用語に統一している。村上翔はこのゲームにおける主人公という役割だが、エロ漫画としての本作の竿役は「クラスメイトB」(以下B)と呼ばれているモブキャラである。本作は特段役割も無いBというキャラが自我に芽生え、ゲーム中の役割が無いがゆえに作中で好き放題暴れまわるという展開を見て楽しむという構図になっている。
モブ概論
モブというのは略さずに言うと「モバイルオブジェクト(mobile object)」と呼ぶ。元来はダンジョン内で自動移動するザコ敵を指す用語として、固定した場所にいるボスキャラと区別するために命名されたそうだ。街中で群衆が踊り出す「フラッシュモブ」も、移動している人たちが参加することが原義だ。このへんから「一般通行人」を表す用語として本作タイトルにある「ノンプレイヤーキャラ(ゲームプレイヤーが操作しないキャラクター, NPC)」と習合し、ゲームを中心とするオタ界隈でモブという言葉は広く使われるようになった。元々は「ザコモンスター」であり、原義的にも移動することが条件なのだが、「特定の役割を持たない賑やかし」「単に舞台背景として描かれるエキストラ」ひいては
「地味で目立たない性格」「人格のない定型業務を求められている人」さえもモブ(キャラ)という言葉で表現されるようになった。かつてのフィクションは存在意義の無いキャラクターを出せるほどリソースが潤沢では無かったため、このようなキャラは少数だった。CGの導入で実際に居ないキャラクターの水増しが可能になり、映画でもゲームでも画角内に大勢の人間が映るようになった。個性を出すとアラが出るため、まさにフラッシュモブのような「雑多な汎用感」を作る技術が発展した。モブのように扱われていたキャラにファンが付き、個性が生えてくるようなことも少なくない。
モブ続論
ついでにもう少し余談を続けたい。従来ゲームにおけるNPCキャラクターはプログラムに沿って定型的な応答を求められていた。複雑な反応をしているように見えても全てプログラムで操作されているという意味で「人工無能」という表現もある。MMORPGという大人数で遊ぶオンラインアドベンチャーゲームでは、この応答性で目の前の相手が別のプレイヤーの操作下にある、いわゆる「肉入り」であるかどうかの区別になるわけだ。一方でご存じChatGPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)の技術が発展し、人間固有の能力だと思われていた自然言語の理解・応答が可能になってきている。ゲームに応用したという話はまだ聞いたことが無いが、近い将来モブと雑談が出来、モブに何かの取引を頼まれるようなゲームが成立するのかもしれない。この延長線上に「自我」が存在するわけではないのだが、本作のBに近いような挙動がゲームの中で起こることは近い将来あるのかもしれない。そして古今東西このテの技術の進化には資金が必要であり、莫大な資金を惜しげなく投じられる要素として「エロ」がある。本作はそのような人類技術史の早すぎた1ページとして名を連ねる価値があるかもしれないとさえ思っている。
壊れかけたピンボールみたいで
エロ漫画に戻る。Bは「自分が何者でこの世界がどういうものなのかを瞬時に理解させられた」と語る。これは別にある意味不思議なことではない。正確には「自分の役割を逸脱できることを理解」したのだ。これを「自我」とBは呼んでいる。もっと正確には「自分の役割を離脱したい動機を持った」と言うべきだろう。自我を持っているはずの我々でも、そして世界が許してくれることでも、思うまま好き勝手に行動するわけではないからだ。「ここは非エロのゲーム世界」という断りがあるのだが、よりによってBが抱いたのは純粋なる「性欲」のみだった。なので勉強にも弁当にもBは全く興味を示さない。Bは教室の隣にいる巨乳目隠れ同級生に性行為を求めた。モブである彼女の回答は何を聞かれても「ここはA組の教室だよ」のみだった。Bは無意味と思える質問を投げ続け、回答があろうがなかろうが胸を揉み押し倒して挿入する。「公然レイプ」というゲーム内で設定されていない事象に対して周囲が何の反応も示さないことを確認したBは、それに飽き足らず「もっと造形の良い女とヤりたい」と抜かす。従って「マーメイドアワー」のヒロインである竜胆しずくにその矛先が向いた。ここから先はいわゆる「竿役を認知できない世界」ネタに突入してゆく。AVでいうとこういうのだ。しずくさんが主人公の翔くんに手作りお弁当を食べさせるシーンにBが割り込む形で、しずくの下半身を好き勝手する。2人とも顔色一つ変えずゲーム内の恋愛トークを続ける中でBは背面駅弁の形で串刺しにした。その後もBは四季折々のイベントに顔を出してはしずくを犯してゆく。11月の修学旅行では、しずくの友達の女にも手を出しつつガールズトークに割って入る。そのまま竜胆家にまで侵入し両親の前で中に出した。ここでさすがにBは「飽き」を感じ始める。この手の設定に必ず付きまとう「世界のすべてに無視される悲哀」である。しかしBの性欲は尽きることなく、しずくと翔のラストシーンにまで乱入する。マーメイドアワーは今一つ主人公が冴えないのだが、ヒロインのしずくがリードする形で告白シーンがある。そこで事件が起きた。
キミが夢を願うから 今も夢は夢のまま
「私も翔さんの事が好きです」と言いかけたところで、竜胆しずくに電撃を受けたような衝撃が走った。そう、よりによってのタイミングで彼女にも「自我」が生まれたのだ。ご丁寧にBから受けた悪戯もすべて思い出した彼女は当然のように混乱する。詳しいことは分からないが、彼女もまた彼女なりの「性欲」を認知するようになったと考えると自然かもしれない。Bとの最大の違いは、竜胆しずくにはゲーム世界での「村上翔の恋人」という役割が設定されていることだ。自我を得たうえで、「自分の考えている事」「設定がそうさせている事」「Bにヤられている事」が頭の中で割り切れない。現に目の前の男は何事も無かったかのように愛を語り続け、後ろにいる男はTPOも弁えずバックから遠慮のない抽挿を続ける。目の前の恋人だったはずの存在が助けてくれないことから、Bの言っていることが正しいと薄々理解できて来た。そして結果的にも、B以外にこの状況を共有できる存在は居なかった。事後、あらたにリセットされたであろうこの世界で、Bとしずくは清恋学園を好きなように、性欲の赴くままに生き続けるところでオチとなる。本作はストーリーでも描写でもなく、設定にハマりこんで抜くタイプのエロ漫画だ。本当の楽しみ方は、読者諸氏の好きなゲームを脳内でイメージするところから始まる。異能系の作品と違いキャラクターの意思で脱出する術が提示されていないため、考えようによっては救いのないエンドレスなホラーという見方も出来よう。様々に楽しめる、そして後の時代に読めばまた違う趣があるかもしれない作品だ。
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