アルファ雄への背信 [ケレンメ] 異食症 (快楽天 2025.08)

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copyright 2025 ワニマガジン ケレンメ

タイトル異食症
作者ケレンメ
掲載誌快楽天 2025.08
ページ数26
ヒロインチグサ
竿役イシダ
発射数1
公式タグギャル / ビッチ / フェラ / パイパン / コスチューム / 不倫・浮気 / 中出し / 巨乳 / 手コキ / 撮影・配信 / 淫乱 / 痴女 / 背徳・インモラル / 金髪・茶髪
修正白抜き修正

本日は引き続き快楽天から、ケレンメ先生の作品をご紹介する。グロ要素は無いがメンタルを削ってくる作品なので心に余裕のない方は閲覧注意とさせていただく。

パイカ

まず剣呑な本作タイトルから解説しよう。本作タイトルには「allotriophagy」という英語が振ってある。これはギリシャ語由来の医学用語で、allotrio = 異質な、phagia = 食という意味である。しかし異食症のことは一般に「Pica」と呼ばれる。Picaはラテン語でカササギのことで、何でもついばむことから異食症を指す言葉として使われている。医者でも「尋常性感冒」のことは「風邪」と呼ぶようなものだろうか。

カササギ Wikipediaより

異食症には精神疾患としての定義(DSM-5)がある。単なるゲテモノ食いは異食症とは呼ばない。

  • 栄養価の無い、食物ではない物質を摂取していること
  • 子供の発達段階では無いこと(概ね24ヶ月以上=2歳以上)
  • 社会的規範や文化的に許容される行動で無いこと
  • 1ヶ月以上持続していること

2歳までの赤ん坊が何でも口に入れることはよくあることで異食症では無い。異食症のなかでよく見られるものが「土食症(Geophagia)」「氷食症(Pagophagia)」なのだが、かき氷を夏場に1ヶ月以上好んで食べていたとしても、少なくとも日本においては文化的に問題が無い。インドネシアの一部では「アンポ」というスナックが食べられているが、これは水田から採れる混じりけ無し?の泥である。日本では異食症のカテゴリに入ると思われるが、現地では健康に良いものとして食べられており異食症とは見なされない。なかなか難しいのだ。

逆空気清浄機

エロ漫画に戻ろう。本作竿役のイシダくんは彼女持ちであるが、「名の知れた地元企業」に就職したユカリという彼女は本作2ページに横顔しか登場しない。イシダくんはどういうわけだか漫画を一本仕上げて応募した作品が「ボロクソ言われ」ながらも誌面に講評が載ったらしい。以前ご紹介したエロマンガフレッシャーズ04にてケレンメ先生ご自身が「路頭に迷っていた」「あるとき担当編集さんにお声がけいただき、やらなきゃ死ぬの精神でお受け」したと語っておられるので、少なくとも導入部分はご自身の経験が重なっていそうである。イシダくんは担当から、サトウ先生という看板作家のアシスタントを斡旋された。後述されるようにサトウ先生のアシは離職率が高いらしいので、片っ端から声掛けをしていた可能性は高い。なんだかんだアシに入った先で本作ヒロインであるチグサさんという同僚に出逢う。見るからに扇情的なボディラインを隠そうとしないチグサさんのことをイシダは次のように形容する。「男所帯の紅一点 女に縁のなかった野郎たちにとってはほぼ毒みたいな存在 逆空気清浄機」。その反面で、彼女持ちであることを冒頭シレっと語るイシダくんは「毒に耐性がある」と言わんばかりにチグサさんに個人的に接近する。リモートでの会話も、サシ飲みもこなし「俺には気を許してくれている感じがして優越感すら覚えていた」と語った。この時点では分からない「異食症」の発症である。

アルファ雄への背信

サトウ先生は短髪でやたらガタイのいいリーダー、典型的なアルファ雄だった。サトウ先生が別途手がけていたアニメ監修の打ち上げパーティーに呼ばれたイシダは、漫画に対する情熱も経験も足りず「場違い」感を抱えたまま座っていた。その目はサトウ先生にやたら距離近めのチグサさんに向けられていた。そのまま雑魚寝していたイシダは夜に目を覚ましトイレに立とうとする。豪邸の中を歩き回るうち、明かりが漏れていた部屋を覗いた。そこにはサトウ先生の作品キャラ「リリカ」のエロコス姿をした「チグチグをおちんぽ奉仕」させているサトウ先生の姿があった。すぐ明かされるがサトウ先生は妻子持ちである。「俺の二人目の子供産めっ!」と背面座位から無遠慮中出しされるチグサさんはイシダの目線らしきものを感じていた。

イシダは顛末を、頼りになりそうなハヤシという男の先輩に相談する。ハヤシはチグサの行状を察していた。「ハヤシさんも…?」「いやいや!?俺は違うよ彼女いるしィ」、イシダはハヤシが「自分の側」で「毒されて」いないことに安堵する。イシダは心の中で浮気していたことをユカリに詫びようと思ったが、どう話していいものか言葉が出なかった。そこにチグサさんが現れる。「……こないだもう別れるかもって言ってたじゃん」チグサ越しの自分の言葉が石田の胸に刺さる「私じゃダメ?」巨乳を押しつけながらチグサが耳元で囁いた。イシダからの答えが無いまま、アシ現場の屋上らしき場所でチグサは続ける。

私ならイシダくんのこと癒やしてあげられるのになぁ… / こないだの夜覗いてたよねえ気付いてたよ / チクっちゃおうかな~? / 彼女さんいるのにさあ溜まってんだねえ / いつも私の胸とか盗み見てるし / てかあ 通話してる時たまに私の声でシコってるっしょ? / 仕事中なのにいけないんだ~♡ / 折角彼女いるのにその辺の女オカズにして / ひとり寂しくテキトーにオナニーかあ / 可哀想なイシダくん…あーあ どっかに都合良くセックスだけしてくれる女いないかなあ…♡」

イシダは拒絶しようとするが身体は抵抗出来ていなかった。「どんなコスがいーい?」という質問に、「チグサさんとそのまま…シたい………です…」という言葉が出た。結果的にこれがチグサさんの逆鱗に触れた。ユカリと別れる気が無いのならチグサとは遊びの関係なはずだ。その上でサトウ先生をボスとするサークルに入れてあげるという誘いだった。そこまでチグサは分かった上だ。なのにイシダはコスではない、「遊びでは無い関係」を求めた。それはもはやサトウ先生を含めた群れへの挑戦であり背信である。そのくせ自分は彼女と別れる気は無いと言う。チグサはOKサインを見せたかと思いきや、指の輪っかに向かって腰を振れと命じた。イシダはヨダレをたらしながら腰ヘコを続け、虚空に向かって射精した。

ナマ寝撮られビデオレター

チグサさんと群れの復讐はここからだ。体調不良を理由にアシから逃げたイシダにサトウ先生が電話を入れる。当たり障りの無い挨拶。しかしサトウ先生の股ぐらにはバニーコスのチグサさんが居た。存在を確認した上でチグサは職場の共有アカウント経由でビデオ通話を仕掛ける。その向こうでは平然とサトウ先生に背後から突かれている全裸のチグサの姿があった。しかもそれだけではなかった。サトウ先生と入れ替わり、冒頭でチグサにコーヒーを勧めていたもう一人のサトウというキモ男までもが画面に現れる。他にもヤマモトというアシも現れて画面の向こうで乱交が進んでゆく。挑発通りにその光景を見るだけでシコるイシダ。トドメにイシダの良心であったハヤシまで現れる。全員が共犯であったことを知り、自分はそれにすら値しないことを突きつけられてイシダはシコり続けた。

チグサはこれがイシダに向けてビデオ配信されていることを恐らく男どもには明かしていない。サトウ先生も、ハヤシも、本人から声掛けが無い限りイシダには変わらず接していくんだろう。チグサはイシダにメッセージを送る。

イシダくーんいっぱい出た~? / 会えない彼女さんに縋るよりさあ好きな時にエッチできる女の方が良くなーい? / 私ならイシダくんの雑魚チンポもちゃんと相手してあげられるのになあ /

イシダは独り涙する。チグサさんすら知り得ないことだが、このビデオ通話の直前に、偶然にもユカリさんがイシダに電話をかけてきていた。彼女の電話を取っていればこんなことにはならなかった。イシダの後悔は止まらない。ケレンメ先生お得意のヒロインの眼力と妖艶なボディから繰り出されるインモラルな香り。コメント欄にも新たな性癖に目覚めたという声が多数寄せられている。weekly快楽天の表紙に続いてピリッとした刺激を刻み込む「異色」作だ。チグサさんのラストのVサインはケレンメ先生のトレードマークである。会心のシメだ。

嫌悪療法

最後にイシダくんの更生可能性について考えてみたい。再度異食症の診断基準を書く。

  • 栄養価の無い、食物ではない物質を摂取していること
  • 子供の発達段階では無いこと(概ね24ヶ月以上=2歳以上)
  • 社会的規範や文化的に許容される行動で無いこと
  • 1ヶ月以上持続していること

本作タイトルにあえてなぞらえるなら、チグサさんは男女の関係性としては将来性のない、「栄養価の無い」存在といえる。堅実な彼女がいるなら尚更だ。イシダは子供ではないし、月イチ程度の連絡しかないユカリさんから連絡が来るほどにはチグサさんとの関係を長く続けている。言うまでも無く異食症かどうかは「社会的規範や文化的に許容される行動」かどうかにかかっている。客観的に見れば、社会的に逸脱しているのはチグサさんとサトウ先生軍団の方だ。しかし本作において患者と呼べるのはイシダ以外に考えられない。上述の通り、この閉じられた環境に順応出来ていないイシダの精神状態の方が異常だという事なのだろう。異食症の診断からは外れるが、土を常食しているコミュニティでは土を食べるべきだということだ。

異食症は何らかの欠乏症が原因になっているケースがある。慢性的な貧血が土食症や氷食症を発症する原因になることがあり、その場合は鉄分の補給で改善することがある。本作で言うなら彼女とのコミュニケーション不足が、皮肉にも「チグサさんとの遊びの関係」を受け入れられない原因になっているという意味だ。サトウ先生も家族との関係が良好で社会的に成功しているからこそ、このような関係を構築して楽しんでいるとも言える。それ以外で異食症を含めた依存症に対する一般的な治療法として「嫌悪療法」(aversion therapy)というものがある。アルコール依存症の患者に対して処方される「抗酒薬」を服用した状態で酒を飲むと、体内でアルコールが分解出来ず激しい頭痛と吐き気を催す。酒を飲むと死ぬ思いをするということを「わからせ」て酒を断つという方法だ。これは患者側に積極的な治療意欲が無いとただの拷問であり、抗酒薬の場合は無理して酒を飲むと本当に中毒症状で死にかねない。本作でチグサさんが取った方法はこの嫌悪療法に近い。コミュニティに対するイシダの逸脱に対して、抗しがたい苦痛と恥辱を与えることで「順応」を促しているわけだ。嫌悪療法は一定の成果をあげているものの、逆に抑鬱やPTSDなど別の精神症を発症するケースも報告されている。イシダくんがチグサさんに屈するのか、袂を分かつのか、はたまた別のフェチに目覚めるのか。興味は尽きない。

あらすじ

イシダは堅実に就職した彼女のユカリと違ってフラフラしたあげく、漫画家を志望していた。看板作家サトウ先生のアシスタントとして同じく紅一点のチグサさんと出逢う。チグサと仲良くなったイシダはサシ飲みまで出来たことに優越感を感じていた。しかしサトウ先生宅での飲み会の後、イシダはサトウ先生に慣れた手つきで性奉仕するチグサを目撃してしまう。

ケレンメ先生の作品はこちら!!

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