ズルくてごめんね [星井情] サブクエスト (快楽天 2023.07)

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copyright 2023 ワニマガジン 星井情

タイトル サブクエスト
作者 星井情
掲載誌 快楽天 2023.07
ページ数 28
ヒロイン 奈緒
竿役 中嶋
エロページ位置(割合) 15 – 23 (32.1%)
発射数 2
公式タグ しつけ / フェラ / おもちゃ / ショートカット / OL / 先輩・上司 / お姉さん / 巨乳 / 恋愛 / 陰毛
修正 白抜き修正

快楽天7月号はスゴい。巻頭のどじろー先生、カバーガールのReco先生をはじめとして、発売2日めにして1000いいねに近い作品が多数出ている。どれから読むか迷うほどだ。二択で悩み、まず星井情先生の本作をご紹介する。そして次回は亜美寿真先生の「ズルくてごめんね」をレビューしたい。両作ともネトゲの描写から始まり、年上お姉さんの話という点も共通している。そして両先生ともゲーマーとして知られている。本作の方がゲーム要素は薄めである。

魅力的な竿役を目指して

直近のweekly快楽天でエロマンガアカデミーとして星井情先生のインタビューが載っている。テーマは「魅力的な竿役とは」だ。ぜひご一読いただきたい。
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星井情先生の主張を要約すると、「美しいセックス描写のためには、ヒロインが竿役を愛する理由付けが不可欠。なので竿役には惚れられるだけのキャラクター性もエロ漫画では重視すべき」ということだ。全くもって同感である。所詮エロ漫画読者を含めた男性はどう頑張っても女性心理など完全には分からない。対して竿役は自らの分身であり依代である。共感性の低い竿役には感情移入できないし、ある種の理想化さえも竿役には求めたいものだ。令和のエロ漫画ヒロイン像は、完璧美少女より「男性的な親友感」が必要なのと同時に、竿役にはおおよそ令和の男子が求められるであろう全てが求められると言っても過言ではないのだ。僭越ながら、本作の竿役は黙ってクレンジングオイルを差し出す以外は「そんな」なのだが、少なくとも誠意は感じられるし清潔感もある。他山の石として日々精進したい。

オナホってなんだよ?

本作のタイトルは「サブクエスト」だが、英字では“Sub Quest [ion]”となっている。サブクエストとは、本筋のストーリーに付随するミッションを指す。終電が無くなって男友達の家に転がり込むことを指しているのか。判然とはしないが私の考えは後述する。Questionの方は明らかに、「オナホって何だよ?」であろう。ゲーム友達としても、恋人としても、普通の流れでは男女が交わさない質問という意味で、サブクエスチョン感はとてもある。
恐らくだが、エロ漫画読者諸氏の中でも、オナホ未経験者は意外と多いと思う。男子たるもの存在はご存知だし、店頭で見たことくらいはあるのではないだろうか。TENGAという日本の誇るトップブランドの貢献で、最近では大きめのドラッグストアでも見かけるほどだ。オナホの利点は明らかに「気持ちいい」ことである。それしか無いと言って良い。デメリットは、と言われるといくつか思いつく。一度論点整理してみたい。
  • コスパが悪い – 生身の女性のレンタルとは段違いだが、「自分の右手」は何と言ってもタダである。TENGA pocketという廉価品であれば200円からあるが、オナホはスタンダードなカップ型だと500円から2000円程度と決して安くはない。そして大半のオナホは衛生面から使い捨てる必要がある。商品ごとに記載があるので必ず確認したい。本作のようにコンドームを装着して丁寧に洗うことで寿命を延ばせるが、樹脂が劣化して固くなったオナホを使い続ける意味もない。もちろん毎回オナホという人は少数派だと思うので、ここぞというネタに対してお財布と相談で計画的に使うのが良いだろう。
  • 保管しにくい・捨てにくい – オナホホルダー共通の悩みだと思う。本作でも描かれているように、他の何かに擬態できないのがオナホというものである。一人暮らしでもエロ本は隠すのが大人の嗜みではあるが、薄い本やデジタルデータと比べてとかくかさばって隠しにくい。チンコを接触させるものなのであまり不衛生な場所(屋外とか)にも置いておきたくない。いっそ「インテリアにも使える」がTENGAのデザインコンセプトではあるのだが、メジャーになりすぎたせいで「気づいてしまう」というのが難点だ。
  • 使う覚悟(物理) – 右手の最大のメリットは「チンコから離してしまえば隠す必要がない」ことだ。自宅で鍵付き完全個室が手に入らない場合、たとえ一人暮らしだとしても常にある程度の訪問者リスクは伴う。デジタル全盛期で、女性でもお手持ちのスマホでエロコンテンツにプライベートアクセスできるいい時代なのだが、現場を押さえられるのはどうにも気まずい。右手なら「かゆかった」フリでもすればよいが、手に持ったオナホだけはどうにも弁解のしようがない。親が相手なら「何が悪い」と開き直る覚悟だけの問題でもあるが、嫁の場合は別の問題も発生するだろう。
  • 使う覚悟(精神) – 一般的に、童貞は「大事にする」ものではなく「捨てる」ものらしい。そして「素人童貞」という言葉があるほど、性行為の相手を「金銭で調達する」ことには倫理的な問題がある。もちろん同意なきプレイは犯罪である。その中で、オナホというのは誰にも迷惑のかからない「妥協の最高到達点」なのだが、だからこそ性欲のまま流れるまま安易な道に自らの息子を任せるのを良しとしない男性もいらっしゃる。「最初だけは本物で」という信念も理解できる。何なら性教育のカテゴリとさえ言える。難しい問題だ。
エロ漫画では本作のように、「女の子がオナホでシコってくれる」話が少なからず存在する。所詮人体を使ってできるプレイには限界があり、そのうち二次元の商業紙面で描画可能なもの(ピストン運動というのは基本的に漫画に不向き)となると、おのずとマンネリ化は否めない。何より気持ちよくなければ意味がない。現実のカップルがこの結論にたどり着くかと言われるといささか無理があると思うが、手コキのバリエーションとして「なんか気持ちいいらしい何か」に突っ込むのは非常に意味がある。何なら足や脇など、征服感や背徳感を味わうプレイへの現実味の追加としてもオナホ間接というのは良いのではなかろうか。直接触れていないという意味ではゴム中と同じなのだから。

なかじまーセックスしようぜ!

前前作「妹みたいなモンだから」の小柴ちゃんと同じく、本作の奈緒さんも突然ギアが入る。おっかなびっくりオナホを握っていた奈緒さんが、13ページ、射精直後のチンコを舐めにかかる。その2ページ後にはもう挿入している。奈緒さんは「奥が弱い」らしいのだが、とにかく挿入直後からどえらい乱れぶりを見せる。そしてあれだけ「どーせ俺なんか」ムード「オナホバレた終わりだ」とドギマギしていた中嶋くんが「めちゃくちゃに犯していい?」と床弁慶ぶりを発揮する。奇しくも亜美寿真先生「ズルくてごめんね」のサクラさんと同じく、奈緒さんもMっ気が強い。本人は「ん♡ちが♡おくよわいだけなの…っ♡」否定肯定しているが、中嶋くんのねちっこい乳首責め、いやねちっこい言葉責めでオチる。そして「さっきのオナホみたいに 『本物』に奥まで出すから イッてナカ締めろ…っ」と命令する。ゴム出しである。ゴム付けて奥まで出すも無いのだが、オナホにもゴム付けるタイプなので間違ってはいない。外したゴムをどこへやら、バックで喘ぐ奈緒さんに興奮した中嶋くんはもう二つ目のゴムを装着する。チンコから発する「くるくるくる」という擬音が可愛い。

ズルいサブクエスト

ラストページで、キスマークを付けられまくった奈緒さんがツンデレしているところでエンドとなる。作中首にキスの描写がないのだが、25ページで首に手がかかっているので締め痕である可能性が否定できない。ここまではよくあるのだが、左肩に噛まれた痕があるのは斬新である。さて、本作のサブクエストとは何だったのか? 私の直感なのでご容赦いただきたいが、奈緒さんは他に付き合っている男がいると考えている。作中では結局、「(セックスが)やだったら泊まりに来ないし」と言っているのみで、好き嫌いの話をしていない。中嶋くんは好意を隠しているように見えるが、両者とも口にはしていないし求めてもいない。そして何よりこの開発具合である。もちろん奈緒さんも多少なりとも好意はあるはずだが、どうにも歯切れが悪い。さらに言うと、中嶋くんはオンゲの仲間に奈緒さんが家に来ていることを隠している。中嶋くんに非はないのだが、このフレンドリストの中に奈緒さんの「メインクエスト」があることを、彼だけが知らないという可能性もある。ひねくれた読み方と言われればそれまでなのだが、「ズルくてごめんね」を併せて読んだ影響かもしれない。

あらすじ

学生の中嶋は、一足先に社会人になった奈緒先輩を度々家に上げて泊めている。二人はゲームサークルで知り合った友達という間柄だ。奈緒は色々気の利く中嶋のことを良い奴だと思っており、それ以上の付き合いに発展しないまま自然消滅することを中嶋は危惧していた。ある日、風呂に入った奈緒の様子がおかしいことに気づく。中嶋が後から風呂に入り、オナホを置きっぱなしにしている事が判明した。気まずい二人。奈緒がオナホについて問いかけ、結果「奈緒先輩がオナホを使って中嶋のオナニーを手伝う」ことになった。

掲載誌はこちら!! ※紙雑誌です

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