copyright 2023 ワニマガジン ニコライの嫁
タイトル | 来るもの拒まず |
作者 | ニコライの嫁 |
掲載誌 | 快楽天 2023.09 |
ページ数 | 24 |
ヒロイン | セーラー服女 |
竿役 | リーマン男 |
エロページ位置(割合) | 12 – 23 (50.%) |
発射数 | 4 |
公式タグ | フェラ / ファンタジー・SF / 巨乳 / 淫乱 |
修正 | 白抜き修正 |
ネタバレ注意
あらすじ(ネタバレなしver)
本作は井筒と名乗るサラリーマン男の家に見知らぬセーラー服の女がしれっと上がり込んで男を起こしているところから始まる。男は激しい違和感を感じつつも言い出せないまま出勤の途に就く。女は明らかに幼馴染のレベルの距離感で接してくる。男は記憶をたどり経緯をつかもうとするが皆目見当がつかない。もちろん可愛い女に進んで世話されて嬉しくないわけがない。しかし怖い。おっかなびっくり家に帰るとやはり朝のセーラー服のままで夕餉の支度をしている女がいた。たまたまか手に包丁を握っており、雰囲気に気圧されてまたしても何も言えない。夕食に一服盛られている覚悟まで決めたが、普通に自分の好物が並んでおり食べても美味しい。違和感より情にほだされつつあった男だったが、女はいきなりHのお誘いをしてきた。距離感が皆目掴めない男をよそに、愛情たっぷりの性奉仕が始まる。
真相
と、以下エロシーンが続くのだが、4発絞られたところで男の意識が遠のく。というか完全に意識が切れる。ヤル気満々の女がその様子を見て、驚きも憤りもせず淡々と下着を着てサポートに電話をかける。そう、ここでネタバラシ。本作の主人公はセーラー服女の方であり、この部屋も井筒という名字も彼女のものだと分かる。竿役は女の依頼で手配されたレンタル品のアンドロイドであり、彼の感じていた違和感や疑問も女の性欲解消のためわざわざ作り込まれた設定だったのだ。本作は金曜日の話で、このまま週末まで愉しむ予定だったのだが、予定外にアンドロイドの電源が落ちてしまったらしい。彼女とコールセンターとの会話で、「本来なら日曜までバッテリーは保つはずだが、トリッキーな設定にしたため過負荷がかかって落ちた」ようだ。このまま本体は回収され、多分だが返金となるのだろう。しかし満足感はあったのか既に常連なのか、来週の予約も押さえたところでエンドとなる。
あらすじ(ネタバレ込みver)
本作ネタバレを理解した上で再度ストーリーをなぞってみたい。本作は全て彼女の部屋で、準備を整えたうえで進行している。彼女が男物の服や私物を持っていることに微かな悲劇の香りを感じなくはないが、特段提示されているものはない。レンタル品に含まれるか、彼女のマジ私物である公算が高い。お気づきでない方には申し訳ないが、本作はラスコマでわざわざヒロインの生年を1990年代と明かしている。2023年時点でこのようなサービスは展開されていないのだが、仮に今年だとして、ヒロインの生年をギリギリ1999年だと仮定しても今年で24歳となる。学生時代の真正品かコスプレかは分からないが、その上でのセーラー服であると思うとヒロインの覚悟のほどがよく分かるというものだ。もちろん舞台は2023年と全く明言されていないので、年上をご希望の方はいくらでも逆サバ可能である。
本作のような設定で私が不思議だと思うのが、「プレイだとしても朝から夜までの時間経過を待つ必要はないだろう」という点だ。竿役が出勤したと思った直後に意識が飛んで、気がついたら退勤後という設定でも成り立つとは思うのだが。何故か竿役であるアンドロイドは実際にどこかに出勤しているらしいのだ。もちろん仕事はしているはずもない(仕事しているのであれば世の中全てアンドロイドでいい)のだが、昼休憩の描写はある。作劇上、竿役の困惑の思考を見せる必要はあるのだが、契約主である井筒さんからは見えないところで「熟成」させることにまで価値を感じるものだろうか。ちなみにヒロインは駅まで竿役と同伴出勤プレイを楽しんでいる。セーラー服のままで、だ。繰り返すが、最低でも24である。朝のラッシュ自体は本物だと思うのだが、その中でコスプレを楽しめるのはかなりの上級者である。
夕ご飯の支度ももちろんヒロイン肝いりのプレイに違いない。komifloコメントで「包丁がヤバい」と言われているが、出来上がりの料理も見えないためフリなのだろう。アンドロイドは健気にもメシを食うのだが、「マズい」と言う意味がないのだから味覚のセンサーなど付けていないだろう。そしてエロシーンなのだが、ここはわざわざラスコマのネタバレの中で「それっぽい粘液を出すよ」という文言がある。はたして女性のオナニーに射精は必要なのだろうかという疑問はあるのだが、実際その機能がついているディルドは存在するらしい。それでもフェラ抜きする必要があったのかどうかは尚更疑問だが、人の性癖にケチをつけてはいけない。オナホの挿入部分を丁寧に舐める御仁もいるかもしれない。16ページ、竿役が「もう出ないって思ってたのに…リアルタイムで精子作られてんのわかる」というモノローグがある。エロ漫画でよくあるセリフだが、不足分を補充する「仕様」なんだろうなと今なら思う。結局4発抜いたところで電源が落ちるのだが、2泊3日の契約で4発しか保たないのは少々物足りないのではないか。これも「設定」なのかもしれないが、コイツはぶっちゃけ早漏気味である。ヒロインもここまで抜かずでヤる肉食系なら、もっと遅漏設定にすればよかったのにと思わなくはない。
総括
男性向けセクサロイドの話は少なくともエロ漫画の中では溢れているので、逆もあっていいというニコライの嫁先生の粋な計らいである。初見時は謎ヒロインが妖艶かつ積極的で、絡め取られる感があって非常に実用的だと感じた。オチも明解で面白いしキャッチーである。のだが、正直に言うとコレが全て三十路女の「プレイ」だと知った後にヌけるかと問われると私には少々荷が重い。何なら押しかけ女房設定なのに名前もつけられなかったアンドロイドの悲哀に若干心動かされてしまう。無論私は「エロ漫画は抜いて捨てるティッシュのようなもの」だと思っていないからこそ当ブログを初めたわけで、エロを題材にしたSFとして本作は十二分な名作だと記憶に残しておきたい。
あらすじ
上記参照
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