ノンデリは少女を救う [雲呑めお] 星乃エリはギリギリ (快楽天 2024.06)

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copyright 2024 ワニマガジン 雲呑めお

タイトル 星乃エリはギリギリ
作者 雲呑めお
掲載誌 快楽天 2024.06
ページ数 34
ヒロイン 星乃エリ
竿役 東宗吾
発射数 2
公式タグ フェラ / 処女 / 制服 / 同級生・同僚 / 学生 / 巨乳 / 恋愛 / 童貞 / 金髪・茶髪 / 陰毛
修正 白抜き修正
本日は快楽天の表紙作家デビューの雲呑めお先生の話題作をご紹介する。なにせ鮮烈なカバーガールがそのままヒロインなのだからただでさえ注目度は高い。そして読んでなお高い評価を得ている。
 

自分以外全員お嬢様

本作はハイソな伝統校「聖カイマン学園」に通う星乃エリがヒロインだ。エロ漫画に限らず、庶民が通う学校に一輪咲くお嬢様ヒロインは定番である。金持ちおぼっちゃんはどうパラメータを振ってもスネ夫に帰着しがちであまり面白くならないのに対し、お嬢様は芯のあるキャラでもバカでも狡猾でも天然でもキャラクターを掴みやすい。キーワードは「世間知らず」だ。ウエメセだろうが丁重だろうが、世間の常識ってものを知らないお嬢様にモノを教えるシーンは謎の優越感を感じられる。ラブコメだろうがギャグだろうがギャルゲーだろうがプリキュアだろうが、置いておくだけで何かと重宝するのだ。さて本作ではこの逆、すなわち星乃エリ以外全員お嬢様、という設定である。エリート学園と知らずに一人だけ素人が混じって無双する系の話は男女問わずたくさんあるが、別に星乃さんは活躍しない。エロ漫画では「友達付き合いや見栄を維持するコストを捻出するためにおじさんに抱かれる」パターンが多い。これはエロから逆算しただけで資金需要は基本何でも良い。本作もこのパターンにハマる。
 

ノンデリ魂

しかし本作のヒネリはここからだ。お嬢様トークに微妙についていけてないエリは女友達集団の中で埋没していた。そんな彼女を人知れず強請っている男がいる。東宗吾、彼はエリに目配せをしてエリの課題の答えを写しにかかる。宗吾はエリが庶民であることを知ってしまった。そしてそれを隠してもらうために課題の手伝いをやらされている。実は宗吾自信も庶民であり、金持ち同士の遊びに付き合えない事を明言している変わり者だ。空き部屋、バイトの予定を詰めるエリに宗吾が聞く。「そんなにバイトばかり入れて、追い詰められてないか?」、宗吾は相談がうまい。エリのことを見て的確に突いてくる。「私は友達と一緒に居たいだけで追い詰められてない」と返したエリに、「ヤラセロって言ったらどうする?」とブッ混む、周囲を気にし過ぎてチョロくなってないか?と彼は言いたかったのだがエリは顔を真赤にして退室する。エリは宗吾のことを「ノンデリ(カシー)男」と表現するのだが、ごもっともである。本作では基本竿役はいいやつなのだが、エリの弱みを握ってパシらせているのは事実であり特に深い意味があったわけでもない。ノンデリなのは否めない。エリさんは本作のカバーガールでもあり造形にかなり力が入っているように見える。可愛さは雲呑めおガールズの標準装備なのだが、そこにチョロさとあざとさ、お子様感とお嬢様感を足して練り上げた、少しあどけない雰囲気が庇護心を掻き立てる。そして表情がよく動くのも可愛い。2024年の快楽天表紙作家はまだ被りがない(きい先生、ホムンクルス先生、Hamao先生、どじろー先生、fly先生そして本号)のだが、初担当と思えないビビッドで素晴らしい、そして漫画とも調和したキャラと言える。
 

ノンデリは少女を救う

エリさんは上述の通りお金欲しさにイケナいバイトに手を出す。いわゆるパパ活である。よりによって初挑戦の交渉をしてる間に宗吾から「ヤラせろ」の声が出たのは全くの偶然ではなかったのだろう。「りえ」という名乗りも危うい、食事だけの約束だが待ち合わせ場所はホテル街とチョロさを爆発させている。エリという少女は致命的に繊細で、意に沿わぬ状況、自ら傷つくであろう状況でさえ声を上げられない。彼女に必要だったのは金ではなく、「ノンデリ」そのものだったのだ。おそらく跡をつけてきた宗吾が空気も読まず「星乃」と彼女を本名で呼びかける。パパに本名を教えるのはリスクのある行為だったが、このパパもまたチョロい男であった。宗吾に気圧され退散する。極度の緊張がほぐれ、エリは心情を吐露する。宗吾は正面切って言う「お前が無茶しなくていいくらいめちゃくちゃバイトするから だからその…俺としろよ!」。デリカシーの欠片もない求愛。エリはまたしても流されるのだが、ホテルに入ってから「あんたとするのだってフツーに嫌なんですけど!?」とグズる。宗吾は自分の慕情と本気の心配を真っ直ぐエリに伝える。そして抱き合いながら、エリは文字通り裸の交流を熱く宗吾と繰り返す。裸の宗吾と絡み合うことでデリカシーとは何だったのかをエリは悟る。そして事後、エリは「お金のかかる付き合いはしない」と、等身大の自分を飾らず見せていくことを宗吾に宣言するところでオチとなる。結局そこにしか答えはないのだ。私は冒頭から「エリの周囲のこいつら本当に金持ちなのか?」と思って見ていたが、意外とみんな無理して背伸びしているだけなのかもしれない。そして宗吾が金持ちならまた違うエンドがあったのかもしれない。エリにとって本当に必要なパーツを持っていた人と出逢った、甘酸っぱいいい話だった。
 

あらすじ

お嬢様が集う聖カイマン学園に通う星乃エリは、決して裕福な家ではなく周囲についていくためにバイトに勤しんでいた。それに気づかれた庶民の東宗吾に課題をみせろと強請られる日々。ついにパパ活に手を染めようとするエリに、「ヤラせろって言ったらどうする?」と宗吾はデリカシーのない質問をぶつける。怒ったエリだったが、意に沿わぬパパ活を止めてくれたのは他ならぬ宗吾だった。

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