バウムクーヘンエンド [浅川] 僕の麻里亜 (HOTMILK 2023.07)

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copyright 2023 コアマガジン 浅川

タイトル 僕の麻里亜
作者 浅川
掲載誌 HOTMILK 2023.07
ページ数 28
ヒロイン 麻里亞
竿役 倉敷
エロページ位置(割合) 8 – 28 (75.%)
発射数 2
公式タグ パイパン / 不倫・浮気 / 中出し / 学園 / 学生 / 寝取らせ / 寝取られ / 巨乳 / 淫乱 / 童貞 / ダーク系 / 金髪・茶髪
修正 モザイク修正

胸糞展開かつネタバレ注意

今月のHOTMILKはかなりヤバい。いくつか拝読させていただいたのだが、とても純愛と言い難い作品が目白押しである。BirdHatter先生の巻頭作品も設定的にはぶっ飛んでいるのだが、これが純愛イチャラブに見えるほどエグい。本作含めて「主人公が他人のセックスを見せつけられる」話が多い。浅川先生の本作も、教科書のような胸糞展開かつ結末に触れないわけにはいかないため以下ネタバレを含んでいる。ご注意いただきたい。以前komifloの新規タグ追加の際にも触れた、「寝取らせ」というタグが付いている。にもかかわらず「寝取られ」もある。そういう話であるとご承知いただきたい。

バウムクーヘンエンド

本作のヒロインはタイトルにも含まれている「麻莉亞」さんだ。komifloの作品紹介上は「亜」の字が使われているが、タイトルロゴ含めて旧字体の「亞」が正しい。麻里亞さんはサムネイルからなかなかの清楚系美少女である。特に明示はされていないがセーラーの下にハイネックのセーターを着ており、舞台は寒い時期のように思われる。タイトルの「僕」は、バスケ部の海田君ではなく、倉敷くん – 下のコマのメガネ君である。もうこの時点で麻里亞さんはあまり大事にされておらず、なんとなく不穏である。時系列でいうと本作のわずか2日前に、海田くんサイドから麻里亞さんに告白したところから話が動いているらしい。ここまで読んで頂ければ、本作がいわゆる「BSS」=僕が先に好きだったのに、という展開であることは分かる。
BSSと呼ばれる作品は、「僕が先に好きだったのに(、好きな相手が誰かに取られた)という悲恋が含意されている。主人公に帰責する何らかのコミュニケーションの齟齬(多くは不足)により、相手への好意が伝わっていない前提で相手が誰かと恋仲になってしまうという鬱展開を指す。悲恋の鬱展開という意味でNTRと混同されがちだが、NTRは付き合っているカップルが第三者と交渉を持つという意味なので、傍観者視点のBSSとは概ね異なる。本作もそうだが、誰の視座で見るかによってもこの属性は変わってくる。極論すると、というか概ねそうなのだが、BSSは意中の相手と何らかの進展がある必要すら無く、完全な横恋慕であっても主観的に成立する。つまり向こうが自分のことを認知していなくても、ぶっちゃけテレビの向こう側の人であっても、BSSは成立しうる。かつてNTRというワードが取り沙汰されたときでも、エロ漫画読者層に限らず、男性で恋人を取った取られた(「寝ている」ことが必須)経験がそんなに豊富な人は稀である。「こちらはあの娘と良い仲だと思っていたのに、向こうはそう思っておらず、普通に彼氏を作ったと聞いて凹む」という経験をNTRと混同しているという指摘があり、ここからBSSという正しい区分が認知されるようになったと言える。エロ漫画的にはBSSの状態からミラクル大逆転するストーリーが定番であり、正統派なものから、異世界やら催眠やらを交える話まで大人気である。なお日本語の一人称の関係で、女性が主体の場合は「WSS」とも表記される。また、全くの横恋慕ではなく親交があった二人の片方が別の異性とくっつくパターンは「バウムクーヘンエンド」と呼ぶらしい。「結婚式に呼ばれて引き出物のバウムクーヘンを貰うくらいの距離感」という意味である。本作はこれに近いかもしれない。

爆発する陰キャメガネ童貞

倉敷くんは初等部の頃から麻里亞さんの事が好きだった。昔から好きであればこそ一歩詰め寄ることが難しいのは分かるが、その隙に彼女はバスケ部の海田くんに言い寄られてしまう。麻里亞さんの言葉によると、「友達にも誰かと付き合えと言われ、お試し感覚で付き合うことにした」とのこと。当然倉敷くんとしては、付き合ってまだ2日なら挽回のワンチャンはあると考える。その刹那に「初体験が上手く行かなかった」と告白され倉敷くんは爆死する(古風な表現である)。エロ漫画として読むとそんなもんかと思えるが、この年齢で現実にこう言われたら心中穏やかで居られるはずがない。ちなみに麻里亞さんはしょたいけん」ではなくはつたいけん」と読む派のようだ。
倉敷くんがたとえ童貞が許される年齢だったとしても、「君のために貞操を守っていた」と男が言うのはこの上なくダサい正直倉敷くんもこんな事を言うつもりは無かったんだろうが、取り乱した上での言葉の綾である。しかし、この一言を麻里亞さんは受け
止める。「私のために貞操を守ってくれたんだね?」「エッチなことしたかったんだよね?」と確認し、彼氏の存在に触れもせず倉敷くんを受け入れる。既読の方ならここでネタバレせざるを得ない気持ちが分かるだろう。麻里亞さんのいう「初体験が上手くいかなかった」は事実である。麻里亞さんはそれ以上言っていないのだが、海田の回答を悪意で要約すると「処女は面倒くさいから穴開けてもらってきてから来い」という内容だった。海田のセリフ通りに書くと「僕のち◯こがデカすぎて入らないから そのへんの祖チンで慣らしてこいって言ったら… 本当に実行してくるなんてさ」となる。どう読んでもドクズである。もちろんこの時点で倉敷は知らない。この事実を踏まえた上で麻里亞さんの言動を追いかけていこう。

哀れなロストチェリー

倉敷くんは完全に混乱しており、セックスさせてくれではなくパンツが見たいと言ってしまう。それを踏まえ、教室でスカートをまくらせた麻里亞さんで見抜きするという荒業に出る。眼の前で自分のパンツを見ながらセンズリを始める幼馴染を見て、自らアシストとばかりにパンツのをチラ見せしてしまう。初めてのマンチラに、哀れ倉敷は教室の床に精液を撒き散らす。当ブログのレビュー開始以来「本人の前で本人に触らず見抜き」というのは初めてのパターンで驚いている。ここで倉敷くんは賢者モードに入る。混乱から少し落ち着いた倉敷は、麻里亞の純潔など気にする必要がないと理解し、立ったままの麻里亞の下半身を攻め始める。権利を主張するかのように、海田の入れ知恵とも知らず、丁寧にもみほぐす。口では抵抗する麻里亞だが、身体は倉敷を受け入れてゆく。クンニでイカせた倉敷は、失地回復のためいよいよ挿入の体制に入る。「浮気になっちゃう」とやはり口では抵抗する麻里亞。しかし彼女の瞳に倉敷は映っていなかった。

僕から見た麻里亞

私の感想としては、麻里亞さんに倉敷くんを利用する意図はやはり無かったのだろう。初体験の話をしたのも、幼馴染としての相談のつもりだった。それ以前に海田にいきなり肉体関係を求められた事自体も本意ではなかったに違いない。純真無垢であるが故に、「ここで倉敷くんとエッチすることは、倉敷くんの望んだことだし、海田くんのためにもなる」と額面通りに受け取ったと考える。端々で抵抗の口ぶりを見せるのは、「結果として倉敷くんが傷つくことになってもそれでいいのか」という逡巡ではないか。言い換えると「何されても倉敷くんのものにはならない、海田くんとのHのためにこの機会を利用する」という事だ。それを知らない哀れな倉敷くんは、愚かにもさらにここでも後手を踏む「麻里亞は俺のものだ」そう言えば何かが変わったかもしれない。しかし恐らくは変わらなかったのだろう。麻里亞を追ってバスケ部の部室に近づいた倉敷は、海田と麻里亞のセックスを見てしまう。ここで上記のネタバレを本人が知ってしまう。そしてやはり口では抵抗しながらも身体は海田を受け入れ腰を振っている。海田は倉敷と自分の女がヤッたことを知った上でそれを興奮材料くらいにしか思っていない。その事に絶望する倉敷の背中で本作は幕引きとなる。

あらすじ

胸糞展開にて省略

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