copyright 2024 ワニマガジン ホムンクルス
タイトル | 純愛ストラテジー |
作者 | ホムンクルス |
掲載誌 | 快楽天 2024.09 |
ページ数 | 28 |
ヒロイン | 日比野円香 |
竿役 | 雪村聡介 |
発射数 | 3 |
公式タグ | フェラ / OL / 同級生・同僚 / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 陰毛 |
修正 | 白抜き修正 |
先ほど旧サイトを非公開にさせて頂いた。手探りで始めた当ブログだが、1年半で151,610もカウンターを回していただいて本当に感謝しかない。引き続き書き溜めていきたい。当ブログの1発目の更新でもあり、ひいてはこのような感想を書きたいと思わせるきっかけの一つでもあるホムンクルス先生の最新作を個人的節目に紹介させていただきたい。
大人の出会い
本作はホムンクルス先生には珍しい「会社の同僚」という設定だ。私が調べた限り、ホムンクルス先生の作品で「二人の出会いが明確に学生時代に遡らない」作品は「海に咲く」(快楽天2009.11、はじらいブレイク収録)までさかのぼる。大学生の話は多いのだが、それを含めてどちらかが学生である作品がほとんどだ。3rd単行本のタイトル作品である「求愛エトランゼ」のエレナ・ミハイロワは詳細不明だが来日時は「女子大生」を称しており、しかも黛との出会いは3年前である。「なつのけもの」「小悪魔@ほーむ」(レンアイサンプル収録)は物語時間軸ではおそらく学生では無いのだが、前者は出会い時点では学生、後者は6年前である。はじらいブレイク収録の2作「高円寺棗の事件簿」の棗は描写は無いが大学生と自称している。「バードケージ」も互いに年齢不詳で学生かは不明だが、出会いは幼少期で間違いない。「海に咲く」は15年前の作品でかなり作風が違う。プロットは本作にある意味似ているが、恋人にフラれた竿役の緑川が一緒に酔っていた佐原さくらと意気投合する話である。しかしこちらは本当に初対面の二人であり、飲んだ勢いのヤケクソでW傷心旅行に海まで行った挙句に酔いが醒めるというヒドい話である。なんだかんだ失恋の傷を持つ二人はHに至るのだがなかなかにインスタントHなストーリーだった。
送り狼の資格
本作も厳密に言うと日比野円香と雪村聡介が学生時代に顔見知りではないと明言はされていない。しかし少なくとも作中では同僚としての付き合いであり、雪村が一年半付き合っていた「あい」という女にも特に言及がない。雪村と言う男は飲み会より彼女を優先するタイプらしいのだが、フラれた腹いせで飲み会に参加してヤケ酒に走っていた。飲み会が跳ね、飲み屋の出口で本作ヒロインの日比野さんが詳細不明のイケメン同僚に無理くり口説かれている最中だった。日比野さんは部署内でもキラキラ輝くタイプの、ホムンクルスガールズ属性の持ち主である。目の前でそれがイケメンに送り狼されるのは、男なら誰だって気分悪い。酔った勢いの雪村はリスクを省みずイケメンに直言し、なぜか日比野さんを自分でかっさらう。これは決して自分勝手ではない。「こんな美女に対して自分は送り狼する資格は無い」と本気で信じている男の業だ。たまたま降りる駅も同じだった雪村は改札で別れを告げる。しかし日比野の方から家への誘いが出た。繰り返すが送り狼をする度胸など雪村にはなかった。しかし実際に家に上がって気が付けば日比野に挿入まで果たしていた、というのが本作の導入だ。
円香、恐ろしい子
エロ漫画的に少しも不思議なところは無いのだが、なぜこうなったのか少し考えてみたい。上述の通り雪村は別の女性とフラれたてだった。彼は自分の恋愛をオープンに話すタイプらしく、交際期間まで同僚は知っていた。雪村は日比野さんのような美貌の同僚を前もって知っていたとしても何ら不思議はないが、日比野は元々雪村の仕事ぶりを知っていたと後に語られる。つまり日比野は雪村のことを認知しており、おそらくお手付きであることも知っていた。この二人の出会いが偶然であるか、日比野によって仕組まれていたかは私は五分五分だと思っている。そして後者の方が断然面白いのでその前提で語る。少なくとも日比野は自分から仕掛けるタイプではなさそうなのだが、絶妙のタイミングで声をかけてくれた雪村を黙って手放す女ではなかった。少なくとも「冷たいお茶」を出そうと決めたあたりで抱かれるつもりではあったのだろう。実際ここの流れはナイショにされている。8ページ、「そんなつもりじゃなかった」と事後に雪村は土下座をかます。フラれたかと一瞬戸惑った日比野さんだが、これが彼なりの誠意であり、自分はこの恋愛において優位なのだと悟る。「じゃあこれからはお友達ということで」と宣言する。以降一方的に雪村の外堀を埋め最終的には合鍵まで手にする。ちなみに日比野さんの意向なのか会社の雰囲気なのか、社内恋愛は公言していないらしい。距離感の詰められ方に申し訳なさを感じる雪村をさらに追い詰める日比野さん。10ページから、上記の前提で読むとからかい上手な日比野さんの「わからせ」遊びにも見える。決して好きとは言わない。言わせない。でもノーブラとわかっていて手を回させる。雪村がゴムを用意していたことに敢えて触れ感謝の言葉を述べる。それでいて2回戦は生でヤる。恋人ゴッコとして下の名前を呼ばせる。タイトル通りどこまでも純愛には違いないのだが、日比野さんのストラテジーをひしひしと感じる。
ビーフシチューが出来るほど
最後のページ、日比野は「今晩ビーフシチューかカレーライスどちらがいいですか?」「シチューならワインを買ってきてほしい」と雪村に尋ねる。忙しいのに定時で帰れるのかと聞く雪村に「だってあなたにもらった合鍵 早く使いたいんだもん」と答えるところが最高に可愛いオチとなっている。しかし雪村はこのあと「シチュー」と回答する。ビーフシチューは牛肉の下味付けから煮込みにそれなりの時間がかかる。レシピにもよるが、ワインは早い段階で必要だ。今晩食べるビーフシチューを定時上がりで仕込む、そのためのワインを買ってこいという。つまり雪村に「早く仕事を切り上げて帰ってきて」「煮込んでいる間すこし時間があるのでシましょ」と言う女神の一手なのだ。いつものホムンクルス作品のフレッシュさとは少し違う、じっくり煮込まれたコクのある作品だ。
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