copyright 2024 コアマガジン モコ田
タイトル | 裏の貌 |
作者 | モコ田 |
掲載誌 | HOTMILK 2025.05 |
ページ数 | 34 |
ヒロイン | うらら女王(はるか) |
竿役 | 秋山 |
発射数 | 2 |
公式タグ | しつけ / フェラ / パイパン / SM / キャバ嬢・風俗嬢 / 巨乳 / 手コキ / 淫乱 |
修正 | モザイク修正 |
本日はホットミルクから、モコ田先生の作品をご紹介したい。なおホットミルクは正式に「HOTMILK」という英綴りからカタカナに誌名変更しているのだが、タグ付けの関係で引き続き英綴りでご紹介している。どうするか思案中である。そしてそれと全く関係なく本作の舞台の店名は本作記載通りHOTMILKと表記してゆく。
新人部門最優秀賞
モコ田先生は以前「心の痣の癒し方 (HOTMILK 2024.09)」をご紹介させて頂いた。この作品は当ブログでも好評で、FANZAブックスアワード2024の新人部門最優秀賞を受賞したレジェンドだ。こちらは音楽好きのヒロインの傷心をテーマとしたフレッシュな作品だ。このひとつ前は「夢見てサキュバスちゃん(HOTMILK 2024.05)」というサキュバスもの。そして今回はなんとSMものと非常に幅広い。ヒロインのはるかちゃんはどういうきっかけかSMバー「Fetish bar HOTMILK」に通いつめており、M嬢として本格的にプロの道に踏み込もうとしていた。後々も出てくるように彼女は義理堅くプロ意識が強い。己の性癖を曲げてでもHOTMILKへの恩義に報いるべく女王様への道を歩み始めたのだった。
BDSM
あまたあるエロジャンルの中でも異彩を放っているのがBDSMだ。日本ではSMとして括られるが、B/D(Bondage and Dicipline, 緊縛と調教)、D/S(Dominance and Submission, 支配と服従)といった要素を含んだ概念である。いわゆる「ノーマル」な性嗜好の人間から拒絶反応があることを考慮して、「閲覧注意」的なニュアンスでタグ打ち・カテゴリ分けされている。BDSMの特筆点として、男女ともに提供されるコンテンツである。ここまで当ブログでも沢山取り上げた男性向け性嗜好は概ね女性から見てピンとこないものばかりだろう。対してBDSMは一般にソロプレイするものではなく、異性のパートナーとプレイすることも少なくない。本作のように「商業化された」プレイスポットでは「両者の合意」に基づいたロールプレイと「セーフワード」(前もって決めておく、受け側がこれ以上はダメと判断した事を知らせる言葉)という安全弁が必須とされる。とはいえ一方で「逃げ場所があるならSMではない」という原理主義的強硬派もいるのでややこしい。さらに誤解を恐れずに言うと、BDSMと直接関係が無い性逸脱や、LGBTといったマイノリティがBDSMの旗の下に参集して政治化するという火種の一つにもなっている。LGBTパレードにBDSMの要素がやたら混ざるのは、BDSM自体が持つ強力なメッセージ性の政治利用と言えよう。下はカナダのトロントにおけるLGBTQ Pride paradeの一幕である。

SMバー
本作にもう一歩近づき、SMバーの話をしよう。基本的にはショーパブのように酒とショーを楽しむ場ではあるのだが、単なる物見遊山ではなく客側の積極的な参加を求められる。時に客同士が会話をし、文字通り客がステージに上がることもある。一方で風俗のように客がパーティションで区切られることもなく、あからさまな性行為は原則禁止だ。本当に同好の士だけで構成されたクローズドな場であればもちろん何でもアリなのだろうが、SMバーとして常時営業している店は当然その日の客次第というわけにはいかない。本作のように看板となるSまたはMの嬢が在籍している。看板となるのは前者のいわゆる「女王様」で、ロール的にも大勢のM客を従えて貢がせてこそ輝く。繰り返すが性行為は禁止事項であり、なので「客と三助が恋仲」的な風俗営業の建前が必要ない。加害行為はともかくもショーを見せる事自体は合法だからだ。本作では言及が無いが、会員制と銘打っている店では初回に入会料、そして時間単位で入店料を取ってフリードリンクという料金制が多い。料金制の場合は概ね女性が優遇され、コスプレ参加などを条件にさらに値引きされる。調べてみると昼営業も意外とあり、有名店では初心者向けイベントや、縄師を呼んでの緊縛体験講座などそそられるメニューを用意してくれている。
女王と云う肩書を誇らしげに掲げる
本作に戻ろう。本作ヒロインである「うらら女王」ことはるかさんは、Fetish bar「HOTMILK」のS責め師として君臨していた。冒頭出てくる地雷系ファッションの女性客に鞭を打ち、「Mの心が分かる」と絶賛を受けている。2ページ、そんな女王は元々HOTMILKのM客であったと明かされる。HOTMILKでの薫陶が嵩じて本格的にM嬢としての入店を希望していたが、不運にもHOTMILKではS女王が複数人退店してしまいMを雇用する余地が無かった。やはり女王に客が付いてこそのSMバーであり、Sが足りていない中でMを増やすのは難しいのだろう。がっかりするはるかに、面接しているママはSへの転向を進める。ママは他ならぬはるかさんが憧れる女王であり、ぶっちゃけ女王様の言う事は絶対である。Mであるが故に、「うらら」という源氏名とともに女王の戴冠を受けた。入職して1年、新人女王としてうらら嬢の統治は上々であった。そんなある夜の出来事である。
Wax play
坂下という常連のメガネリーマンが、秋山という同僚を布教目的で連れて来た。彼が本作竿役である。ビギナー向けと言うことで、「手の甲にロウソク」という洗礼を施す。いわゆるSM向け「低温ロウソク」という融点の低いロウソクだ。普通のロウソクの融点は60℃前後で、火傷になるかならないかくらいの温度。低温ロウソクは50℃を切るくらいの温度で融け落ちる。しかしどちらかというと「落とし方」次第で、傾けすぎて直火で熱せられたロウを散らさずに落とすと危ない。火遊びであることには変わりないので水は置いておいた方がよい。7ページ、ロウを垂らされた秋山に「ハマっちゃいそうですか?」という営業トークを向けたうらら様。その目に映る、鈍くくすぶった炎を目ざとく見通した秋山は、「うららさんは(SかMか)どうなんですか?」と女王に対して不敬な質問をぶつけた。その場は坂下のシャンパンに潰されて有耶無耶になるが、うららはそんな秋山から目が離せなくなった。
同情を欲した時に全てを失うだろう
12ページ、閉店まで坂下のお守りをしていた秋山にうららは質問の意図を問う。少し酒も入った表情の秋山は、口ごもりながら「蝋を垂らされてる俺を見ているうららさん、なんだか羨ましそうな表情しているように思えて…」と答えた。その一言が1年間、女王として見上げられる存在だったうららの胸の内を深く刺した。直感が秋山をホテルに誘う。ガウンに着替えてベッドに腰かけた秋山が「いいですか…?うららさん…」と最後の確認をし、うららはガウンを脱いだ。女王のボンデージの下で両の胸を貫いていた消えない枷、ニップルピアスが露わになる。乳首を責められたうららは自らご奉仕フェラを施し、「あたしの喉…使ってください…♡」と申し出た。先ほどと裏腹に虚ろな瞳に燃え盛る炎が、今度は秋山の胸の奥のS心に火をつける。両手でうららの頭を掴んで激しく出し入れする秋山は、一番深いところで放精した。火が付いた二人はそのままバックで交わる。スパンキングするほどに締まるうらら。27ページ、真っ赤に腫れ上がった尻に「仕事に支障とか出ませんか…?」と聞く秋山。跡が残るのはマズくないかという秋山の気遣いなのだが、「SMクラブの女王様という仕事をしていながらケツ叩かれて嬌声を上げている」事への職業意識の欠如・叱責という「言葉責め」とも受け取れる。激しく優しい攻めに魅了されたうららはさらに破滅へのギアを上げる。「首…絞めて欲しいです…♡」と秋山の両手を導いたうえで、「はるかって…呼んで…」と懇願した。Fateでいうところの真名解放。自らの全てを捧げ渡して秋山のサーヴァントとなることを誓った瞬間である。事後、秋山は改めてドMなのになぜ女王を続けるのかを問い、今度は「Mとしての奉仕の心」で女王を務めている、そしてMとしての自分は秋山さんに委ねると答えたところでオチとなる。女王の「裏の貌」は少しはにかんだ微笑みだった。まあ正直、うららさんは冒頭から慈愛に満ち溢れた顔で、ドMとは言わないまでも女王様らしからぬ可愛い風貌ではある。何なら前作「心の痣の癒し方」の中野先輩の方が見た目に小悪魔感があった。その上で女王の重責を担い、かつ心の奥底での満たされなさを訴える表情が絶妙だ。だからこそ解放されたはるかさんの安堵感が際立つ。最優秀新人の引き出しの深さは伊達ではない。次はどのような「貌」を魅せてくれるか楽しみでならない。
あらすじ
SMクラブに通うはるかは、M嬢として業界に身を投じる覚悟を固めた。しかしその店ではS女王を急募しており、SMへの愛からはるかは「うらら女王」としての道を選んだ。客も付いたある日、秋山という初心者の男性に手ほどきをしていた時、「うららさんは本当にSなのですか?」という問いを投げかけて来た。その言葉が胸に刺さったうららは閉店後に秋山をホテルに誘った。
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