copyright コアマガジン 新堂エル
タイトル | 行きずり夜想曲 |
作者 | 新堂エル |
掲載誌 | コミックメガストア Vol.3 |
ページ数 | 40 |
ヒロイン | リリス |
竿役 | メガーネ |
エロページ位置(割合) | 1 – 39 (97.5%) |
発射数 | 2 |
公式タグ | ショートカット / タイツ・パンスト / おもらし / 不倫・浮気 / 巨乳 / 淫乱 |
修正 | 黒棒による修正 |
エロ漫画という天啓
Komifloを見ていると、「エロ漫画を描くために生まれてきたとしか思えない天才」の作品を日々拝むことができる。しかし中には「漫画を描くためではない才能が溢れすぎた結果エロ漫画を描いて下さっている天才」としか思えない作家様もいらっしゃる。その名前を二人挙げるとするなら、一人が東山翔先生、もう一人が本作の新堂エル先生だと思っている。両者ともただキレイでエロいだけでなく、オナニーよりもっと何か大事な何かを読者に問いかけてくるかのような、言わば神の視座から天啓を与えてくださるような作品を我々に見せてくれる。そんな本作も巻頭40ページの大作であり、性に溺れた男の胸ぐらをエグるような内容に仕上がっている。
リリスと眷属
本作はKomifloの「オフ会コレクション」に再掲されたのだが、よく見ると「撮影・配信」タグが付いていない。まあ配信部分は冒頭3ページでバイバイしちゃうので仕方ない。リリス(Lilith)はユダヤ伝承において少年を性的に篭絡する女性の悪魔を指す。「眷属」という表現はおそらくダンまちから膾炙されたと思われるが、もとは仏教用語らしく、神道においての使い魔(稲荷神に対するキツネのような)のような扱いの用語である。リリスは明らかに本名ではないと思われるが、ヒロインも竿役もハンドルネームのまま進行するので以下リリス・メガーネと呼ぼう。
三位一体
本作のエロシーンは十分に長いのだが、冒頭からリリスの脱衣シーンが差し込まれる。本作は最終的に、かりそめの姿であるはずの美少女吸血鬼Vtuber リリス・ドラクールの存在と、メガーネを篭絡するリリスがオーバーラップする。しかし実際には普段着で等身大の、地味なパンツを履いている女性もまた存在することを示唆している。しかもその脱衣シーンを配信するという「餌」を撒き、食いついてきた獲物に会いに行くところからストーリーが始まる。
逃げる男、咎める女
竿役であるメガーネは、月間投げ銭トップだったことから「眷属サービス」を受ける権利を得ている。総額いくらなのかは分からないが、風体や家を見る限りでは金を余らせている様子ではない。そこそこ生活に負荷をかけてでもこのワンチャンのために貢いでいたと思われる。終始メガーネは下心をつとめて否定するが、「顔出ししてから赤スパ増えた」と看破される。メガーネはあくまで「視聴者」という仮面を被った上で、安全圏からリリスに声援を送り、金の力を見せつけて口説き落とそうと考えていたに違いない。その筋書きに乗っかる展開もあったろうが、リリスは全て見抜いていることを明かした上で、逆に羊の皮を被った狼を食い殺そうと動く。安全圏だと思っていたメガーネの一番の急所である「左手薬指の指輪跡」をリリスが指摘する。「お前は最低な浮気者だ」と知った上で、その一線を超えてこいと告げる。メガーネは色をなしてトイレ、つまり「鍵付きの個室」という安全圏に再び逃げ込み状況を整理しようとする。しかしリリスはそれを許さない。個室に音もなく侵入したリリスが、絶対守りたい一線である「メガーネの家に私を招待しろ」と迫る。出来るわけがない、妻子は寝ているはずだと逃げようとするメガーネのちんこを捻り出して、下半身から理性を揺さぶりにかかる。
堕ちる男、そして
リリスの口技は小市民であるメガーネの理解を超えていた。そしてチンケな理性など吹っ飛ばし、最後には頭を掴んで喉奥に射精する。全てリリスの手のひらの上だ。セックスを求めるメガーネに再度「家に連れて行かないとシない」と釘を刺す。もう止まれない。何の策もなく浮気相手を家に連れ込む事を決意する。家人が寝静まっていることを確認し、玄関より奥に入れさせないと強がってみるものの、主導権を持つのはリリスである。玄関で服を脱ぎメガーネのズボンを下ろす。家の中を気にするメガーネを嘲笑うようにリリスは遠慮なく嬌声を上げる。激しいピストンと背徳感に屈したメガーネは、妻子のいる家で浮気相手に「妻よりイイ」「中に出す」と言わされてしまう。そして射精した瞬間、リリスがメガーネの喉笛に齧りつく。
リリスからの警告
36ページ、普通のエロ漫画のクライマックスシーンに見えるが、「ガクガク」「プシィ」「びゅるー」「ビクッ」という描き文字の中に「ゴク」という擬音が交じる。メガーネの首元である。リリスの口元から出る色付きの液体。やけに筋張ったメガーネの鎖骨周り。「美味しかったわ」というエロ漫画の常套句も違う意味を持つ。事後の描写は敢えて省くが、おそらくメガーネ氏はタダでは済んでいないと私は思う。「エロとは最も深い人間関係であり、人間関係はリスクを伴うもの」「襲う襲わないの決定権は男のみが持つという考えは甘い」、エロ漫画という安全圏に籠もっている我々読者に対する新堂エル先生からの警鐘と私は受け止めている。
あらすじ
新堂エル先生のさらなる啓示を得たい貴方へ
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