人間到る処リビドー山有り[位置原光Z] 青春リビドー山

青春リビドー山

858円

 

今回は何としても当ブログで紹介したかった、位置原光Z先生の最新単行本「青春リビドー山」を取り上げたい。当ブログはアダルトカテゴリであり、本作はR18でない一般作品である。それでも少なからぬ快楽天読者はその名をご存じだろう。F4U先生「異世界はこう抜く」と同時期に連載された、いわゆるエロ漫画雑誌における箸休めギャグ枠である。各誌各様に小品として連載され、掲載陣が変動しがちなエロ漫画雑誌のカラーを印象付けることも多い。後述の経緯も含めてぜひ紹介したかったため、名誉エロ漫画として紹介させていただく。

 

 

単行本化への長い道

快楽天の箸休め枠は、2017年7月号まで毎号常勤で櫻井エネルギー先生が担当されていた。8月号では巨匠火鳥先生が初ゲストとして「乳に願いを」という作品を掲載されている。9月号には箸休め作品の掲載がなく(かるま龍狼先生はエロ枠)、10月号に満を持して位置原光Z先生が「ゲット・ザ・ズリネタ」として快楽天初掲載となる。コミック冒頭のペタンコ座りの扉絵はこの「ゲット・ザ・ズリネタ」のものである。本誌ではここに「※この漫画は健全です」という但し書きが入っている。11月号掲載分「罰ゲームで告白」から「青春リビドー山」というシリーズタイトルが入り、連載の体裁が整う。そして2018年1月号からF4U先生「異世界はこう抜く」シリーズが始動し、ここから「偶数月は位置原先生、奇数月はF4U先生」というタンデム体制が5年近く続くことになる。この体制は全く崩れることなく、少なくない継続読者の心のメトロノームとして機能してきた。この唯一の例外が2020年8月号、通巻300号記念号で「異世界はこう抜く(メデューサ回)」「青春リビドー山(プレゼント・フォー・ユー)」が揃い踏みを果たす。そして単行本発売の告知も出た2022年、偶数版である8月号に「異世抜く」の最終回が掲載される。青春リビドー山「一休さん」は9月号に掲載され、「魔女集会」が11月号に掲載される。このタイミングで連載終了告知などは一切なく、ラスページには「次回掲載は2023年1月号予定!」と告知が入っている。しかし1月号告知にもそれ以降にも先生の名前は無く、単行本の話も立ち消えになってしまった。実質的な最終話「魔女集会」は、快楽天2022年11月号掲載で、komifloでの掲載期限は2023年9月28日(本ブログ執筆当日)である。既に公開終了していると思われるが、間に合った方は告知部分などぜひ見てほしい。もう単行本発刊は絶望かと思われた2023年、位置原先生がSNSで単行本発刊に向けて動いている旨の告知が上がる。そして数か月後に掲載誌と異なるKADOKAWAでの発刊が決定し、2023年9月26日、ついに日の目を見ることができたのだ。上記の通り3か月後輩となる「異世界はこう抜く」の単行本発刊(2022年11月15日)から十月十日ほど遅れての発刊と相成った。なお位置原先生の主戦場は白泉社「楽園」(ル・パラディ)で、こちらのレーベルから単行本「性懲りショートステイ」など多数既刊がある。こちらはエロ漫画雑誌ではないので方向性は似ているが直接的なエロ描写は少ない。匂わせだけでなくこってりとしたエロをお望みなら「青春リビドー山」一択である。

 

「青春リビドー山」ヒロインランキング!

当ブログでは作品に個人的なランキング付けはしないと決めている。どれも等しく素晴らしい作品だからだ。しかし今回取り上げるコミックには全32話もあるので、個人的なベストヒロインを上げさせていただきたい。下に各話リストに、わかる範囲での人物名称を記載してある。作品名を思い出せない人が検索でここにたどり着いてくれれば幸いだ。そして偏見と独断で「弱点」と「抜きドコロ」をまとめた。ネタバレなどと云うなかれ。大いに参考にしていただきたい。

第5位　反乱軍の首謀者ズ(敗軍の将)

本作のヒロインの半分くらいは名前らしい名前がないのだが、本作は3人そろって名前がない。「帝国がとある都市の技術力に目をつけ、帝国に反乱を起こすべく3人を扇動者として送り込んだ。帝国の思惑通り反乱軍が蜂起し帝国軍に叩き潰されることで帝国は都市の掌握に成功した。しかし3人の扇動者を帝国が直接救済するわけにもいかず、反乱軍の残党に処理させるべくアジトが包囲されている」という設定なのだが別にどうでもいい。反乱軍の要求は「パンツをみせろ」であり、命拾いラッキー!と思う者、そんなレベルならパンツ見せなくてもワンチャン助かるだろと言う者、パンツだけで済むわけがないと危惧する者と３バカトークが繰り広げられる。帝国軍のスパイがカマトトぶったことを言うなあと思いきや、ラスコマでキス以上のことを求められたら「抵抗するよ」「拳で」という時の表情が非常に好きだ。

 

第4位　針崎さん(かけ違い)

「青春リビドー山」中で最高にわけわからん思考の持ち主である。地雷臭ただようファッションから繰り出される、ふりかぶりの深いビンタがたまらない。竿役も何を言っているのか分からないが、それを全力で好意的に解釈しようとしてビンタにたどり着くのが良い。「…そぉんなに　ビンタされたいんですかぁ～…?　ヘンタイさぁ～ん♡」というセリフは本作通しで最もノーマルにエロいと断言する。さらにエロいオチは各自でご確認いただきたい。

 

第3位　部下(マイクロビキニ混浴で上司部下の絆を深めよう！)

扉絵から普通にビキニスタートである。常識改変的なネタなのだが、ところどころ正論を吐かれるのがチンコに響く。混浴させられる上司が本作でも屈指のムッツリであり、エロ漫画読者との共感度100%を誇る。真顔でチンコを握ってくるかと思いきや、「綺麗な」というワードにテレを見せるところも愛らしい。実は性欲強めである。名前がないのが非常に残念でならない。

 

第2位　吉木さん(スレイブもの)

ストーリー全体でいうと「倒錯したエロい日常」というコンセプトを最も体現している回である。「同級生が奴隷と主人」というエロ漫画でも扱いづらい構図で、登場人物もよくわかった上で会話しているのだが、吉木さんの奴隷観に主人の田中君がついていけない中での疾走感が非常に面白い。SMプレイにおける主導権はMが握るというように、鬼嫁といわれる人が外面は非常に良かったり等、生殺与奪権は部外者から見えている形式上の地位で必ずしも決まるわけではないということがよくわかる。個人的に「ドレハラ」というワードはどこかで使ってみたい。

 

第1位　つるさん(つるのおんがえし)

吉木さんは非常に面白いのだが、ヒロインの魅力でこちらを1位とさせていただく。冒頭の雨コート和装、「誤算」(「先輩の顔も三度まで」収録)の香織先輩でお馴染みの割烹着姿が眩しい。そして快楽天本誌でもあまり見かけない「女性が洋式トイレで普通に致す」シーンが刺さる。しかしつるさんの一番の兵器は何よりも「ジト目」である。あわよくば風呂を覗こうとする田吾作という哺乳類の下心を見下すかのような冷淡な視線。それでいて二人は里一番のおしどり夫婦になるというハッピーエンドがまた良い。人生こうありたいものだ。

 

審査員特別賞　オレくん(早計)

下表の中で、「デビルプレイ」と本作「早計」は登場人物が同性である。前者は女同士でレズプレイをしている。後者は男同士なのだが、オレくんの意中の人であるノンケくんは文字通りノンケであるため、オレくんはしたくもない女装に全てをつぎ込んでいる。過去に女体化の話を取り上げたが、現実に女になることは不断の努力と忍耐を求められるということだ。オレくんの女装はほぼほぼ仕上がっており、ノンケくんの目線も熱を帯びてきた。酒が入ればキスするくらいに。オレくんはさらに女声を出すべくトレーニングの最中だそうだ。チンコがついている事を除けば、「青春リビドー山」最高のヒロインと言えるかもしれない。

 

性懲りショートステイ

858円

先輩の顔も三度まで

858円

正しいスカートの使い方

858円

櫻井超エネルギー

990円

異世界はこう抜く

1,000円