copyright 2022 コアマガジン いとうえい
催眠からの倫理
komifloではコアマガジンの雑誌も読み放題対象となっている。最近復刊したメガストアから本作を紹介したい。
いとう先生は、女性目線でフェチシズムを追求する、特にパンツの描写に情熱を感じる作家様である。本作においても「処理の甘いアンダーヘア」という男性には解像度の低い領域も平気で踏み抜いており、ある種の窃視欲と背徳感を満たせる。挿入よりも出た精子を扱いに描写を割くのもいとう先生の強さだと感じる。下品さと上品さが同居する作風には賛否あるのかも知れないが、こと私は大好きである。
催眠モノは外形的性同意(=無理矢理に見える描写はNG)という昨今の出版コードから急成長著しい分野である。従って催眠モノは無理矢理と表裏一体であり、まともなフォローはなされないケースが多い。しかし本作の特異性は、なんと最後に拓哉君が浮気者の夫に反省を迫る催眠をかけ、夫婦仲を再構築するというハッピーエンドで締めているのだ。どう考えても拓哉君のヤリ得でしかなく、客観的には誰も幸せになっていないのだが、真梨子さん(と旦那)が「催眠Hされた事実を知らない」という一点だけで真理子さん自身は幸せを得られたことになるあたりが、いとう先生のある種の母性のしからしめる所なのだろう。
あらすじ
謎の催眠アプリを手に入れた拓哉は、隣部屋の夫婦喧嘩に直面してしまう。出勤していく夫の後を追おうとする真梨子にその催眠アプリを見られてしまう。不可抗力ながら催眠状態になった真梨子に拓哉は服を脱げと命じ、中に出された後始末までやらされるハメになる。
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コミックメガストア Vol.002
880円