かわいいは、ざんこく [小箱みみず] 黒姫とねずみ (HOTMILK 2025.02)

この記事は約7分で読めます。
8b6f160e218b0398c67edd897eb1d8313f437380.jpg

copyright 2025 コアマガジン 小箱みみず

タイトル黒姫とねずみ
作者小箱みみず
掲載誌HOTMILK 2025.02
ページ数57
ヒロイン黒崎姫香
竿役八王子瑞(根津瑞)
発射数7
公式タグパイパン / JD / 中出し / 同級生・同僚 / 女性上位 / 幼なじみ / 恋愛 / 淫乱 / 童貞 / オフィス・職場 / 足コキ / 逆転なし
修正モザイク修正

ブログテーマを入れ替えて入力環境も若干変わった。本日はHOTMILKから、小箱みみず先生の超大作をご紹介したい。普通の感覚で読み始めたらまさかの57ページと2作分以上のボリュームである。それだけでもお買い得だ。

Side Lonely Mouse

本作は竿役の目線で進行し、最後にネタバラシのような形でヒロインの心情が垣間見えるという構成だ。私の中では珍しいと思ったのだが、本作の竿役には旧姓がある。作品時間軸では八王子瑞(はちおうじみずき)という名前でスーパーのレジバイトをやっているのだが、両親が離婚する前は根津瑞(ねづみずき)という名前だった。ヒロインの黒崎姫香さんは瑞の幼馴染だ。幼少期の瑞から見たヒロイン「黒姫」は、自分のことを「ねずみ」と呼び、ことあるごとにイジってくるので彼は苦手意識を持っていた。そんなある日、人の居ない教室に追い詰められ黒姫に電気アンマを食らった結果、精通を迎えてしまった。ここの詳細は後述する。この事件により瑞は黒姫に対して「苦手意識」とともに「性的欲求」を抱いてしまい、結果として黒姫から距離を取り続けていた。瑞から見た黒姫はいわゆる陽キャであり、距離を取れば自分のことなど黒歴史も含めて記憶の片隅にも残っていないだろうと思っていた。しかしレジのバイトに申し込んできた黒姫は、研修中に「八王子くんって『ねずみ』でしょ?」と言い当ててきた。苗字つながりのアダ名だったのだから、当然黒姫は精通を含め全てを覚えていた。瑞の認識と唯一違ったのは、足コキ精通の黒歴史を知ったうえでなお黒姫は瑞に激しく絡んできた。更衣室でおっぱいを放り出し、舌を奪い、ズボンからチンコを引きずり出したのだ。

電気アンマ

本作のメインテーマである「電気アンマ」についてここで触れたい。アンマは按摩と書きいわゆるマッサージのことを指す。按摩は盲目でもできることから視覚障碍者の就職先として今でも専門の教育機関がある。専門の国家資格があり「あん摩マッサージ指圧師」という締まらないネーミングになっている。つまり「電気アンマ」という語は直訳すると「電動マッサージャー」つまり電マとなる。しかし電マのことを電気アンマと呼ぶ人はまずいない。「相手の両足をつかんで股の間に自分の足を差し込み、足先を股間に当てて揺らす」というプレイとしてかつて広く知られていた。由来はプロレス技だったとか、永井豪先生の「ドロロンえん魔くん」に出てきたとか諸説あり定かでない。テレビなどでプロレスや身体イジリが退潮した結果、ネタとしてもあまり叫ばれるものではなくなってしまったため若年層の認知度は下がっているとか。しかしおおよそこのプレイを表す他の用語もないため、今でもこの形は電気アンマとしか形容しがたい。ちなみにWikipedia英語版でも「Denkianma」と呼ばれている。このプレイの重要な特徴は「男女ともにアリ」という点である。女性器は股間の内側にあるので、少々乱暴に足でグリグリされても気持ちいいかはともかく激痛には至らない。対して男性は本気でグリグリされると非常に危険である。なので女子のおっかなびっくりしたソフトな足責めが本作のように刺さったりする。そして男女ともに、股間というデリケートな箇所を足蹴にする/されるという倒錯性で気持ちよくなれるという寸法だ。本作でも多用されまくる電気アンマだが、瑞くんからの反撃は行われなかった。

ピクシブ百科事典より: https://dic.pixiv.net/a/%E9%9B%BB%E6%B0%97%E3%81%82%E3%82%93%E3%81%BE

かわいいは、ざんこく

スーパーでの一件があった後、26ページ、黒姫にオモチャにされつつも思い出さされた瑞は、黒姫が大学で他の男と何事もなかったように談笑しているのを目の当たりにして再度陰鬱な気分になる。「この女の”かわいい”は」「”残酷”と読め」と瑞は心で愚痴る。瑞にとって太陽のように眩しく、温かく、否応なく自分を振り回してくる黒姫は、自分のことなどネズミのようにしか感じていない。自分を対等に受け入れてくれるはずもないのに、心も身体も持っていかれそうになる瑞自身に対する嫌悪感。八つ当たりだがそれを黒姫が「かわいくて残酷」だからと表現せざるを得なかった。大学の空き教室でふたたびバックハグされ耳元でささやかれながらの足コキで抜かれたあと、「ねずみのせいで濡れちゃったんだけど?」と黒姫は自分のアパートにまで上がり込んで「残酷」に責め続けた。40ページ、電気アンマからの顔面騎乗でイカされながら「ああ やっぱり 俺は性的搾取の対象で- こんな穴に -一人で恋愛していたのか」と瑞は自嘲したのだった。

Spermarche

ここで本作二つ目のテーマである「精通」にも触れたい。英語でもフランス語でも「Spermarche」と呼び、Sperm=精子、Arche=始まり、というそのまんまの言葉である。フランス語でスーパーマーケットは「Supermarche」なのでかなりニアミスしているのは気になる。「童貞」だの「勃起」だの「射精」だの、男性専用の性用語はエロシーン以外で使われないものばかりだが、「精通」というワードだけは一般用語として使われる。「彼は精通している」と言うのは何かの分野の専門家であるという意味で、決して思春期を済ませたとは取らない。要するに男子が精通したところで誰に報告するでもなく、童貞膜が破れるわけでもなく、お赤飯が炊かれたりもしない。「初潮」というワードほどには誰も気に留めていないのだ。また「初潮」は時が来れば起こるもので当人の性欲と真反対にあるのに対し、「精通」は概ね本人だけのエロエピソードであり殊更言いたいものでもない。一方で、「脱童貞に失敗する」ことはあっても「精通に失敗した」とはあまり言わない。ほとんど全ての男性は誰に教わるでもなく、通常は一人で勝手に特段事故りもせず精通していくドラマ性があまりないのだ。エロ漫画的にも「脱童貞」は描かれても、「精通」に触れる作品は少ない。その点でも本作はこのテーマを巧妙に扱っている。完全に余談だが、Wikipedia日本語版の「精通」の項目はやたら色々なことが書いてある力作だがほとんどまともな出典がなくかなり怪しい。誰も興味がない事の証左と言える。お暇があれば一読をお勧めしたい。

Side Black Princess

本作を改めてヒロインの目線で読み直そう。42ページ、そもそものボタンの掛け違えは瑞の電気アンマ精通に遡る。瑞にとって屈辱的な思い出であったことは間違いないが、黒姫自身は精通であることを半ば理解したうえで「別にキモくないよ!」と明言していた。そして顔を真っ赤にして「おもろいから 一生 おっかけっこしよーねー!」と好意をダダ漏れさせていたのだ。恥ずかしながらもこの好意自体は受け止めた瑞だったが、女子同士のトークで「ねずみのことどー思ってんのー?」という囃し立てに対して「好きじゃないよ」と返答したのを聞いてしまった。黒姫からすれば思春期のメスガキ同士で本音トークしてもイジられるだけという程度の認識だったが、瑞はそれを受け止め切れず、かといって本人に再度聞くだけの度胸もないまますれ違ってしまったのだ。それだけではない。黒姫は本当に必死で、避けられていると分かっても瑞のことを追い続けていた。大学も学部も同じところに入ることができた。そこで遂に「八王子くんに告白しようかな」という女子が現れてしまった。負けるわけにはいかない。背水の陣で黒姫は自分だけが持っている「精通」のカードを切ったのだ。44ページ、瑞が自己嫌悪を吐露した結果、ようやく黒姫は誤解を解くことができた。ついでに大学で仲良さそうに話していたボーイッシュな女友達のおかげで瑞のジェラシーまで貰ってしまった。黒姫さんは最初から、瑞と二人きりのシーンではずっと顔を赤らめている描写がある。47ページ、瑞の照れた顔と合わせてそれが最高潮に達した。置き去りにされ、一人でおっかけっこをしていた黒姫は、ようやくねずみと手に手を取って走れるようになったのだった。ストーリーだけ追うと甘酸っぱい純愛ゴールなのだが、プレイは初手からハードであり剛柔どちらのM心も満たせる重厚かつ甘美な名作といえよう。

本作の単話販売はこちら!!

掲載誌はこちら!!

小箱みみず先生の作品はこちら!!

コメント

PVカウンター
  • Today's page views: : 68
  • Total page views: 28,850
タイトルとURLをコピーしました