copyright 2024 ワニマガジン 層積
タイトル | 夜交 |
作者 | 層積 |
掲載誌 | 快楽天 2025.07 |
ページ数 | 26 |
ヒロイン | ヒナ |
竿役 | 照 |
発射数 | 2 |
公式タグ | フェラ / けもみみ / ショートカット / ファンタジー・SF / 中出し / 女性上位 / お姉さん / 淫乱 / 異種間 / 褐色・日焼け |
修正 | 白抜き修正 |
快楽天7月号が配信された。5月は早い段階で上位3作品を快楽天が占める貫禄ぶりだが、今月も間違いなくどじろー先生の連載はじめ上位を狙う作品が山盛りである。その中で本日は、層積先生の作品をご紹介しよう。層積先生は講談社コミックDAYSでの週刊連載に向けて準備を進められているとの事で、本作が一区切りの作品になるかもしれない。性器を清潔にして読もうではないか。
騒がしい日々に笑えない君に
本作ヒロインはケモノ娘、しかもコウモリである。職業は看護師。対して竿役の照(あきら)くんは「純人間(ストレート)」と呼ばれている。彼は睡眠時間が遅めに倒れる夜型人間だ。鳥に例えると朝型をヒバリ(Lark)、夜型をフクロウ(owl)と呼ぶ。フクロウ型の照くんは朝どうしても起きられないため大学を休学する羽目になり、深夜経営のバーでバイトをしていた。早上がりを許されスマホを見ると2025年4月12日午前1時32分。服を着替え深夜の24時間営業のコインランドリーで洗濯を済ませることにした。コインランドリーは洗濯機より乾燥機がメインで、外干しする気が無いのならむしろ洗濯はまとめて夜に済ませたい。そのコインランドリーに居た先客がコウモリ娘のヒナさんだ。コインランドリーものの定番ネタである「女下着の忘れ物」、それも会釈して出て行ったヒナさんの忘れたてホヤホヤの一品。しかも思わず「フワーオ♡」の擬音が飛び出すどエロいTバック紐パンときた。正確にはTの交差部分に謎の隙間が空いており、女体の神秘に妄想が止まらない。一方でよほどのお気に入りなのか、ヒナさんは出てすぐパンツを忘れたことに勘づいてしまう。こうして二人は鉢合わせし、いたたまれなくなった照くんがパンツを投げ返して夜に駆け出していった。
陰嚢動物
コウモリはご存じの通り空を飛ぶ唯一の哺乳類だ。モモンガやトビウオは滑空できるが、自力で舞い上がれる現生種は鳥類・昆虫類の他にはコウモリしか居ない。よく羽毛に覆われた天使の翼に対して、悪魔の翼は本作のヒナさんのようなコウモリ型に背中から生えているように描かれることが多い。実際にはコウモリの翼は鳥と同じく腕(前足)そのものであり、よく見ると後ろ足の先のほうまで伸びている。コウモリの翼は柔らかく空気を包むように捕らえて羽ばたいており、鳥ほどの筋肉とエネルギーを必要としない。逆にコウモリは9ページの夜間飛行のシーンのような滑空が実はできない。常に羽ばたく必要があり、長距離の飛行は難しいのだ。多くのコウモリは夜行性で目が退化しており、ヒナさんのような大きな耳で反響定位(エコーロケーション)をとっている。特に本人から語られてはいないが、照くんの「あの人のパンツ!!?」という叫びが聞こえて取りに戻ったのかもしれない。「ケモミミがついているキャラには人間型の耳をつけない」というこだわりが昨今(特にウマ娘以降)見受けられるが、本作の世界観では基本的に両立しておりヒナさんは大きめのイヤリングをつけている。これを言い出すとそもそも人間型の腕もつけられないことになるので、エロシーンがコウモリ翼で隠れて仕方ない。本作の描写として私は肯定的に受け取っている。

本作にはオスコウモリが出ないのでここで触れておこう。哺乳類の系統分類で翼手目(=コウモリ)は我々霊長類より犬猫やクジラに近い。この動物グループは約8,500万年前にモグラのグループと分岐し、Scrotiferaと名付けられている。日本語に訳すと「陰嚢動物」、皆さんご存じタマブクロを持つ動物という意味合いだ。DNAの分類では我々ヒトはEuarchontoglires(超霊長類)という陰嚢動物とは祖先の違う系統に属しているのだが、なぜ霊長類には陰嚢があるのかまだはっきりしていないそうだ。それはそれとして、コウモリのチンコはなかなかご立派である。画像は貼らないが興味のある方はこちらをどうぞ。
あれからぼくたちは 何かを信じてこれたかなぁ
エロ漫画に戻ろう。パンツの一件でバツの悪い照くんはさらに遅い方に時間をずらして洗濯に来た。ヒナさんもそれを察したかのようにコインランドリーで待っていたのだった。二人は話した。種として夜に生きるヒナと、個体として昼に生きられなかった照。学業も人付き合いもうまくいかない照にヒナは「わかるよ この世は昼行性の人に合わせてできてるもん」と共感する。コトヤマ先生「よふかしのうた」、オジロマコト先生「君は放課後インソムニア」でも描かれているように、夜は孤独で、夜に生きる人どうしは惹かれ合うのかもしれない。8ページ、ヒナは翼を広げて照を夜の空へ誘った。
誰もが憧れる空中散歩。我々の世界には航空法があり、無人機(ドローン)を含めて厳しい規制がある。ドローンもタケコプターも魔女のホウキさえも動力飛行する道具は全て規制対象になり得る。しかし生身で飛んでいる分には「風で飛ばされている」扱いで(たぶん)法規制は受けない。ただし他人の敷地の上空300mより低い空域を飛ぶ場合は地権者が文句を言う可能性がある。本作の世界では独自の規制があるらしく「ノーヘル無灯火安全装置なしタンデムは違反飛行の役満」だそうだ。ただ2ページでヒナさんは空から現れているように見え、ヘルメットも安全装置も見当たらない。あくまで純人間をタンデムする時にだけ必要なのかもしれない。上空から町の景色を眺めているうち、互いの職場であり夜も働いている輪仁総合病院、Bar Crocodile、そして「HOTELアリゲータ」というラブホに出くわした。気まずい空気を察した照くんだが今度は逃げられない。そのウブさにムラついたヒナさんがリードする形でオトナの「ご休憩」が始まる。
褐色、筋肉質、ショートカット、貧乳、へそピ、ニヤケ顔そして脇見せ
スリルのある夜間飛行というアドベンチャー(adventure)、フランス語に訳すとアバンチュール(avanture)となるが日本語の意味合いは随分変わる。ヒナさんはコウモリ獣人コミュニティでの経験がありそうだが、夜勤の多い病棟看護師は出会いの少ない職業として有名だ。12ページ、褐色、筋肉質、ショートカット、貧乳、へそピ、ニヤケ顔そして脇見せという本作の夢全てが詰まったカットは必見だ。なんだかんだ勝負感のある下着を仕込んでいたのもポイントが高い。14ページ、名前も今日知った間柄からの「お姉さん照のかわいいおねだりが聞きたいんだ♡」で竿役も私もオトされた。コウモリは後ろ足で立って身体を支えられないため、飛ぶとき以外は概ねぶら下がりの体勢で休んでいる(握っている状態が普通で、指を開くときに筋力が要る)。コウモリ娘にそんな属性はないらしく、自ら跨がっていくスタイルでガンガン行く。避妊を気にする照に「じゃあ(射精を)我慢しなきゃ♡」とSっ気むき出しで乳首をいじり倒す。ぐぐぐっと来る射精感に本気で抜こうとする照くんに、ヒナは奥の手ならぬ翼を持ち出して両手を押さえ込んだ。19ページの描写がある意味で正しい腕の使い方で、コウモリ翼の上にちょこんと突き出てるのが親指だ。押さえ込まれたまま種絞りプレス。動揺する照くんだが、現役看護師に「ヒトと獣人の妊娠率低いから!」と言われれば納得するほかない。そのまま生で二回戦。細身のヒナを組み伏し、「きれいな褐色の肌を精液で汚したい」という劣情が止まらない。2発目は中でちょい出しした上でお腹にもぶっかけた。
鳥のように、獣のように
25ページ、冒頭に書いたとおり、層積先生の節目となるかもしれない射精が終わった。そのヒロインであるヒナさんから誰にいうでも無く「頑張ったね ありがと」という言葉が出て、その翼で照を包み込んだ。コウモリの翼には血が通っており温かい。ちなみに感覚もあるためコウモリ娘との対戦時に「翼への愛撫」は有効かもしれない。事後、どれくらい経ったのかは分からないが、「荷物置きっぱ」を理由に二人はコインランドリーを出禁となる。そもそもコインランドリーは無人対応が普通であり、洗濯物が放置されていたら次の客が勝手に出していいが一般的なルールである。まして店員がいるならなおさら一晩放置したくらいで出禁宣告は律儀すぎる。出会いの場を失い「ヒナさんとも会えなくなっちゃいますね」という照の残念そうな台詞に、「じゃあ今度は…私の家遊びにおいで♡」というヒナのささやきで本作はオチとなった。
こんなことを言うべきではないのかもしれないが、これが層積先生からのラブコールなのだろう。快楽天を強く熱く支えてきた層積先生。今後描かないと明言されているわけではないが、週刊連載との掛け持ちは無いだろう。寂しい。そんな読者へ向けた、未だ見ぬ「私の家」への誘い。本稿をここまで読んでいただけた方なら受けないはずがない。洋の東西を問わずコウモリは鳥と獣の二面性を持つ生き物として扱われてきた。鳥のように自在に飛翔しつつも、時に古巣で輝いていた獣性が見え隠れする、そんな層積先生に期待しか無い。
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