当て馬バンドマン目線 [untsuku] 壁一枚 (X-EROS #104)

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copyright 2023 ワニマガジン untsuku

タイトル 壁一枚
作者 untsuku
掲載誌 X-EROS #104
ページ数 28
ヒロイン 安達柊奈
竿役 古河
エロページ位置(割合) 9 – 25 (60.7%)
発射数 1
公式タグ ギャル / オナニー / 恋愛 / 羞恥 / 金髪・茶髪
修正 白抜き修正

Xerosリニューアルのおしらせ

Xerosが変わる。スクラップ&ビルドと称している通り、破壊と創造が行われる。悪いニュースから、デジタル化ということで紙媒体の販売が無くなるらしい。そして印刷配本の軛から放たれたことで、隔月から月刊化の運びとなるようだ!社会情勢のアオリをモロに受け続けているComic LOは月間から隔月になってしまったが、Xerosは逆に毎月配信が拝めるとのことだ。まあそもそも一般誌連載のように毎号登場する連載作家は少ないので、オキニ目当ての読者にとっては毎月でも季刊でも変わらないという人も居るだろう。かたや私のようにキレキレの新人作品を楽しみにしている者にとっては、掲載機会が増えることは大きなプラスだろう。そんな大荒れのXerosに吹いた爽やかな風、untsuku先生の作品をご紹介する。

コロナの追憶

時は2023年9月。2019年末から始まったcovid-19、通称新型コロナな世界的大流行によって人類文明レベルの大きな変化が社会を襲ったのはまだ記憶に新しい。2019年時点での社会的争点は消費税増税(イートイン脱税など) と、東京オリンピック2020に伴うインフラ規制だった。パラを除くたった2週間、首都圏の交通を封鎖し自宅勤務を徹底するという案に対して、経済界が「不可能」と一笑に付していたのだ。翌3月、政府は緊急事態宣言を発出し、通勤通学の足を1ヶ月以上も止めることになるとは誰も考えもしなかった。ワクチンの接種やらなんやかんかで2023年5月にコロナが「格落ち」するまで約3年を要した。現時点で街からマスク姿や座席間の衝立、消毒用アルコールが徐々に姿を消し、人の記憶からも徐々に薄れようとしている。しかしそのコロナ禍から残った良いものの一つがリモート会議システムである。対面を前提とした様々なものがオンラインになった。高齢者の感染リスク軽減の名目で、デジタルに疎い世代が積極的に取り入れたのも大きい。人と人のコミュニケーションは人類文明の大きな成果の一つだ。物理的距離をゼロにする技術はまだまだ進化を続けるだろう。

前置きが長くて申し訳ない。かたやフィクションの世界は、撮影現場やアニメーターの人繰りの問題はあれど、作品内にコロナ禍の世界観を持ち込んだものはほぼ皆無と言って良い。身近な人を亡くしたや、自ら塗炭の苦しみを味わった人も多い。戦争や天災よりタブー視は根強かった。しかし「リモート」というテーマは感染症を意識せずとも書きやすい。「テレワァク与太話」はコロナ禍のテレワークを甘酸っぱく仕上げていて面白い。

リモートセックス

ようやく本題に入る。本作の見所は「リモートセックス」である。電話越しでのHというのは何なら昭和からある文化である。そして携帯電話の普及により家族関係なく直接相手にコンタクトを取れるようになった。さらにスマホの普及により顔出し通話のハードルが大きく下がった。Skypeなど動画での通信技術はあったのだが、カノジョにエロいことをさせるためにデスクトップにwebカメラをつけさせるのは幾つもの心理的技術的障壁があった。その点LINEの通話などもはや女子同士のほうが詳しいまである。本作もヒロイン発信でおっぱじまっている。前回「目隠しヒロイン」の話だったが、テレHというのもある種の感覚遮断である。セックスは五感全てを使う総合体術なのだが、電話では聴覚のみ、頑張っても制限された視覚のみでイクところまでイク。事実上AVを見てオナるのと何ら変わらないように思うが、やはりセックスとは究極のコミュニケーションなのだ。手でコスっていたとしても、リアクションのあるなしで幸福度が段違いである。したがって、成功するためにはそれなりに声を張ってエロいことやエモいことを言い合う必要がある。天性の才能がなければ相応の努力が必要だ。その点、エロ漫画の音読はきわめて効果的である。

当て馬バンドマン目線

本作の導入は若干難しい。仕事の都合で引っ越してきた古河が、好きなバンドつながりでお隣の安達さんと仲良くなる。ここまでは良いのだが、安達さんが男のバンドマンを家に連れ込んだところから不穏な匂いが漂い始める。結果的にこの男はゲイであり恋バナの相手として呼んだというオチなのだが、結局どこまでが策略だったのかハッキリしない。何より可愛い、そして可哀想なのはこの名もなきゲイ友である。彼の性志向が男だったとしても、女と恋バナがしたいとは限らない。そして彼がカミングアウトしているかどうかも分からないので、女と連れ歩いてること自体が彼から見てマイナスに働く可能性もある。はたまた面識もない古河にアウティングされたのはたまったものではない。もっとある。安達さんが若干彼をアテ馬に使ったのも宜しくないが、そもそもゲイ設定がヒナに近づくための狂言だとしたらBSS案件である。またゲイが本当だとして、古河くんに一目ぼれした可能性もゼロではない。こちらはBSSとは言えないが泥沼である。

本作は上記の通り画期的かつ考えさせられるポイントが多いのだが、結果エロシーンは少々ボリュームが少ない。しかし当て馬の彼に感情移入してみるとまた違った目線が感じられる作品である。ラスト、「やっぱ忘れなくていいスから…」とわざわざ安達に言わせるからには、我々も次の展開を期待して待とうではないか。

あらすじ

仕事の都合で田舎に転勤してきた古河は隣の102号室の住人、安達柊奈と好きなバンド「しろくろブルース」の事で仲良くなる。ある日の仕事帰り、玄関で安達に声をかけられた古河は、安達が男のバンドマンを連れて家に入るところを見てしまう。安達の所属するバンドのメンバーらしい。壁一枚の向こう側でその二人のセックスを想像して悶々とする古河。酒をかっくらって寝落ちした古河に、一人ホラー映画を見る羽目になった安達から電話が入る。話し相手に応じようとする古河に、安達は「エロい話しない…?」と誘いを向ける。

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