新成人の初夢 [雲呑めお] アトリエ (快楽天 2024.02)

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copyright 2023 ワニマガジン 雲呑めお

タイトル アトリエ
作者 雲呑めお
掲載誌 快楽天 2024.02
ページ数 24
ヒロイン 春田
竿役 大牧陽
発射数 2
公式タグ JD / 処女 / 同級生・同僚 / 恋愛 / 陰毛
修正 白抜き修正
引き続いて快楽天から、雲呑めお先生の作品をご紹介する。雲呑めお先生といえば「ヘビマガジン」シリーズこと「魅悪ちる先生」「瀬名さん」の連作で人気を博している。ちる先生の使った「好(ハオ)」というパワーワードは本作コメント欄でも普通に使われておりkomiflo流行語大賞といっても過言ではない。ヘビマガジンシリーズが完結したかは分からないが、本作は肉食ビッチ路線から離れた、甘酸っぱささえ感じる純愛だ。
 

18歳未満の方は回れ右

成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたのをご存じの方は多いと思う。施行されたのは2022年4月とまだ2年も経っていないのは少し驚きだ。2023年の成人式は過渡的に20歳、19歳、18歳の3世代が対象となったが、まだコロナの影響があったため、18歳の成人式は今年が初めてといえる。法的にねじれていると個人的には思うが、飲酒及び喫煙は20歳以上と据え置かれたため成人式の後に公然と酒席というのは今後見られないという事になる。逆にエロコンテンツの閲覧は「成人向け」という表現と裏腹に、民法改正前から18歳がボーダーだったので、本作(および当ブログ)をご覧の方は昨年からすべて文句なく成人と相成ったわけだ。本作の舞台は美術大学で、1回生には見えないので20歳前後だと思われる。場面転換が少なくストーリー的には地味なのだが、新成人への夢が凝縮された一作であると言ってよい。
 

学生部屋での一幕

少なくとも理系学部では、専門課程に進んだ学部生に1部屋を与えるのはよくあることだと思う。個別のデスクが与えられるかは定員次第なのだろうが、実験などモノを扱う分野ではどうしても作業スペースは必要だ。芸術系も同様なのだろう。専攻ごと縦割りの場合と、学年ごと横割りの場合があり本作は同期同士で1部屋となっている。高校までと違いクラスルームの存在感が薄い大学では、このようなフラットに話せる場が貴重であり、連日のように夜遅くまで居残るヌシのような存在が生まれるものだ。一方で高校までと違い担任や生徒指導なども大学では希薄な存在であり、バイトで経済力のある学生も多いため学生部屋はある種の治外法権感が漂う。さすがに大学の一室をヤリ部屋にするのはエロ漫画ならではだとは思うが、本作竿役の大牧くんは同期の使用済みコンドームと夜を明かす不憫な青年であった。連日連夜にわたり美術制作(絵コンテ?)の課題に打ち込む大牧くんは、ヤリ部屋としてアトリエを使っているバカップルを良く思っていないながら、彼らのエッチタイムにはわざわざ部屋を空けてやる優しさがある。そして散らかった大人の玩具類を健気にも片付けているちょうど最中を、ヒロインの春田さんに目撃されてしまう。扉絵のシーンである。雲呑めお先生ガールズは総じて髪の描写が繊細で綺麗なのだが、春田さんも神々しいほどの黒髪ロングを遊ばせている。アクセサリなど飾り気は薄めで、ポンポンのついたニット帽が可愛い。
 

「…もう人のこと言えないね?」

春田と大牧、この二人が普段どんな関係性なのかは本作からは見えてこない。ただ少なくともこの夜は、春田さんから積極的な発言が続く。結果から言うと、二人は好き同士である。春田さんに惚れるのは大牧だけでなく、全読者が納得するところだろう。私も一目惚れである。対して春田さんがいつ大牧に惚れたのかを他ならぬ大牧が大胆にも直接聞くのだが、「去年のグループ課題らへん」で「初めてアトリエ泊まったとき布団掛けてくれたから」という可愛いエピソードが飛び出す。そんな可愛い春田さんがグイグイ来たきっかけが、「エッチなグッズを持った大牧」だった。そこにエロさを感じたわけではなく、女の影を感じてモヤっときたというまた可愛いジェラシーである。15ページ、ノリでここまで来てしまったがいよいよゴムの話が出たところで、春田さんから未経験の申し出が飛び出す。大牧サイドは意外にも経験がありそうで春田を気遣ってみるが、春田さん側が「今やめるなんて無理だしね…」とすっかり火がついている。このあとアトリエでのセックスに苦言を呈していた事に対して「…もう人のこと言えないね?」というセリフがある。男女問わず初体験には思い入れがあり、往々にして思った通りには進まないものだ。それでも引き返せないタイミングはあるし、潔癖なだけではくぐれない通過点がある。そうして人は成長し大人になるのだ。これを雲吞めお先生の言葉を借りての新成人へのはなむけとしたい。

あらすじ

とある美術大学の学生部屋の一室。大牧が今夜も課題を仕上げるべく泊まり込んでいる。彼の悩みは学生部屋でセックスに勤しむ不逞なカップルの残置物の片付けだった。同級生の春田がそこに声を掛ける。何となく気まずい雰囲気が、二人の距離を近づける。

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