本(崎・川)田のドリーム [楝蛙] 背中越しのモノローグ (快楽天 2025.10)

この記事は約6分で読めます。
72695c42b289b1f2f248147e24cd5caeff4e1a85.jpg

copyright 2025 ワニマガジン 楝蛙

タイトル背中越しのモノローグ
作者楝蛙
掲載誌快楽天 2025.10
ページ数24
ヒロイン本崎芹香
竿役川田
発射数1
公式タグ中出し / 恋愛 / 陰毛
修正白抜き修正

本日は引き続き快楽天の大看板、楝蛙先生の作品をご紹介したい。

大菩薩ライン

本作の舞台は鰐山駅から始まるバイクツーリングだ。いかにも男好きのするエロ漫画らしいシチュエーションなのだが、画面から伝わる迫力がエロ漫画のそれを遥かに超えている。KAERUとロゴのあるヒロイン本崎さんのバイクはホンダ車だと思うがそれ以上は詳しくないので控える。関東でのツーリングルートとしては山梨、群馬、房総あたりが思い浮かぶ。このあたりの駅舎を片っ端から確認したが「鰐山駅」の特徴的な駅舎と一致するものが探せなかった。中央本線「塩山えんざん駅」(山梨県甲州市)が少しそれっぽく、駅近くを通る大菩薩ラインへツーリングという形が私の思いついたモデルルートだ。甲州市は蕎麦を麺にして食べる「そば切り」発祥の地とされており、そばの名店も存在する。

本(崎・川)田のドリーム

本作ヒロインが本崎もとざき芹香さん、竿役が川田くん。国産バイク四大メーカー、本田と川崎が入れ子になっている(残りはヤマハとスズキ)。なおセリカはトヨタの四輪車である。二人は鰐北高校の卒業生で今でもラインで繋がっていた。川田くんが久々に地元に帰ってきたものの遊んでくれる人がおらず、二人でもいいからと手を上げたのが本崎さんだった。後に明かされるが、本崎さんは川田君を高校時代に振っていた過去がある。そんな彼女からのご提案にそわそわする川田。本崎さんはそこに艶やかな黒髪をなびかせ、颯爽とバイクでやって来たのだった。「中免取った」「仕事やめて求職中」と矢継ぎ早に近況を報告したかと思うと、メットを渡してタンデムを促した。

タンデム

バイクの2人乗り(タンデム)にはいくつか条件がある。バイクは排気量によって原付(50cc以下)、小型(51ccから250cc)、中型(251ccから400cc)、大型(400cc超)と区分される。このうち原付はニケツ不可である。それ以上のバイクで、乗車定員が2名になっていればタンデム可である。四輪車のようなシートベルトは付けられないため、タンデムシート(座るとこ)、タンデムステップ(足をかけるとこ)、タンデムバー(持つとこ)またはタンデムベルト、そしてもちろん排気量に見合ったヘルメットも必要だ。シートおよびバーは本作描写でも確認できる。シートの後ろに出っ張ってる背もたれのようなパイプ部分を握れるようにしてある。最も重要なのは運転免許で、二輪の運転免許は16歳から取得可能だが、20歳まではタンデム不可である。さらに20歳を過ぎていたとしても、二輪免許交付日から1年経過するまではタンデムしてはいけないのだ。さらに高速道路でのタンデム走行は免許取得から3年経過が必要となる。ややこしい。ちなみに後ろに乗る側は特に規定がなく、免許不要でなんなら子供でも法的には問題ない。

引用: HondaGo bike lab

そこに尻があるから

二人きりの展望台。地元にいる本崎から友達の近況を聞く。みんな身を固めていた。しかし本崎自身は「彼氏もナシ! 仕事もナシ! 完全フリー!!」と独り声を上げた。バイクなど彼氏の趣味と思い込んでいた川田には意外だった。対して本崎は以前見なかったピアスに女の影響を感じ、最近になってフラれたところまで看破した。本崎の察しの良さは高校時代と変わっていなかった。だからこそ、二人きりと分かっていてツーリングデートに、自分の後ろに男を座らせることに川田は「期待」を感じていた。一方でそんなところまで察しているであろう本崎に、高校の時のように軽くいなされる未来も見えていた。

そば処「かいらく亭」で腹を満たした二人。勇気を出して川田が踏み寄る。「バイクで女子の後ろに乗ったら試したいことがあってさ」「だーめ♡」パイタッチを未然に封じる本崎。川田は意を決して胸では無く腰、いや尻に手を回す。一瞬の無言。「…あのさ もっとゆっくり話さない?」本崎が応じた。

残り30cmの距離の詰め方

ニケツの主導権は当然ライダー側にある。察しの良過ぎる本崎さんは川田の、そして読者諸氏のご期待に応えてHOTEL「ピストン」に突っ込んだ。「蛙の巣穴」よりはラブホテルらしいエネルギッシュな名前で好きだ。

私は繰り返し、楝蛙先生作品の魅力は「残り30cmの距離の詰め方」だと述べている。本作はまさにその部分が赤裸々に描かれている。もともとバイクのタンデムはほぼゼロ距離に近い。11ページ、このホテルはやたらベッドがデカいのだが、1.5mほど、ここまでで一番二人の距離が離れる。改めて距離を取った川田が一度はフラれた女に真意を確認しようとする。本崎はため息交じりに、「受験を控えた川田が私と付き合えば確実に成績を落として路頭に迷った」だろうから熟考してフッたと明かした(理由部分は事後に明かされる)。つまり「付き合いたくないからフッたわけではない」という答えだ。12ページ、距離が詰まる。「今回もぜんぶは言わなくていい感じっすか」遠回しに、お互い退路を残した形で河田が迫る。「……うーん 今回は言ってもらおうかな」本崎の答えは事実上のOKサインだ。しかしその上で、川田から直に言い寄って欲しいと照れながら告げた。照れる二人。13ページ、ここが30cmだ。「ほかの子と付き合ったりしたけど本気にはなれなくて たまにみんなで会うのもすげえ楽しくて そのたびに結婚とかしてないか不安で…」なるほどいらんことの多い察しの悪そうな告白だ。でもだからこそ嘘偽りが無い「恋のむきだし」に、本崎はキスで応じた。「川田のしたいこと」を当ててやろうと上から迫る本崎に、繰り返すキス、そして即クンニで応戦する。そして挿入。ベッドの上では察しが良い川田に本崎はメロメロにされる。23ページ、寝バックから本崎が言った「イイ感じに掴む場所が…的なやつ」の形でクライマックスを迎える。

フルスロットルエロ漫画

そして事後、入浴時に髪をアップにした本崎さんも美しい。ラブホらしい広い浴槽でもまた、タンデムの形に本崎が川田の股に尻を押しつける。「もし…俺と…」またしても遠回しにプロポーズめいたことを言おうとする川田を流し目で制して、「まずは東京で就職しよっかな!」と望んだ答えを先に本崎は呟いた。本作タイトル「背中越しのモノローグ(独り言)」できれいにオチる。本作はとにかくヒロイン本崎芹香さんが美しい。スレンダーなパンツルックというエロ漫画的には難しい造形がバイクライダーという設定に綺麗にハマる。そして冒頭触れたとおりツーリングの描写だけで本作は十分に成り立っている。そこにトッピングされるJK制服と純朴な竿役。気がつけばエロ漫画としての導入も完璧。そこからの本番も物足りないくらいだが、ヒロインのスレンダーな優美さ、そして川田に身を任せるギャップが最大効率で描かれてゆく。全く隙のない、単発で終わらせるには勿体ないくらいの完成度である。カメラ、映画、銭湯そしてクルマと、楝蛙先生の繰り出す男好みするギミックの中でも本作のバイクは圧巻だ。これからも期待が止まらない。

楝蛙先生の作品はこちら!!

コメント

タイトルとURLをコピーしました