熟れたてフレッシュ ピュアピーチ [木瀬樹] Cross-stitch (BEAST 2023.11)

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copyright 2023 ワニマガジン 木瀬樹

タイトル Cross-stitch
作者 木瀬樹
掲載誌 BEAST 2023.11
ページ数 24
ヒロイン/td>
竿役 山吹隼人
エロページ位置(割合) 12 – 23 (50.%)
発射数 1
公式タグ おさげ / パイパン / OL / 先輩・上司 / カップル・夫婦 / 恋愛 / ミニ系・小柄 / 貧乳・微乳
修正 白抜き修正
 
本日は引き続きBEASTから、木瀬樹先生の渾身の一作をご紹介する。本作は現時点でいいね数がBEAST今月号トップであり、先生ご自身もSNSで手ごたえを感じておられる。
 

新婚さんは難しい

エロ漫画やAVにおいて、夫婦での睦みごとのみを描いた作品は少ない。同意前提のイチャラブ全盛とはいえ何らかのスパイスは欲しい。夫婦というのは唯一合法にセックスが推奨される関係であり、フィクションとして盛り上がりに欠ける点は否めない。そういう意味で夫婦間のセックスを真っ直ぐ描くのは作家様の技量が問われる難しい題材だと私は考える。そして本作は夫婦の肉体関係に向き合うために、婚前交渉をまるっと省略している。エロくない意味での男女の恋の駆け引きすら勢いで押し切ったという体裁をとっている。いわゆる「味見」無しで契約してしまったわけだから、夫婦の描写でも若干の緊張関係が見て取れる。

最高速オフィスラブ

ヒロインの桃さんは山吹隼人君の上役で仕事ができるらしいのだが、家事はからきしであった。結婚に憧れは持つものの遠い存在に見えている。そこに隙を見出した隼人は煽りにかかる。「結婚できるの?」「やったらあ!」「俺と?」「ん?」「やっぱできないの?」という7手詰くらいの感覚で外堀が埋まる。冒頭アオリの「最高速オフィスラブ」は伊達ではない。4ページの社内バレの次のページでもう指輪交換という速さで巻くことで、初心な新婚さんが促成栽培できたわけだ。初夜については言及がなく、本作の時間軸で未経験というわけではないのだが、少なくとも倦怠期までまだたどり着けていない食べ頃夫婦である。
 

熟れたてフレッシュ ピュアピーチ

本作は桃さんの成熟がテーマといえる。桃さんは冒頭から人付き合いに関して不器用さを醸し出している。仕事ができるのだからTPOは弁えているはずなのだが、とかく恋愛経験に対して引き気味であった。隼人君側の前段階の心情はよくわからないのだが、とにかく異常なまでに押してくる。桃が好きすぎるからなのか、桃がチョロすぎるからなのか、とにかくコレがハマった。そして隼人は策士女子ばりに外堀を埋めるのが上手かった。本当になぜ隼人がそこまで段階をすっ飛ばして「結婚」にこだわったのか若干理解しかねるが、恋愛だの同棲だので上手くいくカップルもあれば冷めていくのもある。桃さんの引き思考と「家事性能の低さ」から察するに、隼人の押し方は正しかった。新婚当初から桃さんは多数のやらかしを抱えており、もし二人が同棲していたら桃さんが勝手に諦め勝手に出て行っていたことだろう。「結婚」という形で退路を断った桃さんは、至らない自分について隼人に相談を持ち掛ける。隼人の回答は「結婚しているのに釣り合う釣り合わないなんて考える必要あるわけ?」と、若干的外れ(釣り合っていないと暗に認めてしまう)な形だった。9ページのくだりを見る限り、実は隼人君もあまり口が上手ではないのだ。だからこその無骨で愚直な押し方だったのかもしれない。桃はHの最中も隼人を高め男子扱いするのだが、客観的なイケメン描写も、仕事や家事ができる描写も特になく、何なら桃さんの方が年収高かった可能性まである。高身長であること以外は優良物件感は特にないのだ。だが二人とも相手に多くを求めず、相手を尊重し気遣いできる強さと善良さがある。「賢者の贈り物」のような美しさがそこにあるのだ。尊い
 

生活を、言葉を、身体を重ね続けてゆく

「尊い」で終わってもよいのだが、桃ちゃんの可愛さについてもう少し語りたい。冒頭のコピー機でのシーン、エロ漫画ヒロインとして珍しいほど髪が長い。腰までどころか膝まである。チャームポイントのアホ毛も含めて表情豊かなのだが、結婚後も切らずに括っている。動作を伴うエロシーンで長い髪は意外と邪魔(作画的にも実際にも)だと思うのだが、ウェディング以外はアップにせず乱れ髪のまま突入するのがまあえっちい。エッチシーンは基本二人の顔が近く、性器は舐めないが耳とか首を舐めている。体格差(183cmと143cm)がかなりあるので、隼人が桃を膝に乗せてのプレイが一番よくできている。実際にはこれだけ身長が違うと組み方が制限され色々創意工夫がいりそうだ。ともするとロリっぽくなりそうなものだが、不思議と新妻の色香のようなものも感じる。甘々なのだが実用面でも申し分ないのが人気の秘訣といえる。唯一不満足なのは、折角の新婚ものなのにゴム付きなことだ。婚外交渉は原則ゴムありで致すべきなので問題ないが、夫婦間でゴムをつけるのには何らか理由をつけてほしい。バースコントロールなのだと思うが、そこに作中言及があると二人の関係にコクがでると思った。まあ既に要素詰め込みまくりなので蛇足なのかもしれない。
本作タイトルCross stitchは日本語では「クロスステッチ」と読むことが多い。端的に言うと刺繍である。刺繍にもいろいろテクニックがある中で、糸をペケポンに繋げてゆく最も基本的な縫い方だ。桃と隼人、お互いが縦横ではなく斜めに一つずつ生活を、言葉を、身体を重ね続けてゆくという意味と、「桃ちゃん基本的なお裁縫くらいは出来るようになろうね」という先生からのメッセージと読み取った。

あらすじ

山吹隼人は上司の桃ちゃんに勢いで結婚を申し込み、二人は晴れて夫婦となった。慣れない主婦業に凹む桃を隼人が優しく受け止める。

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