copyright 2023 文苑堂 くっきおーれ
タイトル | かたおもい |
作者 | くっきおーれ |
掲載誌 | COMIC BAVEL 2023.05 |
ページ数 | 20 |
ヒロイン | めぐ |
竿役 | 大地 |
エロページ位置(割合) | 7 – 19 (65.%) |
発射数 | 1 |
公式タグ | 処女 / 学生 / 巨乳 / 恋愛 |
修正 | 白抜き修正 |
りょうかたおもい
まず背景を整理したい。ヒロインのめぐと竿役の大地(だい君)は従兄妹の関係らしい。作品冒頭でちょっかいをかけている黒髪の女性は「お姉さん」と名乗っている。しかし大地の返答が敬語なので、めぐの実姉つまり大地の従姉と考える。仮定でしかないのだが、めぐ側の家族は黒髪、大地側の家族はアミカケで描かれていると思われる。いずれにしても、めぐと大地は幼なじみで、幼少期は一緒にテレビゲームをするくらいの仲だったと描かれている。大学に1年遅れで入学するくだりから、常識的には大地はめぐの1歳上である。過去の描写はこの1枚だけしかなく、だい君の股の間にもたれているめぐちゃんの胸もうっすら描かれているので言うて高学年くらいまではこれくらいの距離感だったようだ。その後、めぐちゃんが思春期に入るところでだい君を異性として認識し、照れ隠しから距離を取るようになる。
物語全体を通して、めぐちゃんは心の声が漏れるほどにはセリフが少ない。惚れた弱みとでも言おうか。対して大地は物怖じしていると言いながらも言葉をつなげようとする。昨今のエロ漫画はとかく女性上位というか、軒並みボンクラな男が多い。「お姉さんが難関大学に合格したので、同じ大学に入ろうと頑張る男をお姉さんが色々教える」話はよく見かけるのだが、本作は構図が逆であり、竿役側が勉強もできて女の子への配慮もできるというのは新鮮にさえ思える。問い詰めるでもなく舞い上がるでもなく、「でもめぐちゃんと話せてうれしいよ」これが言える男である。これだけプレッシャーなく優しく接しているにも関わらず、いや、だからこそ、めぐちゃんは追い込まれる。
りょうおもい
難関大学に合格した、頭のいい優しい従兄に対して自分ができることなど何もない。これだけ好きだとしても今更告白して重荷になるのは嫌だ。悲しいかなめぐちゃんもまたバカではない。考えたいけど時間がない。思い詰めた結果、思春期の巨乳を差し出すのが最善という結論に至る。やっと紡ぎ出した言葉が「私とセックスシよ?」になる。そしてやっと自分の想いとためらいを言葉にする。女の裸は涙以上に最終兵器であり、男の理性への脅迫である。ここでも女側がリードしてくれるのをいいことにマグロをかます竿役のなんと多いことか。大地くんは言葉にしてくれためぐの思いをしっかり受け止めて、自分もめぐのことが好きであると逆告白する。少女漫画のような美しい、すれ違った両片思いの邂逅だ。もちろんここはエロ漫画なので、余韻なく挿入にうつる。破瓜の痛みについてひとくだり語った後、まためぐちゃんの心の声が続く。お互い好き同士である、セックスまでシているという現実を受け入れ、めぐちゃんの思考が前に向く。彼女の反省は何か?二人でいることを避けていたために楽しい時間を失っていたことと気づく。ではどうすれば良いのか?「頑張って勉強して絶対同じ大学に合格するから」待っていてほしい。気丈である。初体験の途中でここまでの展望を述べるのもなかなか出来たヒロインである。この後、正常位に戻して中出し懇願する。これはいただけない。ここでめぐちゃんが妊娠したら折角合格した大地くんのキャリアも再考を迫られる。「高め合う二人」という至高の美しさが、エロ漫画ヒロインとしての情念に屈してしまった。ただ、次のシーンでもう二人は同じ大学に通えているので結果オーライなのであろう。今後とも大学卒業までは避妊に気をつけてセックスライフを楽しんで頂きたい。
もうひとつのかたおもい
本作を紹介するに至った経緯はもうひとつある。作者であるくっきおーれ先生の本作に関するツイートである。
バベルさんに載せてもらってるあれ
瓦も電柱も手書きだしなんなら桜素材から作ったから見てっていったら
エロ本読みにきて瓦の作画をわざわざ見に行くやつがいると思うなと言われてしょぼんとなってる— くっきおーれ (@hanairospoon) March 27, 2023
片思いではない。想い人としてしっかりレビューさせていただきたい。本作は古風な田舎の一軒家でのホームパーティーが舞台である。4ページ、めぐちゃんが連れ出して二人きりになった部屋の瓦屋根は確かに(必要性はともかく)印象的に映る。なぜ夜中に明るく映っているのかは分からないが作者の思い入れを感じよう。瓦を美しく見せるためか、庭木の枝葉の影も丁寧に書き込まれている。こちらは二人の密室感に貢献している。ただ5ページの庭木を引きで見ると枯れ枝になっているのが少々残念である。6ページ、この部屋は畳敷き(6畳間?)から板敷きの廊下?と仕切りなく繋がっている。和室の間取りに詳しくないが居室として使いにくいような気はする。8ページ、これが手書きの電柱だろう。6ページのカットと同様に読者には完全に背景白抜きで見えていると思われる。初見でここで電柱に目が行くのは流石にチンコついているのか疑う。しかし改めて鑑賞すると、遠景に伸びる高圧線と手前の引込線のバランスにこだわりを感じる。さらに遠景の山際と朧月夜も美しい。9ページ、勢いで脱いだめぐちゃんのパンツが月夜に映える。6ページにもあるが、このパンツは読者に対して斜め45度の角度を意識しているようだ。なおこのあと推定Gカップブラと合わせてパンツは蒸発した。
あらすじ
大地の難関大学合格を祝して家族パーティーが開かれていた。幼なじみで従妹のめぐは大地のことがずっと好きだったが、片思いだと思って言い出せずにいた。意識するようになってから会話するのも避けていたが、大地が明日寮に引っ越す前に告白する決意を固める。二人きりの時間は作れたがうまく言い出せないめぐは、言葉の代わりに服を脱いで大地に体を預ける。
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