男は愛嬌、女は度胸 [平間ひろかず] チョコっと勇気 (BEAST 2023.03)

四季のある日本の美しい文化として、私はエロ漫画にも季節感を求めたい。しかしエロに限らず、タイムパフォーマンスが求められる令和において、コンテンツを新鮮な時期に味わえる機会は薄れつつある。季節感を強く感じさせる作品は同時に季節外れとなるリスクを多分にはらんでおり、敬遠されつつあるように感じる。

バレンタインデー発売となったBEASTだが、バレンタインにちなむ話は本作しかない。そりゃあ敬虔なKomiflo民はともかく、エロ雑誌を発売日に買う律儀な紳士は少なかろう。発売翌日にもう時期外れとなるのも辛い。とはいえバレンタインは、修学旅行やクリスマスより直結的に男女の愛のイベントであり、世間の露出も下がる2月という時期に拾える唯一のエロネタといえる。平間先生に敬意を表したい。

本作は「一回り年齢差」と表現されており、実年齢はご想像にまかされている。亜美寿真先生の「ななまん」のように事案発生である可能性も否定できない。本作を読んでそのように感じる人は皆無だと思うが、同意なく興奮剤を食べさせてセックスに持ち込む行為は「準強制性交罪」に抵触する。かつては男性から女性に限定された犯罪だが、法改正により男女逆でも同性でも犯罪となる。実際「一回り年下の少女」にコレをヤッたら今日びエロ漫画でも炎上しかねない。本作のように同意があるならいいと思うのだが、少なくとも年齢は書かされるだろう。

加奈に10歳以上年下な駿平という彼氏ができた。駿平は童顔ながら大人の対応が出来る加奈に尊敬の念を抱いており、加奈もそれを感じていた。加奈は加奈でいい年で性経験が無いことにコンプレックスを感じていたが、自分を慕う彼のため一念発起する。バレンタインデーに興奮剤入のチョコを食べさせた加奈は、ホテルへ連れ込む事に成功する。

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