copyright 文苑堂 あおむし
タイトル | 古谷くんと小栗さん2 その2 |
作者 | あおむし |
掲載誌 | COMIC BAVEL 2023.04 |
ページ数 | 22 |
ヒロイン | 小栗さん |
竿役 | 古谷くん |
エロページ位置(割合) | 4 – 20 (77.3%) |
発射数 | 2 |
公式タグ | ショートカット / ギャグ・コメディ / 和服 / カップル・夫婦 / 淫乱 / 貧乳・微乳 / 野外・露出 |
修正 | 白抜き修正 |
前回の陰核論に続いて「古谷くんと小栗さん」シリーズを紹介する。前回クリトリスについて長々と触れたのは無論、小栗さんのイチモツのためである。
戦後日本において、性器を含むわいせつ物を頒布する場合は何らかの修正処理を入れるしきたりとなった。海外にはあまり例がなく、むしろ年齢制限などのゾーニングに焦点が当たる。つまりしかるべき場所で成人がポルノを買うのに何故見せられないのかという話である。逆に日本は「何を描くか」についてのゾーニングがおそらく世界一ゆるく、ロリだろうが近親だろうが同意なき性行為だろうが(何でもは言いすぎだか)まかり通る。ほんのすこし前までコンビニでドギツイ表紙のエロ雑誌が普通に店頭に隠されることなく並んで買えたのである。つまり性器を見せないという一点だけにこだわるのが日本のエロ業界と言える。そして何故かこの原則は二次エロにも適用された。三次元の人間から性器だけを取り除くのは不可能だが、二次絵の股ぐらに何を描くか、描かないかには裁量が発生する。必然的にR-18でない一般作品では例えば「おっぱいを描いても乳首を描かなければセーフ」なる摩訶不思議なレギュレーションが出来た。対してエロを目的とした作品では、性器部分に描いたナニカを「上から消す」という実に意味不明なルールを強要されている。
戦後日本において、性器を含むわいせつ物を頒布する場合は何らかの修正処理を入れるしきたりとなった。海外にはあまり例がなく、むしろ年齢制限などのゾーニングに焦点が当たる。つまりしかるべき場所で成人がポルノを買うのに何故見せられないのかという話である。逆に日本は「何を描くか」についてのゾーニングがおそらく世界一ゆるく、ロリだろうが近親だろうが同意なき性行為だろうが(何でもは言いすぎだか)まかり通る。ほんのすこし前までコンビニでドギツイ表紙のエロ雑誌が普通に店頭に隠されることなく並んで買えたのである。つまり性器を見せないという一点だけにこだわるのが日本のエロ業界と言える。そして何故かこの原則は二次エロにも適用された。三次元の人間から性器だけを取り除くのは不可能だが、二次絵の股ぐらに何を描くか、描かないかには裁量が発生する。必然的にR-18でない一般作品では例えば「おっぱいを描いても乳首を描かなければセーフ」なる摩訶不思議なレギュレーションが出来た。対してエロを目的とした作品では、性器部分に描いたナニカを「上から消す」という実に意味不明なルールを強要されている。
従来は見せてはいけない部分を黒塗りするという方式が取られていた。三次エロも同様だが、性器の部分に沿って修正を入れるのは手間なため、性器を含む部分を四角に切って修正を載せる方式が一般的であった。ただ動きのあるAVと違って、結合部分を大きく黒く塗ってしまうと何が起きているか分からない。そこで修正を可能な限り小さくし、パーツごとに見せてはいけない部分だけを修正するという、刻み海苔を散らしたようないわゆる「黒海苔修正」がスタンダードとなった。前述の通りこのルール決めは単に規制当局とのチキンレースで出来たものであり、二次エロにそもそもどのような規制が必要かの議論はなされていないと考える。結果、姫騎士を襲う触手の「カリ」らしき部分それぞれに修正を入れるという理解不能な作品ができあがったりする(それが性器でなかったとしても!)。チキンレースの結果として修正部分は徐々に小さく細かくなり、おそらく担当編集の作業がキツくなる一方で、規制当局も見せしめを含めた指導に労力を割くこととなる。
さらに分からないのだが、エロ漫画というおよそ日本にしか存在しない文化に対して、海外から性表現の過激さに対する批判がなされる。上記の通り完全に的外れなのだが、日本の規制当局はそれを「性器の露出規制」と規定し、部分的に見えている性器表現全体を禁止する方向に舵を切られた。もちろん背景にはエロ漫画の高精細化と構図の過激化というのはあるのだろうし、取り締まりが困難な同人業界に対するライン引きという意味合いもあると思われる。同時に一般アニメCGの方も過激化と競争が進んだため、修正が不可避なところに来ていた。いわゆる「謎の光」修正である。レギュレーションを媒体ごとに変えたい(地上波とブルーレイ、ゲームのプラットフォームなど)ときに、黒海苔のサイズをいじると露骨に見えるが、湯気や光などで「白く飛ばす」濃淡を変えると違和感が少ないためだと思われる。この「白く飛ばす」という方式がここ数年商業エロ漫画界隈に急速に普及している。単行本では黒海苔だが、雑誌掲載時には性器全体を白く塗ってしまうという修正方式である。漫画は元々白黒2値の表現であり、肌色は一般に白で処理するため、陰毛を残した性器全体を白く塗るのはさほど違和感がない。規制は水物なのだろうが、一旦はこの表現で安定しそうではある。ちなみに女性器の本体は内臓なのだが、いわゆる「断面図」描写は何故か昔から規制の対象外らしい。
やっと本題に入れる。性器を白塗りする場合、男性器は外形を縁取りする。女性器は基本的に露出していないため、つるっとした股を描くだけで事足りる。この唯一の例外がクリトリスである。女性期の中で唯一外側に主張している器官であり、男から触るにしろ舐めるにしろ最も重要となるパーツだ。しかし白塗りしてしまうと完全に埋もれてしまう。クンニなど女性側を責める描写が白塗り時代になってから簡素化されているように感じている。その対極にあるのが本作である。黒海苔の場合は、チンコとクリトリスの消し方は違うため何が起きているのかは概ね分かる。小栗さんのイチモツが完全に白塗りされてしまうと、初見では一体全体何が起きているのかさえ分からない。ただでさえ古谷くんほどでない一般男性はクリトリスの扱いに四苦八苦するのに、いきなり掴んで握れるサイズのブツを見たらどうするのが正解か分からない。いわんや令和では「男の娘」も「ふたなり」もあるのだ。元々このシリーズの第一部は黒海苔修正で描かれており、先端の描写などなんとなく「肥大化したクリトリス」風味を残していた(実際に見たはずもないのだが)。小栗さんほどではないにせよ、クリトリスが大きい事が主軸のストーリーは他にもあったのだが、「描けない」となると今後は扱いが難しくなるだろう。同様に、チンコのディティールの描写(血管など)も映らないため、「デカチン」以外の描写はかなり制限を受けるだろう。もちろん本作のようにセリフだけで伝えてもいいのだと思うが、ピアスなど突飛な描写は商業エロから消えていくのだろう。
もちろんエロ漫画の規制はこれで終わりではない。何度も言うように本質的に意味がないのだから、鶴の一声で突然無修正の時代が訪れるかもしれない。逆に商業エロマンガ自体が退潮気味で時代遅れという現実もある。希望は海外展開なのだが、グローバルになればなるほど表現の幅は狭くこそなれ広くはならないと思われる。方向性がどうあれ、微力でも支えていきたいというのが私の強い願いである。
あらすじ(連載参照)
小栗さんは脇坂ちゃんと一緒に初詣の巫女さんのバイトをする。巫女衣装を見せつけようと古谷くんを大晦日の神社に呼びだし、暗がりにしけこむ。巫女服の脇から生乳を触らせるトロ顔の小栗さん。古谷くんも負けじと袴の脇から股ぐらに手を伸ばす。
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