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当たり前ながらKomifloは漫画読み放題とはいえ、いつまでも読ませてくれるわけがない。掲載1年を基準にライブラリから消えていく。当ブログを始めるに当たり、ギリギリ崖っぷちなのが2022年3月号で、そのカバーガール作品だったのが本作品である。
表紙では揚羽の髪飾りをつけた妖艶な女性として描かれている(表紙では見切れているが下半身丸出しである)。本作では一転してイライラした姉のような人懐っこい表情をしており、実際作中でもかなり感情を出すキャラである。作中のラインでは「O.Maiko」となっているが名字は判然としない。竿役であるヤスの回想として幼少期・中学卒業時の舞衣子も描かれているあたり、キャラクターの多彩な面を作り込むHAMAO先生らしさを感じる。舞衣子の元カレや浮気相手は特に登場しないため彼女の趣味嗜好は垣間見えないのだが、ヤスのことは少なくともストライクゾーンには入っているらしい。本作に限らず「セックスへのお誘いだけは竿役に言わせる」という型がエロ漫画にはあるが、本作はそこに結構な重点をおいており、実直なヤス君に心を重ねた読者も多いと思われる。
本作は行為後に3ページも割いており、彼氏と殴り合いの喧嘩をして破局した舞衣子と良い感じになるところでエンドとなる。若干重たささえある愛を暖め続けるヤスと、喜怒哀楽の感情と巨乳をむき出しでぶつけてくる舞衣子。どちらも甲乙つけがたい「かわいいひと」である。HAMAO先生らしい冬にピッタリの非常に心温まるストーリーではあるが、表紙の不敵な笑みを浮かべる舞衣子の目線は本当にヤスに向いているのか? かわいいだけではない舞衣子の魔性が確かにそこにはある。
あらすじ
ヤスは幼なじみの舞衣子のことを好きでいながら距離を詰められず中学を卒業してしまう。舞衣子はヤスを勉強のできる友人として高校進学後も関係を切らず、自分の恋愛相談をしつつ勉強を教えてもらっている。彼氏が浮気をしたことで不機嫌な舞衣子が、「自分もヤスと浮気しようか」と軽口を叩く。モーションに躊躇するヤスに対して、「やる気がない奴とはヤル気しないわ」と突き放す舞衣子。過去に後悔のあるヤスが勇気を出して今度こそ一線を越える。