copyright 2023 ワニマガジン 亜美寿真
タイトル | 種村くるみは今日も可愛い |
作者 | 亜美寿真 |
掲載誌 | 快楽天 2023.10 |
ページ数 | 24 |
ヒロイン | 種村くるみ |
竿役 | 翔吾 |
エロページ位置(割合) | 15 – 22 (33.3%) |
発射数 | 1 |
公式タグ | 中出し / 処女 / 学園 / 学生 / 後輩・部下 / 恋愛 / 童貞 / 貧乳・微乳 / 金髪・茶髪 |
修正 | 白抜き修正 |
続けて快楽天から亜美寿真先生の作品をご紹介する。本号のカバーガールはごさいじ先生「くちとどめ」の飛香さんなのだが、本作が巻頭作品となっている。余談だが「くちとどめ」の竿役も彰吾で若干名前被りしている。
誰もが亜美すずまに夢中だ
「誰もが種村くるみに夢中だ」この一言が全てを物語っている。この扉だけ見たら新連載ラブコメか別冊マーガレットか、よもや快楽天とは思われないかもしれない。一期一会のエロ漫画では美少女に分かりやすいアイコンを付けがちであり、黒髪ロングに大きめのヘアアクセに巨乳の谷間やヘソチラパンチラなどを添えてお出ししがちである。対してくるみさんは正直に言って分かりやすいチャームポイントが無い。ちんちくりんで貧乳と来ている。着ているものも露出高めだが夏なら普通の部類だ。なのに、竿役が恐れるほどに、どこを取っても可愛い。何が可愛いかを突き詰めると、セリフ回しと所作なのだが、これも不自然さは全く無い。すべて亜美寿真先生の画力の賜物といって差し支えないだろう。一挙手一投足、指の先髪の毛一本に至るまで亜美寿真先生の魂がこもっている。
くすしきちからに たまもまよう
「あいつはヤバイ奴だろ」竿役の翔吾先輩の恐れが私にはわかる。読者諸賢にもあるだろう。自らを魅了してやまないものに意識を奪われる恐怖心、見るものを盲目にし聞くものを死へと誘うローレライのささやきである。自らを籠絡するものは必ず自分を利用しようとしている、淋しい考え方ではあるが世の習いでもある。従って翔吾先輩が分かりたいのは「故意なのかどうか」そして「何が目的か」の2点である。このへんはみちきんぐ先生の名作「アザトメイキング」シリーズを読んでいただきたい。天然なのか計算なのか、そして見返りは何なのか、いろいろなパターンを安全圏から愉しむことが出来る。
アザトメイキング+【デジタル特装版】
1,540円
事件
ある日、翔吾先輩は男バス部室でくるみの着替えシーンを偶然目撃してしまう。大変なものを見てしまったと顔を背けるも下着姿が目に焼き付いて離れない先輩。それに対してくるみは驚きも悪びれもせず「毎日早く来てここで着替えます」「だってだってマネージャーとして?部員のモチベを上げるのも?役割だし」と言い張ってきた。これで翔吾の疑問は晴れた。これらはすべて「故意」であり、やはり思惑あってのことなのだと。「でも毎日早く来る気にはなるでしょ?」こちらの反応をうかがう小悪魔の色仕掛けに屈しまいと抗う翔吾。しかし後日事態は急変する。翔吾が部室へ行くと何やら不穏な空気が。話を聞くと、くるみが男バス部室で着替えている最中に別の2年の部員が鉢合わせして、くるみが泣いて出ていったらしいのだ。部員のモチベを上げるために着替え姿を見せるというのは嘘だった、翔吾の心に迷いが生じる。
くるみ様は告らせたい!
亜美寿真先生の作品の真骨頂は「男女の主導権の魅せ方」だと思っている。特に女子側の、恥ずかしいことは相手に委ねたい気持ちと、リードしてでも想いを果たしたい気持ちの揺れ動きが赤裸々に描かれている。8ページ、部室の中にいるのが翔吾先輩一人だと確認してからいつものアザトフェィスを振りかざす。自分を待っていてくれて嬉しい気持ちを抑えつつ、いつものように手玉に取ってうまいこと煙に巻こうとするくるみ。しかし翔吾はストレートに聞いた、俺になら下着を見せても良いということなのか? 上手く返せない、返してこないくるみに翔吾は畳み掛ける。「ガチなのか?」。
くるみの翔吾先輩への可愛さは「故意」ではなく「恋」だった。そして可愛さをアピールして翔吾先輩に赤面して欲しかったのだ。そのために下着まで見せた、見せたくない人にまで。「ガチだって暴いてどうするんですか 今度は誘われてくれるんですか」質問に質問で返した。自分で抱えきれなくなった求愛の答えを、主導権を翔吾先輩に明け渡した瞬間だ。真っ赤な顔でじっと見つめるくるみを抱き寄せてキスをする。あざとく誘ったが交わされ、全てを翔吾に委ねることで得られた幸せを噛みしめるくるみの満足げな微笑みが心を打つ。それでも全てを委ねるのは怖い。ブラを自分で外し、必死に強がるくるみ。愛撫の中でお互いに、惚れた相手に籠絡されることが怖かった、そのために強がる自分を見せていた事を吐露する。翔吾はそこに愛おしさを感じる。満点の自分を見せたいくるみと、等身大のくるみを見たい翔吾。その結果が17ページのはにかんだ笑顔となった。
主導権の行方
事後。閉まった校門を乗り越える二人。「答え」を翔吾に委ねたくるみは不安だった。可愛くない自分は見てほしくないと願った。しかし翔吾は本当に、中の中まで可愛いことを知ってしまっていた。素直に可愛いくるみを可愛いと言えた。その一言でくるみは救われた。顔を真赤にしながらも、先輩をイジる主導権を握り返したところで本作は締まる。デレデレせず、事後に男女間でちょっと可愛いジャブを打ち合うのも亜美寿真先生作品の見どころだ。ヤラれっぱなしで終わらない。赤い糸で結ばれた後も、その赤い糸をちょっと引っ張ってみたいのだ。
そして退部届の行方
エロシーンも濃厚で最高の読後感と言わざるを得ない本作だが、結果的にくるみの着替えシーンを拝んだあげく泣かれた2年の名もなき男子部員は浮かばれない。くるみさんの策略を知らない本人にとっても周囲にとっても結構なトラウマだろう。退部して引きこもるくらいのポテンシャルがある事件だ。翔吾先輩が目に焼き付けたくらいのセミヌードが見れたなら生涯レベルで割に合うが、そうでなければ貰い事故甚だしい。翔吾先輩がうまいこと取りなしたと願いたい。
あらすじ
種村くるみは男子バスケット部のマネージャかつマスコット的存在として部員関係者全員の注目を集めていた。翔吾もその一人だったが、くるみの八方美人なあざと可愛さに負けまいと距離を取ろうとしていた。ある日部室に早く来た翔吾は、着替え中だったくるみに遭遇する。焦る翔吾を手玉に取るように「コレ見たさに早く来るようになればいいなと思って」と悪びれないくるみ。しかし後日「別の男子に着替え姿を見られた」として種村が泣いて帰ったという情報を聞いて翔吾の心はざわつく。
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COMIC快楽天 2023年10月号
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ななまん
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