copyright 2025 コアマガジン 転ノ
タイトル | 魔法の幕が上がるとき |
作者 | 転ノ |
掲載誌 | HOTMILK 2025.06 |
ページ数 | 28 |
ヒロイン | 国枝田マツリ |
竿役 | 野間 |
発射数 | 2 |
公式タグ | けもみみ / コスチューム / ショートカット / ファンタジー・SF / 中出し / 巨乳 / 手コキ / 淫乱 / 潮吹き |
修正 | モザイク修正 |
引き続きホットミルクから、転ノ先生の作品をご紹介したい。
決してお見逃しのなきよう!!
本作ヒロインは国枝田マツリさん。マジシャンを生業としている。各地を巡業しチケットは即日完売という超売れっ子である。マジシャンは一般に仕掛けから観客の目を逸らせるために、本人は地味な格好をするとともに派手目な美女アシスタントを用意することが一般的だ。マツリさんはこのセオリーに反して大規模なショーを魅せるにもかかわらずアシスタントを用意しておらず、本人がセクシーバニー姿という火力強めなマジシャンである。MCも自ら担当し、「紳士淑女の皆様!!」「本日も珠玉のマジックの数々 決してお見逃しのなきよう!!」と見かけに似合わず古風なご挨拶から始まる。本作竿役の野間はこのプラチナチケットをやっとこさ手に入れたただの一観客である。奇想天外なマジックを披露したのち、「これからの演目では皆様の中からお一人に上がっていただきマジックをお手伝いいただきます」と告げる。舞台が暗転、そして観客席の野間の膝の上に現れたマツリさんが彼を指名した。演目は「二人が入った箱に剣をブッ刺していく」というもの。アシスタントと演者が両方ハコに入るのは珍しい。6ページ、ここからエロ漫画に急展開してゆく。
El Bimbo
マジシャンは奇術師ないし手品師と呼ばれる。その歴史は紀元前にまで遡る。基本的には観客の視覚を誤認識させることで実際にありえないような光景を見せるショーと捉えられる。そのため本質的に視聴者参加型エンタメであり、形式を問わず大なり小なりで人々を魅了していた。19世紀にフランスのロベール・ウーダンがオカルト色を排し、ショー形式の近代奇術の基礎を築いた。日本では松旭斎天一が西洋式の日本での始祖として「奇術」という語を広めたとされる。下にリンクを貼っているのがマジックショーのBGMとしてあまりにも有名な「オリーブの首飾り」という曲だ。元曲はフランスの「El Bimbo」(赤ん坊)という1974年の曲で、当時の慣例で海外曲には適当な邦題がつけられたまま今に至る。歌詞にオリーブも首飾りも出てこない。
一方でマジックは「人を騙す」ものでもある。超自然的な現象を起こしたことで歴史に名を刻んだ偉人のうち何人かは奇術師と呼ぶべきなのかもしれない。日本では1974年に来日したユリ・ゲラーが「スプーン曲げ」などのマジックを披露した。これについて本人が「イカサマではなく超能力である」と主張したことで、一部の奇術師と軋轢を生んだとされる。「マジック」という用語はオカルトに起因するため、この用語を嫌い「イリュージョン(錯覚)」「イリュージョニスト」と自称することも多い。
種出せプレス
国枝田マツリさんはイリュージョニストではない。大鳥サザンカさんと同じタイプの「精液を魔力に変換する」本物の魔法使い、マジシャンなのだ。この世には吐いて捨てるほど精液がムダに生産されているのだが、彼女は何故かそれを買い求めることはせずショーの中で現地調達するという強めの癖がある。舞台控室でそれを告げられた野間くんは突如としてこのスリリングなショーの一員、正確には犠牲者となったのだ。本日トリを飾る大ネタは、「二人が入ったハコを両サイドからプレス機で押し潰す」という規格外な脱出モノである。「流石に危険なんじゃ」という観客の声が上がる。その通りである。まず一般にプレス機は横向きにしない。プレス機で一番怖いのはプレスする部分がズレることであり、挟んでいるモノが飛んで行った瞬間にプレス同士が高圧でぶつかってしまう。しかもこのプレス機は左右が独立しているように見える。強力なプレスが出来たとしてもこれでは筐体自体がガタガタ歪んでしまう。ハイパワーであればあるほど「ハコの中」より舞台と観客がタダでは済まないように見える。まあ魔法使いのすることなので何とも言えないが、ほんとにヤるなら国家資格(プレス機械作業主任者)が必要なことは申し添えよう。
仕掛けはないけどタネは出せ!
マツリさんはショーの段取りなど知った事かと、ハコに入って5秒で挿入である。野間くん視点で考えよう。まず大歓声に包まれて、後ろにエグめのプレス機が唸りを上げている中での勃起力が尋常ではない。アシスタントの女性が不慣れだとしてもセックスは成立するかもしれないが、竿役が勃たないことにはどうしようもない。そして男には男なりの準備段階が必要だ。19ページ、野間の上で先行するマツリさんと音を立てて軋む壁。前出の大島サザンカさんや、croriinガールズのように出した精液を有効活用するスキームはエロ漫画にいくつもある。命賭けというケースもたまにある。しかし「制限時間つき」というのは男としてツラい。気持ちよくても出ないものは出ないのだ。「ヤバいですマツリさん…!!」私でもそう言うに違いない。なにせ初対面である。リハーサルもしていない。マツリさん側に勝算があったとしても、どのタイミングで、どれくらい出せば充分なのか聞いていない。そもそもどこに出せば有効なのかも、もし土壇場でビーカーを取り出すなら先に言ってほしい。そして何より、このハコがあと何秒もつのかも分からないのだ。怖がる野間の唇を奪い、マツリさんは言う「プレス機でも隕石でも問題ないんです」「貴方さえいればわたくしは文字通り何でも出来る!」「わたくしのこと……信じてください♡」。気持ちはとても分かる。実際にザーメンマジックを見せられ、大舞台でここまで身体を張るマツリさんのことを疑う気持ちはもとより無い。微塵も信じられないのは我らが男の半身である。しかし21ページ、セイシの狭間で野間くんの下半身は奮起する。それを感じたマツリさんは「本気で中出しする気になってくれましたかっ♡」と返した。少なくとも「どこに出せば」の問題は解決した。「望み通り出してあげますッこの中にッ!!」。少なくとも恐怖の中でもチンコが機能するのなら、どうせ潰されるとしても美女の中に居たい。腹は決まった。24ページ、潰されるハコの中でようやく野間は成し遂げた。
マツリは終わらない
マジックだろうがイリュージョンだろうが、単に奇跡を起こすだけではショーの意味が無い。潰されたハコが光るとともに空からマツリさんと野間が降臨するところで幕切れとなる。我々はハコの中を覗き見ているので問題ないが、観客からするとハコの検分もしていないので単純に裏口から出ていたのなれば興ざめである。なので潰される最中にハコの中に二人が居ることを示す必要があるのだが、ご承知の通りソレはソレで生板ショーになってしまう。しかも一般に射精までの所要時間を考えると少々待ち時間が長い。「文字通り何でも出来る!」のであればもう少しハデな登場をしてもらいたかったものだ。
事後、野間はマツリさんの専属助手という名のザーメンタンクとして生きることにしたそうな。舞台衣装のバニーはなかなかよく似合っていると思うのだが、ラスページのグラサン私服タテセタも悪くない。私は本作にジャックバウアーばりのスリリングドラマとして感情移入したが、国枝田マツリさんのコケティッシュかつグラマラスなボディと常人の思考を超越したホンモノ感はヒロインとしてのポテンシャルが深いと感じた。Show must go on. また我々を素敵なマジックで楽しませてほしい。
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