copyright 2024 コアマガジン 雨宮ミズキ
タイトル | 泥●失禁同窓会 |
作者 | 雨宮ミズキ |
掲載誌 | HOTMILK 2024.07 |
ページ数 | 26 |
ヒロイン | 鮫島アリサ |
竿役 | 鈴川 |
発射数 | 1 |
公式タグ | パイパン / おもらし / OL / 同級生・同僚 / 巨乳 / 恋愛 / 温泉・お風呂 / 陰毛 |
修正 | モザイク修正 |
本日はHOTMILKから、雨宮ミズキ先生の作品をご紹介したい。本来であればデカ女ブームの先駆け?となった前作の「でっかわいいほのちゃん」(HOTMILK 2024.05)をご紹介すべきだったのだが、乗り遅れてしまい残念だった。こちらは本当にヒロインの大形ほのか(おがたほのか)さんがでっかくて可愛いに尽きる名作なのでお勧めしたい。本作は可愛いだけでは済まされないぞ。
伏せ字
当ブログでは原則として伏せ字は使わないと決めている。伝わる伏せ字はどうせ意味がないし、伝わらない伏せ字ほどイライラさせるものはないからだ。本作はなぜかタイトルに伏せ字が入っている。しかも謎なのが作中で描き文字になっているタイトルは別に伏せ字でも何でもないのだ。下に単話販売のリンクを貼っているのだが、サムネイルの中に「泥酔失禁同窓会」と書いてある。しかもフリガナまで振ってあるのだ。以前から度々愚痴っている通り当ブログはアダルトカテゴリであるにもかかわらず、「失禁」とか「おもらし」は良くても出しているモノの名前を書くのはNGである。そっちを伏せたのかと思いきや、酒酔いの方が伏せられているのだ。苦手な方もいらっしゃるかもしれないので先に書くと、泥酔と失禁の描写は冒頭2ページで終わり本作のメインではない。本作に限らず、レギュレーションの問題なのだと思うが、ヒロインが泥酔で意識混濁している状態での性行為は基本描かれない。ヒロインの泥酔がベッドに向かう理由になる作品は多いのだが、Hの最中は意識がハッキリしていないと法的にダメなのかもしれない。後述するが、本作の見どころポイントは「剃毛」である。伏せ字に付いても最後考察する。
触る前からグショ濡れ
本作の流れをさくっと触れる。竿役の鈴川とヒロインの鮫島アリサは高校の同級生で、同窓会で5年ぶりに再会を果たす。鈴川の鮫島に対する印象は「モサい」オタク友達であり、陰らしくゲームやらアニメやらの話をしていたらしい。同窓会で鮫島を探す鈴川に、隣の女が声をかける。彼女が垢抜けた鮫島アリサその人だった。話すと以前のオタ友だったのだが、メガネもそばかすも無くすっかり洗練されていた。そして左手薬指に光るものがあったのだ。造形としては潤んだ瞳と時折見せる八重歯が私は好きである。
当然鮫島は踏み込めなかったのだが、帰り道が一緒になりオタトークで盛り上がっているさなかに酔った鈴川が嘔吐する。これに対してヒロイン鮫島が「もらいゲロ」ではなく唐突に漏らす。理解が追い付かないまま二人は一旦ホテルに入り汚れた服を脱いだのだ。最大限深読みするなら、鈴川君はかつてのオタ友が知らぬ間に結婚したことに対して少なからずショックを受けていたのかもしれない。以前と変わらない距離感で接してくる鮫島との距離の取り方を測っているうちについつい飲み過ぎて、思考と胃袋がバーストしてしまったのだろう。先手鈴川はそうだとして、後手の鮫島は「単純に括約筋が緩かった」説と、「口実づくりのために思い切ってヤっちゃった」説が考えられる。後者の方がコクがあるのだが、ぶっちゃけ作劇上特にこの後フォローされるでもなく、ここまでインパクトのある入りをしなくてもよかったのではと思わなくはない。10ページ、ここまでわりと軽いノリだった鮫島さんが妖艶なランジェリー姿で現れるのだが、たまたまブラと揃いのパンツの替えを持っていたとは考えにくい。洗ったとしても「触る前からグショ濡れ」である。
陰毛&パイパン
冒頭でお伝えした通りインパクトのあるタイトルなのだが、「泥酔」も「失禁」も「同窓会」もエロシーンには一切関係が無い。その意味での本作のフェチな見どころは「剃毛」である。komifloには「陰毛」「パイパン」というタグがあり、鮫島さんがおっしゃる通りエロ漫画には陰毛が無いヒロインは多い。3次では陰毛は勝手に生えてくる(頑張って除毛する)のに対して、2次では描かなければパイパンなのだ。客観的に判別できる陰毛の有無に関してkomifloは熱心にタグ打ちしており、現時点でパイパンタグは1276作品、陰毛タグは716作品と大きく差が開いている。そしてkomifloタグはタグのクロス検索が可能になっており、本来二律背反であるはずの「パイパン」「陰毛」を両方持っている作品が本作含め36作品存在する。このうち有料作品(plus)以外の33作品を全て確認したところ、案の定ほとんどの作品はヒロインが混在しているだけだ。1ヒロインの「毛あり毛なし」が両方見られる作品は本作のほかに、南田U助先生「エッチな奥様は淫乱ボイス♡」(HOTMILK濃いめ Vol.44)と、屋根上リョウ先生「剃ってくれなきゃヤダ」(HOTMILK 2023.09)の2作品がある。ちなみに南田U助先生の作品は、竿役の野川くんが下品な隣人のオホ声から「ボーボーの下半身のオバサン」を想像していたのだが実際声の主のヒロイン宮田さんを脱がしてみるとパイパンだったというストーリーで、陰毛タグを載せたこと自体グレーである。対して屋根上リョウ先生「剃ってくれなきゃヤダ」は文字通りヒロインの由衣さんが修学旅行に向けて生えてるのがイヤなので友達の悠真くんに「剃ってくれるまで帰らん」というド直球の剃毛プレイである。そして本作含め奇しくも全てコアマガである。エステの世界の「VIO永久脱毛」は人気でも、剃毛は抵抗があるという声は少なくない。男性は突起物があるのであまり気にならないが、女性は生えかけの陰毛が直接下着に触れる。短い毛は布を引っ掛ける(五厘刈りの人がタオルで首を捻挫する事故があるほど)ため、生えかけ状態を避けるために剃り続けているという話があるほど面倒なのだ。本作は唐突に剃毛シーンに突入し、そのままエッチシーンに突入する。
感違いさせてごめんね
本作は色々な要素が突然ブチ込まれるのだが、テーマは「不倫」である。私の考察を交え説明したい。まず大前提として作中でも触れられているように鮫島さんは結婚指輪をしている。ホテルで肌を合わせる前に鈴川も当然指摘するのだが、鮫島さんは「魔除けの指輪だからいいの!」と豪快に放り投げる。鈴川はこれを真に受けてエッチする気満々で風呂に向かう。真っすぐ読めばこうなる。しかし鈴川の中で確認できる何かが欲しかった。そこで選択したのが「剃毛」なのだろう。同窓会から帰って来た既婚者がパイパンになっていたらさすがに気づくだろうし、合理的な説明のしようがない。そもそも既婚者でなくてもためらうプレイなのだから断っても問題ないだろう。しかし鮫島さんはこれを快諾する。以降鈴川は最後まで鮫島がシングルであることを疑わない。しかし鮫島さん側はそうではない。そもそも鈴川を落とすつもりだったのなら魔除けなど最初から要らないはずだし、もっとシングルアピールすればよかった。そして23ページ、鈴川の「結婚してなくて 本当によかった」というセリフに対して鮫島はか細くも確実に「感違いさせてごめんね…」(原文ママ)という思わせぶりな呟きを返した。このシーンもまた真っすぐ読めば「鮫島は既婚であることを隠している」となる。事後、鮫島さんはホテルの代金を机の上に置いて帰る。そしてかつて鈴川がプレゼントしたキーホルダーを彼の左手薬指に通してあった。鈴川は能天気に気を良くするのだが、付き合う気があるのなら彼氏を置いて出勤などしないし、代金を置いて出たのも割り切り感が強い。しかし、本作のラスコマ、オフィスで仕事する鮫島さんは上機嫌だ。不倫の影など微塵もない。そして何より気になるシーンが、既に触れた結婚指輪を「魔除け」と呼んで床に投げるシーンだ。いくらポーズだとしても結婚指輪を笑って床に投げるメンタルは不自然だ。しかも後で拾ったかどうかも本作では特に描かれていない(最後のカットで鮫島の手は見えない)。
考察
以上から導かれる私の結論は「鮫島さんはバツイチ」である。死別は少し重すぎる気がするが、いずれにしても鮫島さんにとって不本意な別れ方だったのだろう。彼女は心に傷を抱え、新しい恋愛をする気にもなれず必要のない結婚指輪を外せずにいた。彼女の傷を癒せるとしたら、かつて自分を好きでいてくれたオタ友の鈴川だという思いはあった。実際にキーホルダーの事も覚えていてくれた。ただ鈴川はあくまで「もっさかったオタ友としての自分」を5年後も重ねて見ており、鮫島さんには実際には鈴川に聞かせたくないようなエピソードがたんまりあるのだろう。鈴川の「もう一度会えてよかった」は心から受け取ったが、「結婚してなくて 本当によかった」に対して真実を話すのはまだ怖かった。この躊躇いからの「ごめんね」が精一杯だったのだろう。なので私の結論は「結婚指輪はホテルに捨てた(拾ってない)」、「キーホルダーを彼に付けたのは純粋な好意」と読みたい。
最後にこれを踏まえ、タイトルの伏せ字は本当は不倫巻き込まれの「泥沼」だったのかもしれない。私は現時点で不倫関係では無いと読んだが、そんなに簡単ではないのかもしれないし、終わった話だったとしても二人はまだ試練にさらされるのかもしれない。ただラスコマの鮫島さんを見ると心から晴れやかな顔をしている。なので普通に泥酔ということになったのかもしれない。しかし上述の通り剃毛プレイに興じる二人からはあまり泥酔感が見られない。鈴川を引き留めるために失禁まで見せる、結婚指輪を指摘され放り投げる、無造作アンダーヘアを指摘され剃毛に応じる、ここからもう一つ出てくるワードが「泥縄」である。鈴川くんも行き当たりばったりなところがあり、こちらの方が何となくストーリーに合っているような気がする。雨宮ミズキ先生らしい、読めば読むほど心に残る奥の深い作品だ。
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