copyright 2025 ワニマガジン 雲呑めお
タイトル | ほろ宵いと夏のせい~sunset~ |
作者 | 雲呑めお |
掲載誌 | 快楽天 2025.11 |
ページ数 | 29 |
ヒロイン | 光空 |
竿役 | 海斗 |
発射数 | 3 |
公式タグ | パイパン / 三つ編み / 中出し / キャバ嬢・風俗嬢 / 巨乳 / 恋愛 / 野外・露出 |
修正 | 白抜き修正 |
最近いろいろな事があり少し鬱憤が溜まっている。これを全て今月の快楽天にぶつけたい。本日はカバーガール巻頭作品にして3部作のシメとなる雲呑めお先生の作品をご紹介する。
前作レビュー: スーパー海物語 [雲呑めお] ほろ宵いと夏のせい~moonrise~ (快楽天 2025.09)
なんだかソワソワする、夜。
ここまでのあらすじは前作レビューをお読み頂きたい。そもそも2ヶ月間隔なのでリアタイ読者は普通に記憶に残っているだろう。リゾートバイトで離島のキャバ嬢をやっている光空と、地元でおそらくは釣りで生計を立てている青年海斗の甘酸っぱい物語だった。前回エンドで光空が押しかけ女房みたく海斗の家に駆け込んできたところから続いている。私はキャバ嬢の知り合いが居ないので何ともだが、光空は南国の爺さんの口に合うレベルで料理ができるオンナだった。漁業従事くさい海斗ん家の日課はかなり朝が早そうで、光空さんとどうすれ違っているのか詳細はさすがに描かれていない。冒頭の場面は少し早めの夕食、夕方17時半といったところか。海斗家はもう朝に備える時間、光空さんはこれから出勤である。キャバ上がりの時間が海斗君の出漁の時間だというのが前作の馴れ初めだ。「一緒に住もう、ひ孫作ろう」という海斗祖父のプロポーズをキャバ嬢らしく丁寧にはぐらかし、光空と海斗が文字通り「同伴出勤」する。
同伴出勤
同伴出勤とは文字通りキャバ嬢の出勤時に客とデートしてから出勤するものである。これは時間制としてカウントされるのが一般的で、店のチャージが1時間5千円なら、同伴2時間には1万円の料金がかかる。ここに指名料と同伴料(3千円程度)が上乗せされ、途中の飲食交通費も当然客持ちになる。客側のメリットはキャバ店内での(同じ酒でも)高額な飲食が発生しない点で、嬢が望めば普通の飲食店の価格帯(良心的な価格)で済ませられる。とはいえゴールはキャバクラ店前なので、嬢としてはここで店にまで引っ張り上げたい(同伴客は必ず入店しないといけないわけではない)。本作の海斗くんはまだ一回も店には上がっていない。なので同伴料金も払っていないのだろう。そしてあろうことか、海斗くんの地の利を生かして二人は出勤前に本番アリのご休憩にしけ込んでいる。中に出された状態でシャワーも浴びれずキャバ嬢に勤しむなかなか剛の者だ。
夏の終わり
そんなとある日の事後、海斗くんは焦りを感じていた。夏の終わりと共に光空は東京へ帰ってしまう。帰ってしまえばそれっきりだ。何とか繋ぎ止めたい。でもキャバ嬢光空の圧倒的なはぐらかし力には叶うはずも無い。海斗が持てる島の魅力カードを惜しみなく切ったからこそ今の関係がある。これ以上海斗に切り札も無かった。6ページ、そんな海斗を知ってか知らずか、光空さんは「明日最終出勤だけど最後くらいお店来る?」と親戚にでも言うような口調で最後通牒を伝えた。焦りが顔に出る海斗。そこから目をそらし、「なんか今年は早めにお客さん減り始めたみたいで リゾバの子たちだいたい帰らされちゃうんだって」と理由を説明する。「…いつ島出るんだ?」「んー次の日には! 仕事もないのに居候続けるわけにもいかないしね~」光空は困り眉の笑顔で即答した。キャバの仕事と海斗ん家への居候は今更関係なさそうに見えているが、光空は自らしっかりと退路を断った。そして「まぁどうせお店には来てくれないんだろーけど! 迎えには来てねいつもまたいに」夜の蝶の顔になった光空は名残惜しげに手を振った。
あの日とはちがうもの
そして9ページ、冒頭シーンと重なるが今後こその「ほろ宵と夏のせい」。海斗は潔癖にも最後まで酒を飲まないし、店にも行かなかった。飲めないとは言っていない。どうしようもなく頼りなく可愛いプリンセスを最後まで守りたいナイトとしての使命、そして「夏のせい」にはしても「酒のせい」には絶対にしたくない海斗の矜持がそこにあった。「この生活の終わり」を惜しげに語る光空に海斗は、来て欲しいという言葉を飲み込んで「普通に観光とかで来れば?」と振る。この後の「確かにっ! そん時は~…新婚旅行とかだったりしてー♡」、本作イチのアイコンにしたいくらい憎たらし可愛い顔が出る。もうネタバレだが、光空さんは特に新婚旅行の具体的イメージで語ったわけではなかった。しかしこの天然男タラシの揺さぶりを脳天に食らった海斗はもう目の前の光空に手も足もすくんでしまった。10ページ、ここで光空さんの方から手を引っ張り海へと突き落とされる。11ページ、本シリーズ最高のコマ「あの日とおんなじだね」。あの日 – 二人の出会いのとき手を伸ばしたのは海斗だった。そこから二人は言葉を重ね、時を重ね、身体を重ねた。一緒に暮らしもした。全てが愛おしく思い出され、美しかった全てがいま海に溶けてしまおうとしている。12ページ、1滴たりとも逃すまいと光空を強く抱きしめる海斗。「最後に…抱きたい」それでもなお繋ぎ止める術を持たない海斗は、少しでも光空に爪痕を残したいと願った。
夏は、夜
釣り具小屋、タオルで光空の身体を拭き、乳房を責める。「海斗…今日攻めっ気強くない…?」「光空こそ今日… 反応すごい気がするけど…」。15ページ、光空の手料理で心なしか太ましくなった海斗のボディにそそり立つチンコ。白抜き修正を破りそうなほどイキリ立つ亀頭に光空も震える。背面素股からの挿入、20ページ、「一回出す…っ」一回で終わりたくない気持ち、「もぉ…今日で最後…なのに…っ」これで最後にしたくない思いが交錯する。二人は崩れるように朝まで抱き合っていた。本シリーズは前回もお伝えしたとおり褐色肌の竿役がとてもイイ。「Moonrise」ではぶっきらぼうながらも世話焼きで頼りになる、精悍な好青年として描かれていた。対して「sunset」では一転して別れに怯え、強がってみるもヒロインに甘えるいじらしい男の子になっていたのが対照的だ。そして光空さんはスキを出しつつもどこまでもあざとく可愛い、芯の強いオトナの女性を最後まで崩さなかった。
秋は、夕暮
事後、ついに船着き場まで追い詰められた海斗は「彼氏との新婚旅行」について切り出した。「フリーじゃないとリゾバなんて来なくない?」キャバで何百回と聞かれた時のように当たり障り無く返答した光空さんだったが、海斗のやるせない表情を察した彼女はもう一歩進んだ。「あ~~~っとねぇ やっぱり新婚旅行はヨーロッパとかがいいかな!!」そしてキス、船に足を勧めた彼女の「毎日この海を見て暮らすことになるかもだからっ!」という笑顔でオチとなった。ハッキリ言って確かなことは何も言っていない。キャバ嬢に夢を見せられあしらわれている。それでも読者含めて彼女になら騙されても構わないと思わせる残酷なほどの説得力がある。率直に言って、光空という女性が次元の向こう側の存在で良かったと思うほどにガチ恋要素に満ちている。万感の思いを載せて、最後に少し古めの文学作品から一部引用したい。
夏は、夜。月のころはさらなり。
秋は、夕暮。山の端いと近うなりたるに、烏の寝どころへ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛びいそぐさへあはれなり。
夏から秋へ。Moonriseから、Sunsetへ。さよならもまた美しい。名作だ。
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