駄女神わからせモノ [おりひか] あなたが堕としたのは? (快楽天 2023.09)

タイトル	あなたが堕としたのは?
作者	おりひか
掲載誌	快楽天 2023.09
ページ数	20
ヒロイン	女神
竿役	木こり
エロページ位置(割合)	5 – 19 (75.%)
発射数	2
公式タグ	しつけ / フェラ / おもちゃ / パイパン / ギャグ・コメディ / ニーハイ・ニーソ / ファンタジー・SF / 中出し / 巨乳
修正	白抜き修正

今月号の快楽天はけっこう変化球が多い。前回紹介したニコライの嫁先生の「来るもの拒まず」もそうなのだが、エロ井ロエ先生のサキュバス拾ったモノ、まんの先生の「セックスしないと出られない部屋」モノ、ゆりしましろ先生の「時間停止AV」モノなど、どこかしらで見たことのあるネタをエロ漫画にリメイクしている感のある作品が多い。もちろん分かりやすさが信条の商業エロでは良いことなのだ。今回ご紹介するおりひか先生の作品は、冒頭から見えるように「きんのおの」が元ネタである。

元ネタについて

ドラえもんなどあちこちで擦られるこの元ネタはイソップ寓話で、英語では「The honest woodcutter」と呼ぶ。和訳すれば「正直な木こり」だ。元ネタの本筋はあえてご説明するまでもないだろう。落としたものを正直に答えた木こりは財宝を手にし、欲張って嘘をつくと何ももらえないという寓話である。本作同様に、日本では泉から出てくるのは女神と相場が決まっているが、実はイソップの元ネタではヘルメス神、つまり男なのだ。実際に海外版では下のような絵がついているものもある(女神のものも多い)。本筋には関係ないのだが日本人としては大変違和感があるし、本作のようなネタも生まれないだろう。ついでに元ネタでは木こりが斧を落としたのは泉ではなく川である。

セックスバトルもの

エロ漫画では、いや現実でもあるのかもしれないが、セックスを男女のバトルとして描く風潮がある。いわゆる「イッたら負け」の概念である。生物学的にも倫理的にもセックスは男女の共同作業であり勝ち負けなど存在しない。強いて言えば子孫繁栄のための「オス同士」のバトルであり、男女間でバトルする意味はない。しかしその意味で言うと「挿れた時点で終わり」なので面白くも何ともない。セックスバトルは盛り上がるのだ。本作は神と人間とのタイマンバトルである。基本的に女神視点で物語が進行し、お察しの通り1000年のキャリアを鼻にかける女神が絶倫の木こりに「わからせられる」展開である。本作の女神は「女神パワー」という中山きんに君のような能力を攻守両面に使えるそうだ。開幕イカせられまくる女神は、女神パワー「快楽抑制」によって耐える。感覚が鈍ったことを察した木こりは金のバイブを手に取る。「贈り物を受け取らせる」という目的の半分を達成した女神だが、自らの凶器により快楽抑制を破られ盛大にイカされる。仕方なく女神側が奉仕(オフェンス)に回るのだが、口と胸を使って15分頑張ってもオチない。哀れ女神は人間風情に挿入を許してしまう。「意外とキツいな」という木こりの感想に、「1000年モノの熟成ゆるゆるま〇こかと思った(笑)と言ってんのか?」(原文ママ)とブチ切れる。この女神は1000年トシを取っているという事にプライドを感じつつもコンプレックスを感じているのが実にややこしい。今度は女神パワーを全開にし「チンポ快楽10倍」「女神膣圧」をキメる。これに流石の木こりも中イキしてしまう。「勝った」女神はそう確信した。しかし、そもそも木こりはバトルするなどと言っていない。すぐさま2発目にとりかかる。再度女神パワーを発動するが、2発目だからなのか今度は効き目がない。残り少ない女神パワーを快楽抑制に振りなおす。そこで木こりも再度ハメながらの金のバイブで打ち崩す。汁にまみれた女神は地に伏せられてしまった。

ここは異世界楽天なのか?

本作は上記の通り「駄女神わからせモノ」である。性感に屈するだけでなく、いろいろ邪念が入ったり姑息な手を使ったりというところがカタルシスにつながっている。個人的に女神の造形もオーソドックスではあるが肉感強めで好きだ。途中何か木こり側に思惑なり秘密があるのかと思わせるが、結局ただのヤリチンというのも面白かった。最近やたらノリのいい「異世界楽天」のテイストを快楽天に布教できたのではなかろうか。

あらすじ

ヤリチンヒモの木こりは今日も泉のほとりで情事にふけっていた。バイブを泉に落としたところ、泉の中から金と銀のバイブを持った女神があらわれてそのバイブをくれるという。しかし凄テクをもった木こりはそれに興味を示さない。贈り物を受け取ってもらえないとメンツに係わる女神は交渉を重ね、ついに自らの身体を使ってもよいと切り出す。