黒ギャルと煮卵 [楝蛙] 夏のいとなみ (快楽天 2024.08)

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copyright 2024 ワニマガジン 楝蛙

タイトル 夏のいとなみ
作者 楝蛙
掲載誌 快楽天 2024.08
ページ数 22
ヒロイン 陽菜
竿役 店長
発射数 1
公式タグ おさげ / ギャル / パイパン / 中出し / 巨乳 / 恋愛 / 褐色・日焼け / 野外・露出 / 金髪・茶髪
修正 白抜き修正
引き続き快楽天から、楝蛙先生の巻頭作品をご紹介する。ヒロインの年齢は不詳ではあるが学生タグが無いので良しだ。
 
本作はカラーピンナップが特にないのだが、全体を貫くテーマは「煮卵」である。「黒ギャルのケツは煮卵に似てる」このフレーズで検索すると「東京初期衝動」というガールズバンドがヒットする。しかし私が知る限りこのネタの初出はこれではなく、2015年にツイッターで下の画像が話題になったところが源流だと思われる。
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こちらは既に答えが書いてあるのだが、実際はこの画像がそれぞれ「煮卵」か「黒ギャルの尻」のどちらをズームしたものかを問うている。ネットを探せば他のパターンや、各画像の元画像、判定させるAIなるものも存在する。おおよそ交わらないであろう二つのオブジェクトがこのような邂逅を果たしたのは、ひとえに「我々は煮卵の事も黒ギャルの事もよく知らない」という点なのだろうと思う。実は冒頭でアオリはあるもの、本作はあまり煮卵系黒ギャルは主菜として据えられていない。本作のレビューの後でそれぞれレビューしているので参考にしていただきたい。
 

夏季営業

本作タイトルを漢字で書くと「夏の営み」。言い換えると「夏季営業」である。名前が出ていないのだが、脱サラしてラーメンの道に入って3年の男が本作竿役だ。これが通年の本業なのかは分からないが、少なくとも夏の間は趣味の釣りを生かして、夜に釣った獲れ獲れの鮮魚でスープを作り、日がな一日ビーチのキッチンカーでラーメンを売りさばくという男子の理想形のような商売をされている。ここに黒ギャルの陽菜ちゃんが客として訪れ、美味しかったので雇ってくれと飛び込んできた。これまた男子の理想形トッピングである。陽菜はラーメン屋のバイト経験があり、煮卵がおいしく作れると言い出した。「黒ギャル」と「煮卵」というマリアージュに気を取られ、上の空ながら時給の相談もなく雇うことを決めてしまった。最後に明かされるが、陽菜は現地の人ではなく、自身も民宿に泊まる観光客だった。多くは語らないが「傷心旅行」で、飛び出してきたものの路銀が心許なかったという背景がある。もともとワニスタ映えして好評のラーメン屋に、水着黒ギャルの看板娘と言う最強の布陣で敵なしの夏が過ぎてゆく。
 

肩ズン、高鳴る鼓動、恋人繋ぎ

ある日、陽菜が質の悪い客にナンパされる。割って入る店長に「この店を炎上させてやる」と卑劣な脅しを持ちかけるヤカラに対して、「この店の様子は24時間配信している」と返される。都内に何店舗かある「キッチンDIVE」というデカ盛りで有名な弁当屋がある。客の万引きや、あろうことか同業者からの中傷に対して本作のように「常時配信」という対策を取り、客のプライバシーという観点のクレームもあったものの一定の効果があったそうだ。もちろん常時見ている視聴者など居るはずもないが、抑止力としては十分なのだろう。ナンパを撃退した店長に、「今日帰り送ってってくれない?」と甘える陽菜。11ページ、分かりにくいが「ラーメンが売れる観光地」から「陽菜が逗留する人気の少ないビーチ」に場面が変わる。楝蛙先生の「残り30cmの距離感」である。静かに煌めく夜の海、見返り美人の欲しがりな流し目、そして極上の煮卵のようなプリケツ。思わず息をのむ本作最高のカットがここに入る。12ページ、肩ズン、高鳴る鼓動、恋人繋ぎ、店長への感謝。13ページ、想いが先走り店長にキスする陽菜。今回も満点の「寄せ」である。14ページ、一転して店長が陽菜の頭を抱えて唇をむさぼる。もちろんこのままビーチで夜戦だ。本作では度々「煮卵」というワードがこれ見よがしに出てくるが、陽菜そのものを指してはいない。そもそも日焼けにも特段の言及は無い。クライマックスが夜景だからなのだろう、陽菜はあまり肌色が濃くない。令和の黒ギャルらしく、健康的な小麦色を目指したのだろう。かといって脱いだ時に水着の跡もないので、全くの天然と言うわけでもなさそうだ。詳細は分からないが、夕やみに映える美しい駅弁中出しでめでたく二人は結ばれる。夏が終わっても二人の関係は続きそうだ。昨年物議をかもした「夏が終わる」と一味違う、少し余韻のある、もう少し続きそうな愛のある作品だった。

煮卵が好きな貴方へ

本作ないし本稿で「煮卵」と呼ばれているものは、一般に味付け煮卵を指す。味付けをせずにただ煮たものは「茹で卵」と用語を分ける。ややこしいことにコンビニや駅で売られている殻付きで塩味を浸透させたものを「味付きゆで卵」と呼んだりする。卵を醤油ベースで煮込んで味をつけるのは中国由来「滷雞蛋」で、英語だとsoy egg、日本語では「味玉」とも呼ぶ。めんつゆで作るレシピが簡単で広く知られており、上のような褐色になると食べ頃である。他にも焼肉のタレ食酢など調味料メーカーがこぞってレシピを公開している。材料費が大変安いため、本作で使われているようにラーメンの具としてよく知られている。「くんたま」も概ね褐色だが、こちらは燻製卵、つまりゆで卵を煙で燻して香りをつけたものだ。「ピータン(皮蛋)」はアルカリ環境で発酵させて作り、表面は基本透明な黒褐色になる。本来のレシピはアヒルの卵だが、鶏卵でもできる。発酵食品でアンモニア臭が残るため人を選ぶ食べ物だ。

黒ギャルが好きな貴方へ

黒ギャルの始祖は一般に安室奈美恵と言われているらしい。それまで女性に忌避されていた日焼け肌に「活発で健康的」という価値が付与された。それが一人歩きした結果、90年代後半に黒ければ黒いほど良いガングロファッションが席巻し、さらにアイラインを逆に白系にするヤマンバメイクが発生した。2000年代に入ると浜崎あゆみの台頭により色白が復権し、「白ギャル」「黒ギャル」の系譜が分化した。色白はギャルのみならずファッション的にオールラウンダーであるのに対して、黒ギャルは肌色こそ抑えめになったが先鋭化し渋谷を中心にコーデや話し言葉で独自の文化を築き上げた。見た目のインパクトが強く、出オチになりがちなコスプレと違って脱いでなお強いのでAVジャンルとしても不動の地位を保っている。Komifloでは「褐色・日焼け」タグで検索すると良い。なお黒ギャルを代表する雑誌が奇しくも「egg」である。他の雑誌と同様にスマホの煽りを受けて2014年に休刊するのだが、何と2019年に紙雑誌として復刊を果たし今も黒ギャル文化を支えている。本作のようにビーチサイドで焼けるのがある意味で理想だが、基本は日焼けサロンである。日焼けの元は太陽光に含まれる紫外線だが、紫外線ランプで身体の両面をこんがり焼くタンニングマシンに素っ裸で入ることで跡が残らずキレイな肌が得られる。サウナなどと同じく、紫外線は肌を鍛えるともに傷めつけるため諸刃の剣だ。このためメイクだけでつくる「焼かない黒ギャル」という一派も存在する。一回の施術で30分5000円程度、一度下地ができれは月1〜2回でよいらしい。

 

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