copyright 2023 ワニマガジン ニコライの嫁
タイトル | 六畳ふたり |
作者 | ニコライの嫁 |
掲載誌 | 快楽天 2023.06 |
ページ数 | 22 |
ヒロイン | 樺島悠乃 |
竿役 | 山岸 |
エロページ位置(割合) | 9 – 21 (59.1%) |
発射数 | 2 |
公式タグ | パイズリ / JD / 同級生・同僚 / 巨乳 / 恋愛 / 陰毛 |
修正 | 白抜き修正 |
ニコライの嫁先生の作品をご紹介する。「浪漫ポルノ始めました」というアオリから始まる本作は、確かに少し寂れた、一昔前のような情感を掻き立ててくれる。明言はされていないが、スマホやLED照明といったものが無いため、過去の回想録のような位置づけかもしれない。
舞台設定のみならず、本作の二人の関係性は最後までよく分からないまま終わる。同じ大学に通っている、山岸が樺島の代返をしている(つまり専攻も近い?)ということは分かる。大学ではある程度親しく付き合っているがプライベートのことは、お互い近所に住んでいる事など何も知らない。学校という空間でしか成り立たない、当事者は気づかず後になって悔やむありふれた男女関係である。無論このまま挨拶して去れば何も起きないのだが、樺島の方から踏み込んでくる。
「食事でも行こう」意中の相手の足を止めたいときに使う常套句だ。結局飲みには行っていないっぽく、銭湯の前で話が始まる。男は無防備な可愛い女性と対面で話しているとき必ず一度は胸を検分している。本来哺乳類の交尾は後背位が原則であり、お尻の丸みがメスのセックスアピールポイントである。我々の祖先が二足歩行になった辺で、いわゆる正常位スタイルが導入された。正常位だと尻が見えないため、代替として胸の膨らみをアピールするようになったと言われている。乳房は後背位では非常にアクセスしにくく、乳牛を見れば分かるように他の動物は乳首をイジっても性感として受け付けない(反応したら充血したりしない)。巨乳に反応するのはきわめて人間らしい反応と言える。
そして山岸は樺島がノーブラであることに気づく。夜間とは言えこれだけの巨乳であれば有無くらいは分かろうものだ。樺島はたまたま銭湯に通りがかっただけらしく風呂上がりというわけではなさそうだ。なぜシャツにノーブラでうろちょろしていたのか、真相は先に譲る。とにかくHappy Go Luckyらしい。ちなみに成り行き任せの呑気者という意味だ。そして樺島の家、六畳間らしき部屋に通される。部屋の描写があまりなく天井の蛍光灯照明くらいしか見えないため、六畳なのか、そもそも一間なのかもよく分からない。層積先生の作品と同様にこちらも念入りにパイズる。本作は樺島さんの距離の詰め方と態度が噛み合っていない。身体はグイグイ行くのだが態度がもう一つ正直ではない。「せっかくだしヤッてけ」とワンナイトラブであることをやたら強調してくる。山岸が引き気味なのもどうかという話だが分からなくはない。何だかんだで挿入に至るのだが、パイズリからとにかく身体の相性は最高に良いらしい。樺島さんが体を張った甲斐があるというものだ。「山岸セックスのときそんな表情するんだ」というセリフから、普段もずっと樺島は山岸のことを見ていた事が読み取れる。そして「私のことどういうヤツだと思ってた?」と質問される。読者から見える山岸の脳内では評価バク上がりなのが見えているのだが、腹立つことに彼はココでも言い淀む。煮え切らない樺島さんはたまらずお願いをする。「嘘でいいから好きって言って」と。そしてここまで出てこなかった下の名前、悠乃と呼んでほしいと。据え膳ココに極まっている。山岸も気の利いたことを言えばいいのに、言われた通りのノルマをこなすかのように名前を呼ぶ。セリフがひらがななあたり、下の名前の漢字も知らなかったと思われる。そして後戯もピロートークもなく山岸は寝落ちする。こうやって書くとなかなかこいつは最悪の男である。
樺島さんの最後のセリフを全文書く。「さぁて超鈍感な山岸くんには 私のこの気持ちは伝わったでしょーか?」私のこの気持ちとは? 何度か繰り返し読んだ私の結論としては、「大好きやん」としか言いようがなく、前述の通りやたら遠回りした上に随分と女から貢いだなという印象である。そして悲しいことにおそらく山岸には伝わっていない。いやもちろん山岸くんが樺島さんのことを嫌っているという意味ではない。樺島さんのこんなにも直情的な恋心は伝わっていないんだろうなあという事である。何ならおそらく作中の時間軸の前にも、樺島さんは匂わせまくっていたと思われる。理由は分からないが、山岸は要するに樺島のことをちゃんと見ていなかったのだ。樺島と一つになることで、山岸はようやく彼女のことを真っ直ぐ見つめることになる。そのためには広い世界など要らない、六畳くらいが丁度いいのだ。
あらすじ
自宅の風呂が壊れた山岸は、近所の銭湯を出たところで大学の同級である樺島悠乃に声をかけられる。樺島はいつぞやの代返のお礼なのか山岸を飲み屋に誘う。世間話の合間におっぱいへの視線を感じた樺島は、おっぱいに興味あるかを聞いた上で、自宅に山岸を連れ込む。
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