シュレーディンガーの兄妹 [しらないひとし] ふたり部屋 (BEAST 2023.11)

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copyright 2023 ワニマガジン しらないひとし

タイトル ふたり部屋
作者 しらないひとし
掲載誌 BEAST 2023.11
ページ数 24
ヒロイン
竿役 静流
エロページ位置(割合) 7 – 21 (62.5%)
発射数 4
公式タグ フェラ / 中出し / 妹 / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 金髪・茶髪 / ぶっかけ・顔射
修正 白抜き修正
 
体調がよろしくなく間隔があいてしまい申し訳ない。好調な失楽天に対してBEASTも負けていない。本日はしらないひとし先生の明るい兄妹モノをご紹介したい。モロに近親モノなのだがダーク系の
タグがなく非常に爽やかに仕上がっている。
 

お兄ちゃんはまだ終わらない(おにまい)

古今東西、兄妹モノは我々を魅了し続けてきた。血縁関係が無くとも可愛い女の子に「お兄ちゃん」と呼ばれたい願望を抱えている男性は多いのではないだろうか。と同時に「母と息子」の次に禁忌といえる男女関係でもある。なので一般にこの手の商業エロ作品は「義妹」であることを強調していることが多い。つまり思春期を迎えた同士が突然一つ屋根の下に暮らし始めるという前提をつけることで、近親モノの生々しさを抑えつつアブナイ橋を渡っている感覚を醸成するという一手間が入りがちだ。それほど近親同士の繁殖行為は遺伝学的に禁忌なのだ。かつては家族の掟などで無理やりという展開も多く見受けられたが、「商業エロの意識の向上」やら種々レギュレーションの絡みで昨今はあまり見かけない。本作の二人は物心ついた時には同居しているド直球の兄妹なのだが、あくまで同意前提のイチャラブ風味である。

「雫さんはお兄ちゃんのために努力したんですよ~」

本作の最も大きなテーマは後で詳述するとして、本作のエロはなかなか趣向が凝らしてある。エロ漫画の精子はアホほど出るのだが、一旦出すと(美観的な意味でも妊娠的な意味でも)消える性質がある。しかし8から9ページにかけての一発目のぶっかけシーンで出したモノが、谷間に挟まれたまま13ページまで残っているのだ。本作は4発出すのだが、意外にもテーマに反して2・3発目はゴム中である。本作の雫さんは顔射からのスマイルダブルピースを決めるほど陽気なのだが、13ページの事後には秘め事を終えた女の妖艶な顔も魅せてくれる。両親が出かけた後16ページの1コマ目でもう3発目を出しているのだが、ここで「生エッチおねだり」が入る。そして17ページ、ここまで「お兄ちゃん」と呼んでいたのを「静流」と名前呼びする。家庭事情もあるだろうが、幼少期から共に過ごした年上の兄妹のことを名前呼びするのは、普通の彼氏彼女以上にハードルが高い。雫さんの並々ならぬ決意が感じられる瞬間だ。雫さんの一人称は基本「私」なのだが、7ページと21ページで自分のことを「雫さん」と呼んでいる。特に21ページ、兄の静流と見せかけて、明らかに読者に向けたメッセージ「お?どうした~? 雫さんのかわいさにトドメさされちゃったか~?」人差し指でウリウリしてくるのがたまらない。ここでトドメを刺された読者は私だけではあるまい。ついでに14ページの幕間のシーン、農協牛乳っぽいロゴの牛乳パックが「特濃牛乳」になっていて思わず二度見してしまった。
 

シュレーディンガーの兄妹

さて本題に入ろう。もちろん本作のテーマは家の新築(改築?)ではなく、「この二人に血の繋がりがあるか?」である。事実を確認しよう。すべては酒の入った父親の次のセリフ「例え血が繋がっていなくても兄妹でそういうのはよくないと思うぞ~!」から始まっている。これに対して二人は確認を求めるのだがはぐらかされて終わる。そして新居で同じく酒の回った母親に再度血の繋がりを問いただしたところ、「え?なあにそれ?もう変な冗談言って~」と全否定されたところで「アレレ??」というオチとなる。
ポイントは父親の「例え血が繋がっていなくても」という部分だ。文面上はあくまで仮定の話である。またここでいう「よくない」はあくまで同室での生活を指しており、(実際にはあったのだが)肉体関係をほのめかしているとは考えにくい。従妹だろうが義妹だろうが居候だろうが、血の濃さにかかわらず年頃の男女を一部屋に押し込めるのは一般論として「よくない」のだ。そういう意味ではこの発言に意味はない、つまり普通に兄妹と考えるのが自然のように思える。一方で、実の兄妹に仮定の話を前置きする意図もわからない。またオチの母親の発言は父親不在の場面であり、明らかにはぐらかしているようにも聞こえる。あくまでエロ妄想の一助として、このシチュエーションを深堀してみたい。子作りアウトかセーフかも記載する。
 
  1. [アウト]二人は文字通りの兄妹 – 上記の通りこれが一番自然に思える
  2. [アウト]二人は母親の連れ子 – つまり父親の発言は「自分と血が繋がっていなくとも親として看過できない」という解釈だ。母親があっさり肯定したのも理解できる。
  3. [アウト] 兄は母親の連れ子妹は両親の子 – 上記2の亜種
  4. [セーフ] 兄は母親の連れ子、妹は父親の連れ子 – セーフであるパターンとしては最もありそうである
  5. [セーフ] どちらかが養子 – 子育て中に里子を設けるのは難しいが、亡くなった近親者の子供を預かるようなケースは考えられる。二人は幼少期の虫取りの記憶があるため、かなり早い段階で決まっている必要がある。
  6. [アウト] 兄妹そろって養子 – 上記2のように「親と血縁がない」パターン。幼少期から共に暮らしていたことの説明はつく

とはいえ、「しずる」「しずく」という語呂の合ったネーミングから、命名者が別だとは考えにくい。父親との血縁を疑ったとしても、二人はやはり兄妹だとしか考えにくい。なおいずれにしても、法的にはアウトである。上記セーフのパターンでも戸籍上兄妹である限り結婚はできないため、産まれた子供が健康であったとしても養育には一捻り必要となる。そして作中で言及がないのだが、見た目には二人は成人とは思えない。しらないひとし先生の画風もあり若く見えがちなのだが、両親との夕食でも一緒にビールを飲んでいるようには見えない。ここは「まだ早い」と当人たちも言及しているところではあるのだが、総合的に見てなかなかゴールは遠そうである。それでも全体として幸せそうなのが本作の人気でもあり、救いでもある。

あらすじ

兄の静流と妹の雫は同じ部屋に住む兄妹だったが、表面上は冷めているが秘めた肉体関係を持っていた。ある日、両親が家の新築に伴って兄妹の部屋を分けることを知らせる。酒が回っていた父親は「例え血が繋がっていなくても兄妹でそういうのはよくないと思うぞ」と発言した。血が繋がっていないと言われた二人のタガが外れ、両親の留守を息を荒くして待っていた。

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