ドラマ七割えっち三割くらいがいいなという気持ち

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ドラマ七割えっち三割

本日はイゲドアハ先生の下記ポストの疑問に答えてみたい。執筆時点でまだ投票は完了していないが、ドラマ要素とえっち要素が半々くらいというのが優勢のようだ。

エロ漫画におけるエロページ分布

この疑問は作者側としては当然気になるところであろう。当ブログでは昨年まで「エロ開始ページ」「エロ終了ページ」そして「比率」を都度データとしてご紹介してきた。これだけのために頭から読み直す必要があり結構手間な割にあまりイジりしろがないと判断したため現在は統計を取っていない。しかし折角とっていたのでここで改めて確認してみたいと思った次第。

当ブログでのエロシーンは「最初に修正が入ったページから、最後に入ったページまで」と定義していた。形式にかかわらずほぼ間違いなく修正はあるのだが、徐々に盛り上げてエロに入るパターンもあれば、1ページ目でエロを描いてからストーリーが始まるパターンも少なくない。後者は当ブログ基準で言うとエロシーンが過大にカウントされるのだがご容赦いただきたい。そもそも修正の基準も大変難しい。よく見るとエロシーンにうつる直前のコマで「うっすら局部が見え隠れ」しているシーンも多々ある。やはり修正の手間を考慮してか、ぱっくり映るシーンと修正不要なほど遠景から撮っているシーンをページで分けていたりする。精液や断面図は修正対象でないらしいので、結果的にエロのラスページが修正不要になっているものも少なくない。そんなこんな色々込みの話である。

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こちらが主に2023年のkomiflo掲載作品のうち当ブログで調査した210作品の修正開始ページと修正終了ページの分布である。左下はそもそもページ数自体が少ない作品が入っている。右側にポツンと一つ点が打たれているのが、さんじゅうろう先生「プライベートバニー」で、34ページの長編ではあるが私の記録ではエロシーンが26ページから始まるという異例の作品という事で掲載当時もご紹介した。こうやって見ると割にまんべんなく分布しているように見えるが、作品によってページ数が違う要素を抜くと次のようになる。

ero_24.png

 

私の観察から商業エロ漫画のスタンダードは24ページと認識している。短い作品も長い作品も24ページに換算して集計したものがこちらである。見ての通り大半の作品はラスページまで局部を見せている。一方でいわゆる「事後」を描く作品も少なくない。このグラフで一番下に位置している作品が、茨芽ヒサ先生「愛しのららち」 (COMIC BAVEL 2023.04)である。30ページの作品で後ろに事後のシーンが6ページある。具体的には事後3ページ、後日談3ページだ。舞台はトー横っぽい公園。ヒロインの「ららち」が家出中の竿役「ツルギ」の冴えない配信に乱入した結果ツルギの動画はバズる。なんだかんだで初Hした後、ツルギは夢を語るがららちは心配する親の待つ家に帰って真人間になれと諭してツルギを突き放す。結果復学したツルギは進学し就職も決まった。普通のリーマンとなり動画配信などしていないが当時の思い出だけは忘れられずにいた。そんな事を思いながら立ち寄ったコンビニでららちと再会するというオチである。堀博昭先生「れあちゃん」の後編をキュッと詰めたような形である。このような作品はやはり少数で、事後のページは0から2ページ程度というのがほとんどだ。後ろは決まっているので、エロに至る導入にどこまでページを割くかが冒頭イゲドアハ先生の疑問への回答となるわけだ。というわけで当ブログの結論を下に示す。

エロページの比率

ero_prop.png

 

上記エロシーンの全体ページに対する比率で並べたものがこちらである。ページ数でいうと「ドラマ:エロ = 3:7」というのが最も多いという結論だ。そして次に多いのが100%という作品で、これは上述の通り「冒頭にエロを一発描いている」作品を指している。超短編を除いて、最初から最後まで局部を見せ続けている作品は無い。音楽作品もCD買い切りの時代から配信メインになるとともに「イントロ」が消失し、いきなりサビという作品が増えたという。数秒で見切りをつけられるタイパ重視の時代なので、エロ漫画も冒頭から出し惜しみせ
ず美味しいところを見せる
作品が増えているのだろう。とはいえ「ドラマとエロの割合」というテーマではこちらは統計上のノイズと捉えていただきたい。

今回の収穫として、単なるページ数だけでも「ドラマ:エロ = 5:5」という作品群が結構あるということが分かった。7:3は肌感覚としてもそんなもんかと思うのだが、脱がないシーンが半分ある作品は少なくないようだ。繰り返すが「局部修正」という観点なので、着衣でのイチャコラや、おっぱいだけ見せ散らかしている作品は相当数含まれる。それでも上記のさんじゅうろう先生や、他ならぬイゲドアハ先生はかなりストーリー重視の作風である。逆の例としてえーすけ先生は「実用」に重きを置いており、キャラクターの心象を彫りながらもエロシーンが9割を超える。どちらが良いかは究極的には読者のお好みであり、人それぞれ得意のインターバルというものがあるのが男性エロというものであろう。しかし2度3度と愛読する作品には、エロとしての造形だけでない、描き込まれたドラマが不可欠だと私は信じている。それが1枚モノCGには出せないエロ漫画ならではの妙味であろう。

 

<作品例> 修正開始ページ – 修正終了ページ (全体に対するエロページ比率)

当ブログで調査した作品のみ。全数調査ではないのでご了承を。

[さんじゅうろう] プライベートバニー (X-EROS #99) 26 – 32 (20.6%)
[さんじゅうろう] はじめてのデート (X-EROS #97) 13 – 19 (35.%)
[さんじゅうろう] ストライクゾーン (X-EROS #101) 7 – 29 (76.7%)
[さんじゅうろう] いい旅、エロ気分 (X-EROS #103) 7 – 12 (50.%)

[イゲドアハ] ポメラニアンと発情期 (BEAST 2023.07) 8 – 26 (70.4%)
[イゲドアハ] ミスマッチング (BEAST 2023.12) 16 – 23 (33.3%)

[えーすけ] つまみぐい (快楽天 2023.02) 2 – 32 (96.9%)
[えーすけ] いたずらごころ3 (快楽天 2023.09) 4 – 28 (89.3%)
[えーすけ] よりみち (快楽天 2023.11) 2 – 27 (92.9%)

 

本稿で紹介した作品はこちら!!

 

 

 

 

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