copyright 2023 ワニマガジン どじろー
タイトル | 陰キャ同士のセックスが一番エロいよね |
作者 | どじろー |
掲載誌 | 快楽天 2023.05 |
ページ数 | 28 |
ヒロイン | 天野結華 |
竿役 | 上村 |
エロページ位置(割合) | 12 – 26 (53.6%) |
発射数 | 2 |
公式タグ | 処女 / 恋愛 / 童貞 |
修正 | 白抜き修正 |
見よ!勇者は帰る
SNS話題沸騰♥スーパールーキーこと、どじろー先生の登場である。どじろー先生は2022下半期いいねランキングを「どすけべシークレット」で制した王者だが、こちらはweekly快楽天だったので、快楽天本誌は初掲載となる。同じく2位の「定位置」と3作連続で制服JKと盤石の構えと言える。掲載2日目の3月29日時点でもう2000いいね近くの支持を集めており、既にこちらもランキング上位は確実だ。このままいけばスーパールーキーどころか時代を代表する大看板になり得る逸材であり、初単行本を読者・編集者ともに手ぐすね引いて待っている状態といえる。
男の娘というトラップ
本作の題材はタイトルを読めば明らかである。が、「陰キャ」という表現だけで本作のヒロインは語り尽くせない。「どすけべシークレット」のあかねちゃんや、以前紹介した橙織ゆぶね先生の「平日のクラスメイト」シリーズで紹介した木野さんのような男友達感が本作のキモである。端的に言えば「男が共感して没入できるのは男」であり、女性心理を読み解かなくて良いならそれに越したことはないのだ。BLの登場人物も基本的には女性思考であり、本質的には男女で変わらない。腐女子は女性性欲の描写を嫌うのに対し、陰キャ男子は性格と性欲を明快に分けられる。女性の見た目をした何かが服を脱いでカモーンしてくれれば相手が誰だっていいのだ。男性向けグラビアのキャプションが適当なのも、AVの冒頭の展開がスキップされがちなのもそのためだ。そして究極的には「情欲をそそる恰好であれば中身は男のほうがいい」つまり「男の娘」がウケるのも、女性思考に対する拒否反応があるためだと断じる。
天野結華はスキがない!!
本作はわざわざ冒頭に、天野の部屋に入った感想を「全然女子感ね~」と言わせている。これ見よがしに置かれた無愛想な本棚とゲームコントローラー(PS2とゲームキューブだと思われる)から、30代以上の男が友達の部屋に上がったときのイメージを印象付けている。本号巻頭の魅悪ちる先生の部屋と真逆である。陰キャだからといってスポブラなわけではない(むしろ運動しないなら下着は普通なのでは)と思うのだが、ここも意図的に女性としての情報量を落としている。乳首も見せず裸の後ろ姿を見せた状態でお預けにして回想に入る。一読して明らかに回想シーンも男友達としてのノリを貫いている。何ならチンコがついていてたとしても(掲載誌違いだが)驚きはしない。12ページ、男性的な友情から寸分の余白もなく男女の濃厚な絡みに叩き落される。前戯も何もない。もう入る寸前から始まる。「天野のこと めちゃくちゃかわいく見えるんだけど!?」繰り返すがこれが男の娘モノだとしても全く違和感がない。試しに13ページを男x男と仮定して読んでみて頂きたい。14ページの破瓜の瞬間が「メス堕ち」のように見えることだろう。あくまで男友達だからこそ、早漏で暴発しても笑って許してくれる。そして18ページ、女としての天野結華が突如として花開くのだ。ここから先は従来のつっけんどんな口調が一切消え、純正エロ漫画ヒロインとして上村に抱かれる。それまで見えていなかった天野結華の女としての魅力に上村が気付き始める。そして過去回想も男友達から女友達のそれに書き換わってゆく。気がつけばもうどじろー先生の術中、手のひらの上のサルである。昨今商業エロ漫画の読者が求めているものを完全に具現化した不朽の名作で間違いない。
屋上に繋がる階段の踊り場ってなに?
以上、完全に計算され尽くされたエロ漫画というのが私の感想である。ついでというのも大変恐縮だが、余談を付け加えさせていただく。本作でも二人の邂逅の地である「屋上につながる階段の踊り場」は、おおよそ男女の秘密の隠れ家として少女漫画、ラブコメそしてエロ漫画で盛んに用いられる。ここまでも何回か書いたと思うのだが、都度都度「屋上に繋がる階段の踊り場」と書くのは長ったらしい。誰もが見たことがある定番スポットだが、この場所を明確に表す単語が無いように思える。いろいろ調べた結果、「階段室」「塔屋」という2つの単語に辿り着いた。「階段室」は文字通り階段しか無い部屋のことで、広義には豪邸の入り口を入ってすぐの大階段のある部屋なども該当するらしい。建物の図面上、ここは屋上に繋がる階段とドアしかないため、「階段室」と表記されることが多いらしい。かたや「塔屋(とうや)」とは、屋上にある構造物全般を指し、エレベーターの機械室や電気設備室、またいわゆるペントハウスも塔屋に含まれる。男女の逢瀬に使われる「屋上に繋がる階段の踊り場」は、どちらで呼ぶべきか? 「階段室」という表現は必ずしも屋上を意味しない。実際に半地下のような場所でまぐわうスタイルもあるのだが、一般的に屋上で描かれる事が非常に多い。屋上のニュアンスを出すのなら「塔屋」がふさわしいと思うのだが、トウヤと聞いてパッとこのシーンが思い浮かぶかというと難しい気がする。検討した結果、今後当ブログでは「階段室」という表現で統一させていただく。
あらすじ
陰キャ男子の上村は、休み時間に階段室にいた天野結華と携帯ゲームの「ポケハン」を一緒にする「便所メシ仲間」だった。付き合いが長くなり会話に遠慮がなくなってきた頃、クラスメイトの悪口を言い募る天野に「友達作りたいんじゃねーの?」と言い返した。図星を突かれた天野は自分に友達などできるわけがないと不貞腐れる。フォローする上村に、「あんた私のこと女として見てんの?」と訊かれる。売り言葉に買い言葉の末、「処女とか早く捨てたい」と天野が呟く。
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