キツネ! イヌ! タヌキ! [エロ井ロエ] ひとりでシないで (快楽天 2024.04)

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copyright 2023 ワニマガジン エロ井ロエ

タイトル ひとりでシないで
作者 エロ井ロエ
掲載誌 快楽天 2024.04
ページ数 24
ヒロイン こっくりちゃん
竿役
発射数 1
公式タグ おさげ / ファンタジー・SF / 三つ編み / 中出し / 学生 / 巨乳 / 淫乱 / 潮吹き
修正 白抜き修正
今月の快楽天は群雄割拠感が強い。当代随一のどじろー先生が表紙かつフルカラー担当なのだが、以前もご説明した通りフルカラー作品は伸びない傾向にある。他の作品も最近の快楽天の中では強めの変化球な作品が多い。お肉先生「ガマンして、レオ!」に至っては変化球が外れてボール球である(比喩ではないのでご一読を)。本日はその中でもかなり逸脱感のあるエロ井ロエ先生の作品をご紹介したい。
 

キツネ! イヌ! タヌキ!

本作はヒロイン・竿役ともに名前がない。本作の竿役はネタバレでも何でもなくただの成仏できない浮遊霊であり名前もなければ風体すら何もわからない。いわゆる「モブ竿役」の究極系のようなキャラである。対するヒロインはなかなか可愛いのだがこちらも名前がない。竿役が「名前聞いておけばよかった」と最後に言うのだが、思うだけでなく聞いてほしかった。本稿ではヒロインを以下「こっくりちゃん」と呼称する。地味陰キャであるこっくりちゃんは家で夜な夜な一人こっくりさんに興じる。こっくりを漢字で書くと狐狗狸(きつね・いぬ・たぬき)となる。元々は西洋の交霊術であり、ウィジャボードと呼ばれる文字が一通り書かれた盤の上を、ブランシェットという文字指し板を無意識に滑らせることで霊言を得るというオカルト的な遊びである。日本では本作のように、あいうえお表の上に10円玉を滑らせるのが一般的である。人間の指は意識していなくても動くことがあり、そこに何らかの意味が重なると面白い。また当然わざと動かしてそれっぽい文字列を作ることもできてしまう。いずれにしても通常はパーティーゲーム的なものであり一人こっくりさんはなかなかに怖い。人は何かを信じることでさらに対象に答えを見出そうとするフィードバックが働くため、合わせ鏡など一人オカルトから抜け出せくなる事は少なくない。信じる信じないはともかくほどほどに楽しもう。
 
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https://gamestation.ocnk.net/product/5919
 

死後のセックスライフ

本作のテーマはこっくりさんではなく、死後のセックスライフである。幽霊がのぞきをする話はままあるが、どんな障壁も乗り越え人妻だろうがアイドルだろうが私生活をのぞき放題となったとして、おそらくその愉しみは長くは続かないだろう。秘してこそ花であり、駆け引きもリスクも何もないなかで女体を見まくってもすぐ飽きることは想像に難くない。そして何より、人は生きるために食べ、遺すために生殖し、その目的のために遊び働くという大前提がある。生から解き放たれて肉体的な欲求が亡くなってなお理性的に欲に執着するのは、おそらく絶食や禁欲に等しい苦行だと私は思えてならない。本作の竿役は「ある日突然幽霊になった」と書かれており、死んだという事をよく認識できていないと思われる。死後どれくらいの時を経たのかは分からないが、意味もなくさまよい続けられるほどにはまだ生前の煩悩を保持できているのだろう。彼は何物にも認知されず、何物にも干渉されない。木の葉程度のものを動かす力はあるそうだが、スカートめくりはとうに飽きたのだろう。可愛い女の子を見つけては後をつけて私生活を出歯亀するという遊びに凝っているらしい。そこで見たものが「一人こっくりさん」だったのだ。

お触り解禁!

おそらくこっくりちゃんは何か聞きたいことがあったのだろうが、あまりに呼び出しに答えてもらえないことから、召喚行為自体が日課のようになっていると思われる。フォロワーのいないSNSでつぶやくようなある種の承認欲求を求めた行動なのだろう。見かねた幽霊もまた承認欲求を捨てられてはいなかった。10円玉が動いたことに驚くこっくりちゃん。ここで慌てて質問を考える。テンパったこっくりちゃんは、「カッコいいんですか?」「モテるんですか?」と、霊を相手にパンツの色を聞くイタ電のような質問を並べる。少し興が醒めた幽霊だったが、「私にも恋人ってできますか?」という香り立つ恋バナに俄然やる気を見せた。そう、占い師はお悩みに答えたいのであり自分の事を聞かれたいわけではないのだ。かたや一人遊びをこじらせたこっくりちゃんは、「えっちってきもちいいですか?」という質問を投げかける。ようやくエロ漫画の始まりである。エロ漫画に登場する幽霊は、エロシーンに入ると理由も理屈もなく相手に触れられるようになる。この設定で3冊描かれた田中ユタカ先生のちょいエロ一般作品「愛しのかな」が私は好きである。

幽霊より強い白抜き修正

こっくりちゃんは「10円玉から手を離すと祟られる」というルールを適用している。そのため後ろから乳を揉まれようがパンツを下ろされて中をいじられようが手が離せない。もう十分祟られているようなもんである。抵抗しようにもこっくりちゃん側からは見えないし触れない。幽霊からも会話ができないのだが、まさかの「こっくりさん経由での言葉責め」という令和初の新技術で対応する。かがんで指を入れながら念力で文字順に10円玉を動かすのはなかなかマメである。前戯の仕上がった幽霊はついに挿入を試みる。彼は濃い目のトーンで半透明のデザインなのだが、ダメなもんはダメとばかりに白抜き修正を食らっている。以下は透明人間プレイというか、身体を好きなように振り回してのお楽しみタイムである。意外と力は強いらしい。途中であまりのハッスルプレイでさすがに生きてる気になったのか、鏡の前に座らせ自分が映っていないことを確認している。当然中に出すのだが、逆に外に出していたら何がどうなったのか興味はある。気を失ったこっくりちゃんを抱き起そうとするのだが、手が体をすり抜けてしまう。感動の成仏シーンかと思いきや、当人もまあそんなもんかと放置する。結果、幽霊はこの部屋に居つき、夜な夜なのこっくりさんプレイに付き合うという朗らかなオチである。

催眠や時間停止などSFよりのややこしい設定が多い中で、あえての原点回帰というべきか、分かりやすいストーリーである。それでいて「死後の性」というどこまでも考えられそうな重厚なテーマがその下に潜んでいる。ともかく竿役の描写があまりにもシンプルなぶん、ヒロインの描写に熱が入っており、鏡の前の前後見せプレイなど凝った構図にも注目だ。ファンタジックな作品を得意とされるエロ井ロエ先生ならではの素晴らしい変化球と言ってよいのではないだろうか。

あらすじ

ある男が幽霊となり可愛い女の子を追いかけ町をさまよっている。その日見つけた女の子の家に着いていくと、彼女は一人でこっくりさんを始めた。出来心でその10円玉をうごかしてやったことから、彼女とのえっちな交流が始まる。

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