copyright 2024 ワニマガジン 亜美寿真
タイトル | 沼る女 |
作者 | 亜美寿真 |
掲載誌 | 快楽天 2024.09 |
ページ数 | 26 |
ヒロイン | 天沼ゆま |
竿役 | コウくん |
発射数 | 2 |
公式タグ | フェラ / 中出し / お姉さん / 巨乳 / 恋愛 / 淫乱 / 陰毛 |
修正 | 白抜き修正 |
今月の快楽天はすごい。特に巻頭からの4作の、それぞれの男女関係の捉え方が大変面白い。今回から順に亜美寿真先生、雲呑めお先生そして玉ぼん先生の作品をご紹介していきたい。
あらすじ
本作あらすじを先にまとめる。本作は竿役のコウくんの目線から、ヒロインの天沼ゆまが描写されてゆく。コウくんはナンパを生き甲斐としているいわゆるヤリチンである。釣り糸を垂らすが如く、街ゆく女から簡単にヤレそうな獲物を物色して歩いていた。今宵の獲物は繁華街の道端にうずくまる、いかにも訳アリでチョロそうなゆまちゃんだ。優しい素振りで声を掛けるとホイホイ着いてくる。立たせてみると巨乳だ。飲食店で口説くまでもなく、ゆまの方から過去のダメ男エピソードが飛び出す。「私は今夜貴男に抱かれたい」そうとしか聞こえないコウくんは、獲物が食い付いた竿をおっ立ててホテルに連れ込みバックからブチ込んだ。「惚れさせてヤリ散らかして捨てる」未来地図を手に、交際をチラつかすコウくんだったが、ゆまの反応は穏やかだった。手応えを感じたいコウくんは持ち前のテクからマメに連絡し、アクセサリーを贈り、ゆまを褒めちぎった。潤んだ目をするゆまは進んで身体を差し出し奉仕してくる。今度こそ勝利を確信したコウくんは「焦らし」が効く頃合いと連絡を止める。しかし3日待てどもゆまからの連絡はない。やっと連絡が来たかと思ったら「美味しいカレーパン食べた」。コウくんはゆまを呼び出す。変わらない彼女の裸にコウの焦燥が空回りする。必死に腰を振るコウに、ゆまが膣に出してと告げる。責任を負いたくなかったはずのコウは快楽に負けゆまの言うままにコンドームを外して突き入れたのだ。
澄んだ沼
私は「男女の主導権争い」が亜美寿真作品の真骨頂だと書いていた。本作はまさにそこがテーマとなっている。本作はあくまで竿役目線で描かれており、ヒロインである天沼ゆまの心情はミステリーのまま終わっている。二つの可能性を考えてみたい。一つは単純にゆまはイノセントであり、おっとりしているがコウのことを憎からず想っているという線だ。単に彼女はカンが悪く気が長い。コウの一人相撲だったというストーリーと読めるだろう。プレゼントに対する笑顔も、カレーパンが美味しかったのも、膣に出してという懇願も不器用ながらも天然な反応だった。ヒロインは湯加減の良いキレイな「沼」であり、いつしか抜け出すことも忘れたコウくんはナンパ師を卒業しめでたくゴールイン、となる可能性はゼロではない。しかし女に飽きるからこそのナンパ師であり、やはりコウくんもまた「悪い男」の一人になってゆくのだろう。ダメンズ沼から抜け出せないのはゆまの方だろう。
仄暗い沼
分類上は「沼」と「池」「湖」には明確な基準はない。主に浅いものが沼と呼ばれがちだが、「湖沼」とも言うように全て水たまりの一種である。しかし「底なし沼」「毒沼」のように、沼は人間に害をなすものというニュアンスが無くはない。本来浅いハズなのに、何かに耽溺することを池ではなく「沼にハマる」縮めて「沼る」と呼ぶほどだ。本作の天沼ゆまをイノセントと感じた人は少ないだろう。全てはゆまの作為の上であり、釣り糸を垂らして獲物を待っていたのはゆまの方と考えてみよう。コウは冒頭で「地雷系」「メガネ」を無視している。前者は後々面倒であり、後者はそもそも食いつかない。ゆまの格好は「ナンパされやすさ」を追い求めた結果である。そもそも巨乳美人が繁華街で誰かに抱かれたいのなら声をかければ良い。選べる身分である。なのに敢えてコウを釣ったのだ。彼女は「3股」「高額サプリ」「サービスエリア捨てられ」と男運の無いエピソードを述べるのだが、これらもまたゆまへの執着を捨てられなかった哀れなナンパ男の狂った結末なのかもしれない。貢がせ、焦らせ、いい男でさえダメにしてきた理由は分からない。男をダメにする必要がない。でもその理由はコウくんが明かしている。「捨てるために釣る」ことが楽しいのだ。釣れたら満足、キャッチアンドリリースである。針が掛かった瞬間引っ張ってはいけない。安心させ満足させ、針を十分に食ってから巻けば良い。そして男の竿は1本だが、ゆまの竿が1本だとは思えない。3日待たせている間にも別の竿を引いていたかもしれない。実はそのうちの1人が「カレーパン」なのかもしれない。
魔性の沼
二つのヒロイン像を考えてみた。本作のラスコマ、ゆまの尻にはおそらくナンパ男には見えない悪魔のしっぽが生えていたのだった。主導権を握ろうとして気がつけば握られていた。やはり天沼ゆまはイノセントではない。男を沼に落とす魔性の女なのだと。もちろん我々は騙される側として、彼女の可愛さと巨乳に身を委ねハマるのが正しい読み方で間違いない。
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