copyright 2023 ワニマガジン 楝蛙
タイトル | 露出と感度 |
作者 | 楝蛙 |
掲載誌 | 快楽天 2024.02 |
ページ数 | 22 |
ヒロイン | 南 |
竿役 | 理光 |
発射数 | 1 |
公式タグ | ショートカット / 中出し / お姉さん / 巨乳 / 手コキ / 撮影・配信 / 淫乱 / 野外・露出 |
修正 | 白抜き修正 |
エロ漫画で学ぶ露出と感度
折角なので、まずカメラの話をしよう。楝蛙先生は何とも上手いタイトルを付けられたのだが、作中ではあまり露光と感度の話をされていない。代わりに僭越ながらご説明したい。露出というのがカメラレンズを通してフィルム(デジカメであれば素子)にどれくらいの光を取り込むかの指標である。具体的には「シャッタースピート」「絞り」「ISO感度」の3要素の掛け合わせとなる。本作3ページを御覧いただきたい。写真の下に表示されている「1/2000 F5.6 ISO400」がそれである。ここからシャッタースピード、つまりシャッターの開いている時間が1/2000秒だと分かる。シャッタスピードが短いほど取り込む光の量が少なくなるので暗くなるが、ブレの少ない写真となる。星空写真を撮る場合などは逆に1時間単位で開きっぱなしにして光量を取り込む必要がある。1/2000秒はかなり短く、高速で動く野鳥などを鮮明に取り込む設定だ。同時に本作のように、対象が止まってくれない遠距離からの盗撮向きとも言えなくはない。F5.6というのが絞り値(F値)と呼ばれるもので、眼の虹彩と同じくカメラレンズをどれくらい覆うかを示す値である。F値が大きいほど絞っており、それだけ写真は暗くなる。では開ければいいのではと思うかもしれないが、レンズを絞って中心部分だけを使うことでピントの合う距離(被写界深度)が大きく取れるという利点がある。なお絞りを開ききった状態のF値が1というわけではなく、レンズの焦点距離と口径で決まる値(開放F値)となる。感度はカメラではなくフィルムの性質で決まり、世界どこで買っても同じ性能になるように国際標準化機構(ISO)にて規格が定められている。これも感度が良いほど暗い環境でも撮影できるため好都合なように思えるが、光に対して感光する面積が広くなるため感度が良すぎると画質が粗くなってしまう。フィルムカメラであれば感度を変えるにはフィルムを交換する必要がある。デジタルカメラでは受光信号に対する増幅のパターンを変えることでフィルム感度に合わせている。ご承知の通りシャッターを切って現像するまで正解がわからないフィルムカメラと違い、今のデジタルカメラはシャッターを切る前に素子で受光した結果から適切な露出を割り出してくれる。なので単に記録を残すためであればカメラに任せるのが一番無難であり、露出設定を気にすることがあまりない。もしお手持ちのカメラに詳細設定があれば一度お試しいただければと思う。もちろん盗撮はNGだが。
望遠からエロ自撮りまで
以前から楝蛙先生の作品は「残り30cmからの距離の詰め方」が魅力だと思っている。しかし本作の距離の詰め方はかなり特殊である。まず出会いが山の中でのかなり遠距離からの盗撮という珍しい入り方だ。ヒロインの南さんは失恋のストレスから「山の中でのエロ自撮り」というトリッキーな趣味にたどり着く。快楽山山頂にて二人は邂逅した。そしてカメラ談義で盛り上がる中で竿役の理光は盗撮した南のショットを見せてしまう。デジタルカメラの閲覧画面にはだいたい通し番号がついており、この盗撮写真は1067番目だった。7ページ、このシーンから「理光はわざわざ私の顔を狙ってシャッターを切った」「その後のヌードは写真に残していない」ことを南は察した。「つまり理光は南のルックスが良いと思っており、かつプライバシーは侵さない紳士らしい」これを確かめるために「(写真に残していないが)この先は見たの?」と問い詰める。理光が納得する答えを返したこと、写真の腕前、そして「既に見られている」ことから、南はエロ自撮りの領域に彼を引き入れた。
南風からKaeruまで
登山物の作品は概ね下山後に一杯やる。本作も「南風」という焼き鳥屋で酒を交わし、南さんが身の上を打ち上ける。10ページ、差し向かいの距離が30cmというところで、南さんが熱い目線とともに「裸を見た感想」をあけすけに問う。理光はまだ紳士であり、当たり障りのない回答をする。不満げな南だったが赤面する理光を見て察し、足を当て手を握りさらなる反応を見る。まだテーブル越しではあるが、スタート位置を考えるとものすごい距離の詰め方である。そして次のページではホテル「Kaeru」にてベッドシーンに入っている。楝蛙先生のヒロインはHへの持っていかれ方の関係であまり勝負下着を履いていないように思う。本作の南さんも朝起きた瞬間にHを想定していたとは思えないが、自らの趣味のためになかなかの「見せ下着」を披露してくれる。南さんは紳士な理光をベッドの上ではリードしがちなのだが、挿入されてからはかなりの乱れようである。タイトル回収だろう。短い描写ながら一気に寄せ切った。
山に行く、おうちかえる
水着描き放題の海と違って、山自体を描かないといけない山登りから入るエロ漫画はあまり見かけない。直近で思い出されるのがそれこそ楝蛙先生「そこに尻があるから」くらいしかない。こちらは対照的に「登山部の腐れ縁の男女」がやっとこさくっつくという作品で、少し強引めに迫られたヒロイン嶺花さんがご丁寧にも「まぁ酔いに任せるとかそういうのよりはマシかな…」と仰っている。本作の南さんは酔いに任せた感が多々あるのだが、南さんのしたたかかつ気っ風の良さが冴えている。作品としては比較的BEASTっぽい、ヒロインの押しが強めな作品だった。
あらすじ
写真趣味の理光は今日も山で野鳥を撮影していた。ふと見下ろすときれいな女性がファインダーに入ってきた。逡巡しながらも誘惑に負けシャッターを押してしまう。彼女は周囲を見渡すと突然服を脱いで自撮りを始めた。山頂でその南という女性に話しかけられカメラの話で盛り上がった理光は、気の迷いで盗撮したその写真を見られてしまう。
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