本当の愛はここにある [ハイカ] 押しかけ狸娘 (ゼロス #115)

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copyright 2024 ワニマガジン ハイカ

タイトル押しかけ狸娘
作者ハイカ
掲載誌ゼロス #115
ページ数23
ヒロイン隠神たぬこ
竿役松山
発射数2
公式タグフェラ / けもみみ / パイパン / ファンタジー・SF / 中出し / 巨乳
修正白抜き修正

本日はゼロスから初登場ハイカ先生の作品をタヌキものをご紹介する。

キツネなのタヌキなのどっちが好きなの?

日本で生まれ育った善男善女は概ねキツネとタヌキを対のものだと考える。何なら犬猫よりペア感が強いのではないだろうか。どちらも「化ける」という形態変化特能を持っているとされ、特に説明せずとも自らの意思で獣人化してくれる。女性の顔を「たぬき顔」「きつね顔」と分類するのも一定のコンセンサスがあり、どちらが上ということもないらしい。

イヌ⊃キツネ⊃タヌキ

生物分類的にはイヌとネコという大きなカテゴリがあり、タヌキもキツネもイヌ側の仲間である。イヌグループ(Caniformia, イヌ亜目)には大きく分けてクマ・アザラシ・イヌに分かれ、イヌ科の下にキツネ・オオカミ・狭義のイヌが分類される。キツネと呼ばれる動物は世界中に分布しており、日本に多く生息するアカギツネの他にも、日本人の感性ではほぼイヌに見えるキツネまで多種多彩である。タヌキは系統上は「キツネの分派」で、もともと極東にだけ生息する世界的には珍しい部類の動物だ。英語ではRacoon dogと呼ばれ、Racoonはアライグマを指す(クマの仲間)。「アライグマっぽいイヌ」がタヌキなのだ。本作のカラーピンナップで描かれているのが「信楽焼のたぬき」で、滋賀県甲賀市信楽の名産品である。信楽焼自体の歴史は古いが、タヌキの置物が作られたのは明治期と比較的新しい。笠を被り徳利と大福帳を持っている縁起物として店先などに飾られている。御存知の通り信楽焼のたぬきは原則オスであり、「八畳敷」と言われる巨大なキンタマがぶら下がっているところまでが縁起物である(金運のご利益)。

はじめまして 君をもっと知りたいな

エロ漫画の話に戻ろう。キツネ娘は稲荷神の眷属として比較的よく登場するモチーフだ。玉藻の前という先例もある。「わらわ」という一人称で花魁のように男性を「化かして」手玉にとる、まさしく妖艶な女というイメージがキツネにはビルトインされている。対してタヌキ娘には勝手に「詰めが甘い」設定、そして「鈍臭い田舎娘」のようなイメージが載せられがちである。藤丸先生のエロコメディ「お鍋がゆく」(「花」収録)のヒロインお鍋は発情したタヌキで目をつけたショタっ子に好き放題返り討ちされるのだが、一人称は「あちし」だった。本作のヒロイン隠神たぬこの一人称は「私」なのだが、ファーストコンタクトから常にキョドり気味である。導入としては「助けた狸に夜這いされる」という昔話的王道。田舎から都会に出てきたたぬこはエサにもありつけず変化能力も失われていた。竿役の松山もまたブラック勤務の社会人1年目で日々自分をすり減らしており、行き倒れていたタヌキにシンパシーを覚えたのかなけなしの食餌を与えた。キツネの場合は「油揚げ」の恩という相場があるのだが、タヌキには特になく、手持ちのコンビニおにぎりを食べさせている。なお実際にはタヌキもキツネも雑食なので、助けたければ大抵のものは食べてくれるだろう。人間形では巫女服のような出で立ちだが、カラーピンナップによるとスカートは黒、髪色は青紫である。どこから嗅ぎつけたのか、深夜の松山宅にたぬこが押し掛け、「なんでもします!」と拝んでくる。松山くんはかなりお疲れのようで、このアブノーマルな経緯をかなりざっくりと理解し「彼女になってほしい」という結論に至る。何でもしますと言ったたぬこさんにしてみれば、「年利3,3%での分割償還」「倉庫内軽作業を含む経理事務」などと言われるより「俺とつがえ」は理解の範疇であり断然ありがたいオファーだった。思考が追いついた松山は「まずタヌキの嘘設定は置こう」と促す。説明が苦手なたぬこさんは耳と尻尾をタヌキ化して見せた。なおたぬこさんはこの前後で人間形の耳は見せていない。突然生えてきた尻尾に好奇心から手を伸ばした松山は、彼女がノーパンであることに気付きムラつく。動物的カンでエロい空気を察知したたぬこさんは「もしや…子作りをご希望で?」と得意げに丸出しのケツをまくる。お疲れの松山くんは「即挿れはハードルが高い」という名文句とともに躊躇する。バック即挿れしか知らないたぬきと人間の二人三脚、もとい二人五脚で人間式の交尾を果たした。

本当の愛はここにある

「ヒトの姿に化ける」という行為は簡単なようでいて難しいのだろう。もし我々が「タヌキ受けのいいイケメン」に化けろと言われても、自由に形態変化できる能力があってもゴールが分からない。隠神たぬこさんは天性なのか本能なのか、人当たりのよいタヌキ顔と出るところ出たボディラインを魅せてくれている。特に丸々としたお目目は本当に何をしでかしても許せる可愛さがある。事後、この話にはオチがある。「つるのおんがえし」という童話で、助けられた鶴は恩返しのため自らの羽根を使った着物を織ろうとする。しかし助けてもらい家に押しかけた身でありながら、「機織りの姿は覗くな」と恩人に要求する。見るなと言われた男のサガで覗かれた鶴は出て行ってしまうという話である。さて本作はというと、頼んでもいないのにヒロインがタヌキ100%に戻って寝ているのだ。事後とはいえヒロインをデフォルメほぼ無しのガチタヌキとして描いたハイカ先生はかなり攻めている。ガチタヌキの姿は冒頭でも出ているのだが、一旦まぐわった相手が朝起きたら純粋なケモノになっていたわけだから、想像するだにかなり気まずい。男松山はそれでも「添い遂げる」気構えを見せた。純愛か、男の責任か、お疲れ気味か、はたまたケモ耐性持ちか、ぜひとも末永く幸せに暮らしてほしい。なお先述の通りタヌキはイヌと同じカテゴリであり、丁寧に飼育したとしても寿命は10年、長くても20年ほどだそうだ。

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