ストレンジャー [亜美寿真] たぶん瑞希さんは振られた。 (快楽天 2025.06)

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copyright 2024 ワニマガジン 亜美寿真

タイトルたぶん瑞希さんは振られた。
作者亜美寿真
掲載誌快楽天 2025.06
ページ数26
ヒロイン瑞希
竿役
発射数1
公式タグパイパン / ローション / JD / 先輩・上司 / お姉さん / 巨乳 / 淫乱
修正白抜き修正

今月の快楽天は記念号かと思うほど凄まじい。どじろー先生の作品は空前絶後の4連載と聞いているので今回は触らない。亜美寿真先生と星井情先生の作品を続けてご紹介したい。

以前も亜美寿真先生と星井情先生を同時にご紹介したことがある。直接の関連は無いのだが、あたかもクロスするようなテーマを扱ったかのような読後感を受けて、下のようにタイトルを付けさせて頂いた。この時にブログ読者の方から間違っていないか確認が入ったのだが、今回も性懲り無く同じ轍を踏ませていただきたい。なお下記作品は残念ながらkomifloからは既に配信落ちしている。

サブクエスト [亜美寿真] ズルくてごめんね (快楽天 2023.07)

ズルくてごめんね [星井情] サブクエスト (快楽天 2023.07)

互いのシフトを重ね合った仲

上記2作ではないが両先生とも「おねショタ」の引き出しが深い。亜美寿真先生は「男女の主導権争い」という観点で、竿役が大人でもガキんちょでも互いの意地の張り合いを艶っぽく描くのを得意とされている。最近は高校生どうし大人同士の駆け引きを描いた作品が続いていたが、今回は分かりやすくおねショタである。とはいえ年齢差はさほどなく、瑞希さんが21、怜くんが17歳といった年加減だ。したがってぶっちゃけ怜くんがエロ漫画竿役的にはおぼこすぎるのだ。二人の出会いはコンビニバイト。怜くんが受験の年に差し掛かったのでバイトを辞める最後のシフトが先輩として色々教えてくれた瑞希と同じだった。怜の家は家庭事情がよろしくないらしく勉強に集中するつもりだが場所が無いと嘆いていた。「じゃうちでやれば?」こんな経験は無いものの絶妙に納得感のある導入で、瑞希さんの部屋に夜な夜なお邪魔する関係になったのだった。エロ漫画ではよくあるものの、面識のない男子学生を拾う展開は無理がある。かといって幼少期からの顔なじみに世話になってる状況で何となく「攻略」が始まるのも頂けない。長きにわたりバイトで互いのシフトを重ね合った関係が紡ぐステップアップだ。亜美寿真先生はヒロイン目線竿役目線両方イケるのだが、本作は名作「ななまん」と同じく竿役目線。怜くんは虫も殺さぬ顔をしながらも「やすやす部屋にあげてくれるのは 意識されてないのか脈があるのか」気になるお年頃である。

いけないことの共犯意識

6ページ、瑞希おねえさんが満面の笑みで帰宅する。「ねえ見て! 廃棄パチった! いえーーい」勝手知ったる関係性とプライベートでは人懐っこい感じが微笑ましい2コマ。なのだが、「パチった」は注釈なしで問題ないだろうか。私を含め関西ネイティブの方はまず引っかからないと思うのだが、「意味は?」「何の略?」と改めて聞かれると難しい。もちろんこれはパチンコの景品ではない。関西で他人の所有物を窃取することを「パクる」という。これは食べ物を「パクっと頂く」から来ているとされる。転じてアイデアや図案などを無断借用する時にも使われる(トレパクなど)。なお「警察にパクられる(=身柄確保される)」は盗みではなく「ばくる=縛る」から来ているそうだ。「パチる」もパクると似たような意味とされる。「へちる」とも言う。このへんは関西的だと思うのだが、悪意ある窃盗を含む「パクる」に対して、所有者が許してくれそうなレベル、ないし元々共有物扱いのものを持ち出す(家族のものなど)といったカジュアル?なニュアンスが「パチる」にはある。偽物など価値の低いものを「パチもん」というのに通ずるのかもしれない。本作に戻ると、「廃棄パチった」という表現は、「廃棄予定食品を持ち帰る行為は悪い事かもしれないが、売り物ではなく捨てるものを有効活用するのだからコッソリやってる分には罪に当たらないだろう」という意味合いだ。このあと電話がかかってきた時に二人とも、「店長にバレたかも?」というバツの悪い顔をしているところからも確信犯ではない。このあと本作のテーマになる「いけないことの共犯意識」の端緒となる(関西人には)分かりやすいエピソードだ。

瑞希さんはギリギリ

初っ端はとにかく明るい瑞希だったが、かかってきた電話を見て「通話してくる」と席を外す。怜はモヤっとする出来心で会話を盗み聞きする。あえて手書きの解像度でうっすら垣間見える揉め事。全文書き起こす。全て瑞希側のセリフである。

「だからバイトと課題だってば…!!私はあんたと違って仕送りとか無いの」「…だからってライン一本で終わりにする程度の関係だったわけ?」「ああ そう…じゃあいいよ それで」「こんな風に二人して怒って話し合いしないで終わるんだ」

ここで怜の頭によぎったものがタイトル回収で間違いない。無言で戻ってくる瑞希。気まずい空気が流れる。精一杯の怜くんが「がんばって癒しますけど」と振り絞った男気が瑞希の強張った表情をほどいた。ベッドに突っ伏して「肩揉んでよ」と甘える。9ページ、顔真っ赤な怜くんに対して、見えるか見えないかギリギリ染まった瑞希の頬が良い。一方で瑞希さんは6ページからショートパンツを履いているのだが、これもまた上着でギリギリ見えるか見えないかになっておりドキっとする。「はいてますけど、期待してください!」といったところだ。

たぶん瑞希さんはハマった。

13ページ、瑞希さんが怜くんに見せる顔はいたって冷静だ。しかし内心はいっぱいいっぱい。元カレへの屈折した鬱憤、それを年下の怜にぶつけて弄んでいる事へのためらいと思惑通りに尻尾を振る怜への劣情、触れ合う男の肌の温かさ、そしてななまんお姉さんの名言「これ私手出したら犯罪じゃない!?」がない交ぜになった表情が美味しい(なお性的同意年齢は16歳なので怜くんが同意していれば何も問題ない)。17ページ、ブラを取るところまでリードした瑞希さん。おぼこい怜くんはここから毅然と受け止める。あくまでズボンは履いたまま、ローション越しのハグ。素晴らしい。そこから顔を真っ赤にしながら瑞希さんのパンツの下に手を伸ばす。21ページからはまた瑞希さんがリードする形で最後まで進む。24ページ真ん中でおそらく怜くんは果てたのだが、さらにピストンを続ける男気が強い。

ストレンジャー

事後、「した後の煙草が美味しい」と瑞希の知らない顔を見る怜。電話を盗み聞きした怜だからこそ、その煙草の味を教えた「誰か」が気になって仕方がない。何食わぬ顔でベッドの下からローションが出てくるのも「誰か」のお下がりなのか。いや、大人なんだからHと関係のない「した後のタバコ」があるのかもしれない。一人でする場合にもローションを使っているのかもしれない。聞きたい。聞けない。「気になる?」という瑞希の声に精一杯強がる怜。それを「煙草の話だけど?」と煙に巻く瑞希の笑顔でオチとなる。電話でのいさかいをスッキリ吹き飛ばし笑顔が戻った瑞希と裏腹に、今まで意識していなかった瑞希の向こうにいる顔も素性も分からないであろう「誰か」 – ストレンジャーへの屈折した思いを背負わされてしまった怜くんは受験勉強どころではないだろう。ズルくてごめんねと代わりに言いたくなるような甘苦い名作だ。

亜美寿真先生の作品はこちら!!

ななまん

1,210円

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